アート三昧1「パスキン展」

本日の私は、本気です。
29日終了の美術展を攻めます。

第一弾は、パナソニック汐留ミュージアム、「パスキン展」です。
あまりよく知らない画家さんなんですが、妙に気になって。
捨てがたく、少し早起きして行きました。

完全に不審者です。
《太った女》のまわりをぐるぐるぐるぐる。
欲しい!
好き!
大好き!

後年の作品なんかは、ぶっとび、ひたすら、《太った女》です。少し進んで戻り、最初に戻ってまた、同じ位置に引き寄せられます。
グッズ売り場まで行ったのに、「図録売切れ」の衝撃で、また、見に戻りました。
美しいよ〜!
なんだ、君の吸引力は!
パスキン39から、40歳の作品。個人蔵だから、もう会えないかもしれません。
こんなに好きなのに、なんて切ない。
しかし、快く公開してくださるオーナーや交渉してくださった関係者の方々の好意に感謝しましょう。この一枚がなければ、私のパスキンイメージは、少し違うものになります。

油彩なのに、水彩のように見える作品、くすりと笑っちゃう小技、意味わかんないけど、嫌いじゃない赤ずきんとか。なんだか、やたらと楽しい内容で、来て良かったです。
美術館イメージも変わりました。
ハイテクロッカーを使いこなせませんでしたが、なんかかゆいところに手が届く仕掛けで、嬉しかったです。あ、アラウーノも、すごい(笑)。ぜひ、体験すべきです。

パスキンの絵は、描かれた人の声が聞こえてきそうで。
そんなことを考えながら見直したら、一枚の絵が「もう一度して」と言った気がして、ドキドキしましたよ。

モデルのどこに魅力を感じたのかが、ストレートに伝わってくるんですよね。なんか、とてもわかりやすいのです。
あと、モデルたちが安心してますよね。
信頼関係があったんでしょうね。

もし、生前巡り合っていたら、案外仲良くなれそうです。悪口言い合えて、毎回、憂鬱病につきあって。役に立たない慰めで、早描きでリッチな友人とダラダラ飲むのでしょう。
お葬式では、「あいつはバカだ」とみんなと泣いて、ただ、「仕方ない。やつは、45で死ぬしかなかったかもね」と奇妙な納得をする気がします。

絵から茶色が消えるのは、やはり1923年くらいでしょうか。淡く、輝く色のヴェールに包まれていきます。

1館目から大ヒット。息切れしないように気をつけます。
死ぬまでにまた、《太った女》に会えるといいなと思います。さよなら、美しい人。

このエントリーをはてなブックマークに追加