第一印象で、どこまでわかるか

うちの親は、非常に現実的な人で、本質的な部分で、さっぱり折り合いません。
親は、私のことを「言うことを聞かないコ」って思っているでしょうし、私は私で、
「あー、ホント、話が通じない」って思っているわけです。

よく「親になって初めて、親の気持ちがわかった」で聞きますが、もはや、その体験をすることはないと思うので、
親の気持ちはわからずに終わるでしょう。

さて、母と私で折り合わないことのひとつに「第一印象」があります。
母の主張はこうです。
「人を第一印象で決めてはいけない」

私の感覚は、こうです。
「第一印象で、ほぼわかる」

これは、どうなのでしょうね?
慎重な人は、母の説を取るでしょう。
一理あります。

が、んな、人の見極めに時間かけてどうする?です。
第一印象で、合わない人は、絶対に合わないし!

この感覚は、母に言わせると、「あなたが決めつけているから、そうなる」なんですけれど。
そうかなー? だいたい、最初から違和感があるけどなー。大人だから、言わないし、構えるだけだけど。

この件に関しては、非常に注意深く観察しております。

第一印象で、すべてがわかるなんて言わないですよ?
私の社交の傾向として、「うわー、いいコだなー。一緒にいると楽しいなー」のコほど、
手ひどいしっぺ返しを喰らいます。
おそらく、感覚的に近すぎて、人間関係を正常に動かすための遠慮や配慮が失われるせいなのでしょう。
自分と相手との境界がなくなるというか。
でも、もともと、私たちは、違う器に分けていれられたものなわけですから、「同じ」って考えると、反発が
起こるのでしょう。
いわゆる「親友」を何度もなくしてきた経験で、こういう結論に至りました。
四六時中会う、非常識な時間でも許し合えるところまでいくと、「ちょっと危ないぞ。そろそろ、関係の終わりか?」って思うようになりました(笑)。

母に言わせれば、「だから、第一印象はアテにならない」ってことになるのでしょう。
私に言わせれば、「いや、ちゃんと見抜いているって。つきあううちに、違う面が出てきただけでしょ?」になります。

いや、イチイチ、こんな話、母とはしていないのですけれど。

で、なんで、こんなに長い話をしているかといえば、モンドリアンについて、書いておこうって思ったからです
(え、ココまで、前置き?)。

昨日の『オランダ・ハーグ展』は、インパクトありました。
基本、オランダの絵って、暗いって思っていて。暗いけれど、ちょっと落ち着くし、人間の暮らしの大事なところがあるような気がして、わりと好きなジャンルなんですね。私にとって、一枚一枚の個性は、それほどなくて、ごちゃっとしたイメージで、「オランダ」とか、「フランドル」みたいなくくりで見ています。

で、昨日の企画展は、「オランダの絵の流れに、ゴッホがいるよ。モンドリアンもいるんだよ」ってことでして。
本編の部分は、それほどピンとくるものはなく、「ああ、ここに、人間の暮らしがあるねえ」みたいな感じで眺めていたのですが。
モンドリアンの風景画を見て、心底驚愕しまして。

だって、前衛の人って思っていたのですよ。タテヨコの線で区切られたフィールドに、たまに色がついているイメージ。←オイ!

ずいぶん昔に、「ピカソって、ホントは、うまいんだ!」って思った以上の衝撃でした。←オイオイ。でも、コレは、同じ感覚の人、世界各地にいるはずです。なにがホントなのか、我ながら、意味がわからないですけれど。まあ、わかんないわけよ、抽象画なんて!

「アムステルダムの東、オーストザイゼの風車」は、とにかく、キレー!!! 水ですよ。水。そこに、ちゃんと水があります。
油彩の特性を生かして、キラキラしています。
また、遠目からも「うわー。かっこいい!」ってなるのが、「夕暮れの風車」。これはもう、いまどきの広告に使われても違和感ない構図ですね。
両方とも目玉みたいで、絵葉書にはなかったのですが、ジュニア版ブックレットには掲載されていて、嬉しかったです(図録は、かさばるから)。

そうかー、この色彩感覚とデザイン感覚で、「ピエト・モンドリアン」になっていくのですね!

wikiによると、「有名な『リンゴの樹』」なるものがあるそうですねー。
おお、『リンゴの樹』を見ることなく、モンドリアンをつかんだぞー!!! いや、美術展の企画者さまのおかげなのですが。

で、話は最初に戻ります。
第一印象ってことでいえば、モンドリアンは、みんながイイって言うけれど、自分はピンとこない人なわけでした。
ただ、ひょんなことから、人となりを知ることになり、「あれ、すごくイイ人じゃん!」になったってところでしょうか?
ピカソでいえば、「変わっている人だなあ」が、「ああ、すごく力があるんだー」でしょうか。どんだけ、素朴な感想なんだ?ですが。

母に言わせれば、「だから、第一印象なんてアテにならないのよ」となるでしょうし、私は未だに「いや、第一印象でだいたいわかるよ」になります。
第一印象でひっかかっているからこそ、「アレ?」があるわけで。
モンドリアンの抽象画が心に残っていなければ、「え? コレもモンドリアン?」はないわけですよねー。いろいろ、深いなー。

今って、「モンドリアン後」なわけですよねー。
私が生まれた段階で、すでにモンドリアンは作品を作り終わって、亡くなっていて。
世の中は、その洗練を受けて次に進んでいます。

感覚的に「あー、そういうの、あるよね」は、誰かが生み出したものなんですよねー。
初めて世の中に出たときは、ものすごい衝撃で、物事の系統を変えるほどのインパクトがあったんですよねー。
ある画家さんに「だから、セザンヌもすごいんだよ!」って言われるのですが、未だにセザンヌの良さはわかりません。
「このリンゴはおいしそうだ」、「これはそうでもないな」くらいしか見てないという……。←オイオイオイ!

昨日、いきなりモンドリアンがわかったように、セザンヌも「おお! そうか!」ってわかる瞬間がくるといいなーって思いますが、セザンヌ展とか行っていても、「ふーん」だから、わからないかも? 技巧がねーって言われても、それは、プロの人の領域でしょって思っちゃうんですよね。いいのよ、素人だから。
昨日は、気になる画家さんが増えました。好きな画家になるかは、この先の流れ次第。楽しみです。

 

 

 

 

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