占いを稼業にしているくせに、占いで未来を読むことに抵抗があるのです。
自分で決めたい、選びたいという気持ちが強いせいかもしれません。
だから、昔から人生相談に乗ることが多いのですが、まず、占いでは答えません。
「そうねえ、あなたが牡牛座生まれで、相手が水瓶座よねえ。そうなると……」みたいなことは、めったに言わないわけです。
もっと、一般論や常識で答えてきました。
が、9月に「よしログ」に出演させていただいたとき、「あれー、やっぱり、当たっているなー」って思ったんですよね。
こんなの、なにも自慢にはならないのですけれど、テレビとか、あんまり見ないんですよ。
だから、芸人さんたちのことも、ほとんど知らないのです。
売れている方は、お名前とお顔が一致するレベルというか。
で、エハラマサヒロさん、渡辺直美さんとお話しさせていただいて気づいたのですけれど、吉本の方は、ご自身のプライバシーを結構出していらっしゃるんですね。
だから、私がホロスコープを見て、「この方は、結婚しますよ」とか、「最近、縁が壊れたかも」って言うことが、「だよね。本人、破局したって言っているしね」みたな日常会話の中に納まっていってしまうわけです。えええ、知らないよ。そうなの?
だから、内心、「えっと、私は、芸能ニュースをチェックしているわけじゃなくて、ホントにホロスコープからしか見てないんだけどなー」って思い続けていたのですけれど。
同時に、へーって、感心しました。
へー!!!
当たるじゃん!!! 星占い!
だから、あなたの仕事は何なのですか!!!……なんですけれど(笑)。
ハイ、19年書いてますよ。来年、20周年ですよ。
個人的には、雑誌やテレビの通じての占いの距離感が好きなんですよね。
なぜかというと、対面占いと違って、「当たるも八卦」気分が強まるでしょう?
すべての人が必ず、見るわけではないのです。そういう自由度、選択権があるのもいいです。
でも、また、面白くて、必要な人が必要なときに見てくださるというか。
ご縁のある方に、そのときだけ、言葉が届けばいいと思っているのですけれど。
占いでガチガチに人生を縛るのではなくて、気になった時にチェックして、「ふーん、ちょっと気を付けよう」くらいが、なんだか正しい距離って気がするのです。
だって、占いに頼っていると、占わずには何も出来なくなっちゃいますよー。
「赤い服? 白い服? さあ、どっち」みたいなことから、「旅行に行くなら、南? 北?」みたいに、イチイチ全部、占いで決めたくなっちゃう。
んなの、自分の人生を生きていると言えるのでしょう?
仲良くなったすごく素敵な女性が「迷ったら、サイッキクに電話で聞いているの」とか言いだした時に、耳を疑いまして。だんだん、そのサイキックへの相談が頻繁になって……、最後には、ご自身の道を見失ってしまったように見えました。
超能力と占いは、また、ちょっとジャンルが違いますけれど、共通するのは、ゆだねてしまう怖さです。自分で考えたり、選ぶのを辞めたりしてはいけないと思うのです。
まあ、これも、自分に経験があるからなんですけれどね。
昔、とても有能な先輩がいらして。
困ったことがあると、その人に相談すると、最高の答えが出るのです。
もう嬉しくて、大好きで。
あるとき、気づいたら、もう自分で考えることが出来なくなっていました。
私ハ、ドウスレバ、イイノデスカ???
次ニ、何ヲスレバ、ホメテクレマスカ???
あのときの人生の底が抜けたような恐怖、今でもリアルに思い出せます。
知らず知らずのうちに、洗脳されていたのです。おそらく、先輩の方も洗脳するつもりなんてなくて、ただ、慕ってくれるから、親切丁寧に面倒みていただけだと思うのですけれど。
どうしたかって? 逃げましたよ。あ、相手は結婚なさっていて、同性でした。恋愛とか、そういうのではないのです。
必死で逃げて、先輩にNG出されて捨てたものを全部、取り戻しました。
私が思考停止していた時期は、半年くらいでしょうか?
自分を取り戻すのには、その何倍もかかりました。オセロの中嶋さんは、大丈夫でしょうかね? 他人事ながら、心配です。
答えは、自分の中にしかないのです。
そして、未来も、自分の手の中にあるのです。
星占い、あなどれないのですけれど、でも、読み取る人のレベルで、意味がガラッと変わってしまったりしますから。
過信せず、疑いながら、でも、役に立つ部分だけを吸い上げるくらいの感じがいいのだと思います。占いの暗示にかからずに。ホント、人の心って、簡単に刷り込まれちゃいますから。
あー!!! わかりました!!!
私が目指しているのって、「当たる占い」じゃないんですね!
「役立つ占い」なんですね!!!
ずっと、スッキリしなかった部分がやっとシンプルに見えてきました。
そう、役立てていただければ!と思うのです。
決めるのも、選ぶのも、ご自身で。
でも、そのために、一緒に考えましょうかというのが、私のスタンツかもしれません。