ナポレオンの姪

きょうは、嬉しいことがありました。
ずっと、気になっていたナポレオンの姪の肖像画を見ることが出来たのです。

始まりは、損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の『トスカーナと近代絵画』でした。
そこで、解説にちょっとだけ出てくるのです。ナポレオンの姪のことが、チラッとだけ。
それは、嫁ぎ先のデミドフ家の邸宅の一部を映した絵で、なんともまあ、豪華絢爛です。

で、解説を読み、「え、ナポレオンの姪って、失脚後、大丈夫だったの???」と素朴な疑問がわきました。なにしろ、東京都美術館で開催中の『ターナー展』で見たナポレオンの寂寥感が忘れられなくて。

でも、「ナポレオンの姪」だと、検索にひっかかってこないんですね。
お詳しい方には、笑われてしまいそうですけれど、うまく見つけられませんでした。
忙しい時期だったこともあり、ここで追跡はストップ。でも、ずっと気になっていまして。

きょう、Bunkamuraのザ・ミュージアムで、いきなり、私の前に現れました。
非常にかわいらしく、華やかな絵で、花をバックに肩を出しているドレスが印象的でした。「叔父、ナポレオンがいなければ、私はオレンジ売りよ」とプルーストに語ったという逸話がついていました。

で、名前がわかったので、「マティルド」と「デミドフ家」で検索かけたら、あっけなくたどり着きました。

マチルド・ボナパルト!
今度は、ちゃんと彼女の半生が見えてきます。

たどり着くまで、長かった気がしますし、意外に早かった気もします。

ナポレオン失脚後は大丈夫だったのか勝手に心配していたのですけれど、彼女は失脚してから生まれたのですね。庶民が心配する必要なんてこれっぽっちもない華やかな人生を送られていましたよ。歴史を知らないって、困りますねー。しかし、叔父さんがいなくても、オレンジは売らないんじゃないかしら?

でも、こういうのも、楽しい経験ですね。
何かがひっかかって、でも、すぐにはわからなくて。
思いがけなく、答えが見つかって、嬉しいです!

それぞれの絵は、こんなラインナップです。

ジャン=パティスト・フォルトゥネ・ド・フルニエ
「サン・ドナート・イン・プルヴェローザにあるデミドフ家の別荘(ヴィラ)のサロン」

ルイ=ガブリエル=ウジェーヌ・イザベイ
「チュイルリー宮殿庭園のマティルド公女」

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
「戦争、流刑者とカサ貝」

同時期に開催された『ターナー展』と『トスカーナと近代美術』と『バルビゾンへの道 山寺後藤美術館コレクション展』ですが、私の中では、マチルド・ボナパルトに集約されました。

しかし、「チュイルリー宮殿庭園のマティルド公女」は、1855年の制作とあります。
マチルド、35歳??? えー、ホント??? もっと若く見えましたが。

余談ですが、『バルビゾンへの道 山寺後藤美術館コレクション展』では、ジョン・エヴァレット・ミレイの「クラリッサ」とシャルル・フランソワ・ペクリュの「貴婦人と犬」が気に入りました。

この「貴婦人と犬」の貴婦人みたいな女性になりたいなーって思います。
絶対、優しくてよい人っぽいんですが、しかし、あれだけ寛容な感じだと、ガマンすることも多そうな気がいたします。案外不幸かなー??? そんなことを考えつつ(また、余計なお世話!!!)、 とりあえず、お手本にするべく、ポストカードを買って帰ってきました!
マチルド公女のはなかったのですよ、残念無念。でも、この絵をラインナップに入れてくださってありがとうございます>関係者様。

このエントリーをはてなブックマークに追加