「魔除け~身にまとう祈るこころ~」
文化学園服飾博物館で開催中です。
アジア圏に偏りはありましたが、面白かったです。日本からは、掛守、懸守、子供のための背守り。目が行き届かない背中を守る発想は、各国共通でした。背守り、男女の違いがあることを知りました。やはり左優位だから、男児が左守りなんですかね?
アイヌや琉球の文様。
中国は、やはり五行発想から赤が魔除けに。赤が魔除けなのは、中国に限りませんが。
袖、裾、袖口などから魔が入るから、そこに文様をあしらい、魔除けとします。三角、菱形、ベースは「目」らしいです。神々の紋章、悪しきものをくしけずる櫛などもあちこちで見かけました。
目のまわりを黒くし、魔を払う地域、こめかみや額を守る地域、神に近い頭部をカラフルな帽子で守る地域などがありました。
毒をもつ生き物をあしらい、魔を払う発想。強く見せるために、また、縁起のよいざくろなどあしらったりします。
揺れるもの、音で払う。母が子供のために、刺繍をする。鏡で光をまとい、跳ね返す。牙や貝で、護る。人毛で編まれた牙のお守り。生殖器を強める左の鼻を飾る。砂漠では、海や空の「青」が大事。青は、邪視から守る意味もあります。ペルーでは、耳飾りをしないと、来世、猿かロバになると思われていたそうです。笑っちゃいました。イスラム圏の月の守り。服と体の境、また、血管を守るためのブレスレット。
赤の染めが出来ない地域では、ヨーロッパのじゅうたんをほどいて、服に仕立て直したり、迫力十分な黒い馬の毛で作られた上衣があったりします。
メモしなかったため、記憶だけで書いていますが。
人は、魔を恐れ、祈りをこめて針を動かし、愛するものを守ってきたのです。図録がないのが残念。また、西洋の守りも知りたいなと思いました。