「宮田まゆみ  調子・入調 全曲演奏―Ⅱ」へ

サントリーホールで、宮田まゆみ先生の演奏を聞いて参りました。

音に誘われて、半ば眠っているような、けれど、意識は起きていて、

そのくせ、浅く、短い夢を繰り返しみました。

スケジュールはぎゅうぎゅう、ただ、郵便局にハガキを買いに行くというだけの
ミッションさえこの一週間、出来ませんでした。
当然、頭の中も、散乱気味です。
その散乱を整えるというか、清めるというか、そういう体験になった気がします。

本当は、演奏について、もっと学ぶ姿勢で聴くべきでしょうに、
そういう準備は出来てなくて、ただただ、音に洗われるようなひとときとなりました。

羽衣のイメージ。
鏡に氷を重ねて、その中に映った星を狩りに行くイメージ。
聖なる土地に都市や城が造られるイメージ。

どこから来たのでしょう、そんな白昼夢たちは。

太食調の入調がもっとも印象に残りました。
遠い国の不思議なお話を聞いているような。
美しい世界、まだ見ぬ国、極彩色の夢、音の記憶。
吟遊詩人を待ち焦がれた貴婦人たちの気持ちが、少しわかった気がします。

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