過日は、御心配をおかけしました。数々の温かいお言葉、深く染み入りました。
感謝しております。
先日、処方された薬をマジメに飲んでいたら、4日くらいで変化の兆しを感じ、
一週間経った今は、確信しました。
嗅覚の復活です。
久しぶりにコーヒーの香りが分かり、久しぶりに、自分の部屋のにおいがわかります。
匂いがない世界、想像がつかないでしょう?
人間って、おもしろくて、忘れるんですよ。
匂いが戻ったときに、「これは知っている。でも、なんだっけ?」と記憶の分断が起こります。
必死で考えて、記憶を探って、つなぎ合わせて、やっと思い出すのです。
「ああ、グレープフルーツのにおいだ」などなど。
言葉で説明しても、感覚的にわからないですよね。
2Dの世界が3Dになるように、いきなり世界が立ち上がってきます。
もっとも、過去の経験から言えば、薬をやめれば、途端に消えてしまいます。
先日お話しした外科手術しかないわけです。でも、全身麻酔で入院してやってもらっても、
結局、再発したりするみたいなんですよねー。
要は鼻茸というポリープが出来ていて、それが匂いを察知する部位を覆ってしまっているという
ことになります。物理的に切除するしかないのですが、取ったところで、また出来てしまうというのが
一般的みたいです。それでも、切除したほうがいいらしいのですが。
喘息を見ていただいている主治医によれば、「鼻も喘息もつながっているから、仕方ないですね」と
いうことになります。実際、喘息発作で点滴を受けると、匂いが戻るというオマケつきです。
やれやれ、面倒な体質でございます。もちろん、喘息の人が全員、鼻茸になるわけではないですよ。
私の場合は、そっちにいっちゃったって感じデスネ。
よく「においがわからないと味がわからないでしょ?」って言われますが、
風味という意味ではアタリです。
でも、味はわかりますよ。味わいとか、素材のよしあしとか。
匂いがついているとごまかされてしまう類のもの。
前に面白かったのは、千葉の九十九里で売られている塩クッキーが大好きで、
ずっと食べていたし、人にも「おいしいよ」ってあげていたのです。でも、あるとき、
匂いが戻ったら、なんとピーナッツ風味だったんです。
においがわからないと、ピーナッツは感知できなくて、ピーナッツは余計でした。
「ああ、こういう味だったんだ!」的な驚きと失望(笑)。
どこまで続くかわかりませんが、あるいは名医かもしれない先生のところに
しばらく通うことに致しましょう。
見かけはいつもと同じでも、中身は違うんです。うひひひ、きょうの私は昨日よりもずっと幸せデス!