夏目漱石の美術世界展&河鍋暁斎の能・狂言画展

 

東京藝大の主さま

 

東京藝大美術館の出口におあします主さま。

圧倒されます。かっこいいです。

というわけで、きょうは、二本、美術展をハシゴしてきました。

■夏目漱石の美術世界展

こちらは、学芸員&岩波書店渾身の企画です!
私、別に夏目漱石のファンじゃないんですよ。
しかし、あきれるくらい優秀ですよ。彼は。
お札になっている人を捕まえて、何を言う?ですが。
本当に、すごい!

だって、私、きょう見た絵について、彼みたいに語れないですよ。
わずか二年の留学で、どれほどの濃さで海外の文化を吸収してきたのでしょう?

そりゃ、公費を使って勉強させる価値がありますよ。
しかし、美術評論は、どうかと思う内容です。
基本が好き、嫌いですから(笑)。

当代一の文化人に酷評された当時の画家さんたち、困ったでしょうねえ。
最初は、「ひどくない?」でしたが、だんだん、ツボってきまして。
最後には、「えー、もう漱石の美術評論ないの??」と禁断症状が出る始末!!!
だって、牛の模様、ぶちが気に入らないとか、そういうレベルなんですよ。
知らないでしょ? 夏目漱石がぶち好きかどうかなんて!
また、言い回しがかわいいんですよ。
「いけません」ときます。「いけません」って言われてもねえ?
なんか楽しくないですか? おかあさんみたいで。

相当、面白いですよ。この美術展。
夢十夜のネタバレもあったりして。

あらあら、これは、絵画からもらってきたのねとか。
でも、それでも、とにかく、すごいですよ。よくもまあ、ここまで
そろえたものです。関係各位の熱意、ご苦労が伝わってまいります。

イヤホンガイドは聞かなかったのですが、それでも、通常のキャプションに、
漱石の文章の抜粋がついてくるため、異常に時間がかかります。
普通の美術展みたいに、さらっと見ることもできますが、やはり、文章を
読み、しみじみ眺めるのが、ぜいたくの極みかと。
だって、きっと、発表当時の人は、何もわからないはずですよ。
「ターナーってなんだろう?」
で、今の私たちは、「ターナー? ああ、アレね」ってわかりますが、
でも、出てくるのは、「夏目漱石が見た『水の上を走る汽車のターナー』」なんです。
もうピンポイントなんですよ。
どれほど、大変だったでしょう? すごいなあ。

■河鍋暁斎の能・狂言画展

こちらは、下絵がすごいですよ。

惜しみなく、見せています。いや、美術館の企画で。
特に、『道成寺』の鐘の中の絵は、「おっ!」と目を引きました。
おそらく、普通なら外に出せない部分だと思うのですが。

きょうは、年間パスポートを作ったので、これは、また再訪いたします。

美術展ハシゴの後は、笙のお稽古でした。
きょうは、『伊勢の海』を習いました。うたえませんが。
奏でられもしません。ただ、習いました(笑)。

まあ、とにかく、夏目漱石の美術世界展、本当にオススメです。七夕までです。

このエントリーをはてなブックマークに追加