佐倉にある川村記念美術館を訪ねました。「スサノヲの到来」展を見たかったのです。
松濤に巡回することは知ってましたが、スペース的に川村かなあ?と頑張りました。送迎バス乗ってから30分だからかなり遠いですよね。
んーと、前半の神像エリアはよかったのですが、後半、かなり集中力を削がれます。もう少しスサノオ特化して欲しかった気がします。でも、《あめのうた》に参加したり、楽しかったですが(文句いいつつ、ご満悦)。
出口なおさんのお筆先、生で初めて見ました。ざわざわしますね。
佐々木誠さんの《八拳須》や《夜久毛多都》は、ぞくぞくします。ちょっと狙い過ぎなくらい。しかし、添えられた詩がまたいいのです。
会場を出ながら考えたのですが、アートに昇華されている分、凄まじさみたいな部分は削られている気がしました。
泣く神、ツクヨミとの関連の強調が、やけに残りまして。なーんか、もっとあるんじゃないかなあ?な印象です。和歌ジャンルで、西行や芭蕉とかも出てきちゃうんですが。
んー、たとえば、南方熊楠の《菌類彩色図譜》を見られるのは、貴重だと思うんです。思うけど、それをなぜ、「スサノヲ」くくりで見ないといけないのかがわからなくて。いや、「スサノオ的生き方をした人だから」は、ちゃんと伝わってますが、なんかそっちにふくらんでいいのかなあ?と腑に落ちません。展示内容は楽しいんですけど。
神札並べるなら、全国の氷川神社や八坂神社とかの神札を並べて欲しいと思ったりするわけです。実現したら圧巻でしょ? それをやった上で、大口真神の神札コレクションもありますならわかるんですが。
オオカミ、夜、月、闇、OK、イケる!みたいなノリなのかなあ? ちょっと私には、展示の基準がよくわかりませんでした。
牛頭天王との絡みも、さらっと流れて、「え、もっと、そこ、知りたいよ」でしたよ。
なんだろう、なんか拡張はいいんですが、その前に、絞りが甘くないか?と感じたんですが。かゆいところは、さらっと。かわりに、珍味がずらり〜みたいな。
もっとスサノオ、スサノオしているのかと期待したんですが、なんだか果てなく広がってしまい、最後はなんでもアリというか、それも日本神話っぽいですが。古き神話世界と現代アートのスサノオのイメージのスパーク、才能の競演拝見みたいな気分で行ったので、「うーん、違ったか」でした。ただ、だからこそ、出口なおさんのお筆先を見られたわけで、ありがたくもありましたが。
今回は、普段「買ってはならぬ」という自らへの戒めを破り図録を入手したので、少し勉強しましょうか。図録、管理しきれないので、いつも我慢してます。
ま、総じてこの企画展は、「スサノオによせて」な感じなのかな?
そう考えると、素直に楽しめそうです。
私は、チラシだけで、「現代アートで、そんなにスサノオがあるんだあ! さすがの人気だなあ、すごい!」と勝手に盛り上がりすぎたみたいです。開けてみたら、「うん、日本神話だね」で。あー、剣とかもなかったしね。草薙剣モチーフ欲しいですよね。スサノオなら。
庭園の白鳥たちは、のどかでした。