マシュー・ボーン「眠れる森の美女」

シアターオーブ

 

 

 

 

 

マシュー・ボーン「眠れる森の美女」を見ました。

見終わって、「ぽかーん」。

……ナニコレ?

大ヒットを飛ばすといいですね。過去の貯金で、人を呼べます。

何をしたいのか、私にはさっぱりわかりません。素人が考えた設定をプロが大真面目に踊る~みたいな?

真面目に考え過ぎて、一周回って中二設定になっちゃいました?

が、目の前の人たちは、スタンディングしました。私、立てませんよ、こんな内容じゃ。

わくわくする場面もありました。悪役登場のお供の二匹、呪いの顛末を説明する侍女の羽根バタバタ・ゼスチャーダンス、王妃のブレない存在感、一幕幕切れの浮遊感。二幕のスノッブダンサーズのタキシードはだけた兄ちゃんの古典的セクシーアピール。

以上。

アフタートークもついていて、アナウンサーさんの空気感の素晴らしさに感心しました。鍛えられてるなあ。

しかし、アフタートークを聞いても、やはり「?」です。

闇つーか、毒、消えてますよね。

100年眠る意味、ないですよね。僕ちゃんが100年待ったってだけ? もう永遠の命なのに? 永遠の命を持つ者に取って、100年なんてなんてことないと思うんですが。

その後の葛藤もない。21世紀である必然性もない。悪役が善だった的なひっくり返しもない。最後の最後まで、「まさかこれで終わらないよね?」と違う意味でハラハラしました。あれれ、終わっちゃった。えー?

最近のお客様は、本当に気楽にスタンディングします。が、スワンレイク、アダム・クーパー楽日の会場全体が沸き立つような熱狂には、遥か遠いです。遥か遠く東の果てまで来てくださったみなさまへの礼儀として、立つのかしら? 心からの感動ブラボーで座ってられないから立つのかしら? 日本人は大人しい、そう言われていた時代の反省で立つのかしら? 単にダンサーヲタなのかしら?

まあ、いいけど。

シアターオーブ、久し振りでした。少し多めに払い、ビューティーシートなるものに座りましたが、予想通り客席がフラットで「むーん」になりました。本当に東急系の劇場は、客席に座ってない人の手によって、設計されていますね。前の人の頭が左右に動く、動く。うん、見えないもんね。わかる、わかる、無理もありません。まあ、お供の二匹が唸っているのが聞こえたので、相応の価値はありました。

ホワイエが遠く、休憩時間をうまく使えません。なんであんなデザイン優先な造りなんでしょうね。

私は、『Play Without Words』が一番好きでした。マシュー・ボーン作品でまた見たいのは、PWWだけ。叶わぬ夢ですが。

ビューティーシートに大枚叩くくらいは、私も期待しているわけですよ。好きじゃないモチーフ、やることないのに~が、きょうの一番の感想かもしれません。ま、大人の事情があるんですよね。きっと、ね。

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