雨の中、ザミュージアムまで行きました。が、まさかの休館! びっくりしましたよ。ずーっと昔、「うちは休みません」的なことを言われたことがありまして。まったく疑わず、まんまと、空振りました。
ただ、結果的には、良かったかもしれません。最初から新国立に回るつもりでしたから、テイスト違いで、頭がぐじゃぐじゃになったかもしれないからです。
ともあれ、マグリット展です。約130点ものボリュームで、見応えはありましたが、「やはりあまり響かないな」と自分の好みを再確認しました。面白さや個性は感じますが、身体感覚に届きません。
ただ、ホームビデオは、良かったです。奥様の個性や品格が伝わり、彼女こそ、画家のミューズだと確信が持てるからです。子供のようにはしゃぎ、ときには、「あー、これがあの作品のあのポーズに!」みたいなシーンもあったりして。画家の頭の中で描かれたのではなく、奥様とのたわむれや共同作業から生まれた世界だとわかったのです。冗長で退屈なシーンもありますが、それ以上のきらめきを感じました。
帰宅して、2002年版の図録を見たところ、今回、出展数は多いのに物足らない気がした理由に気づきました。13年前に一番気に入った《誘惑者》や《光の帝国》が来てないせいでした。もちろん、バージョン違いを見られたのは嬉しかったですが、好きな作品との再会には別の喜びがありますよね。また、構成は前回のほうがアクが強い感じがします。今回は画風の変化がわかりやすく、初期の作品などがあり、新鮮でしたが。第一印象が強く、さらに記憶の改竄、過去の美化をさっぴいても、13年経っても「それほど、好きな画家じゃなあ」がブレないあたり、楽しくて。好きじゃないけど、たまにイイと感じる作品があり、なんだか気になり、無視出来ない画家の位置づけでしょうか。
しかし、13年前の図録が手元にあるのは、なんだか通っぽいですね。ま、いろいろ忘れていますから、「ただ、持っているだけ」です。ちなみに、13年前の会場は、Bunkamuraザミュージアムだったという事実も! きょうは、ザミュージアムにふられ、ザミュージアムを懐かしんでで終わりましたとさ。