映画27/100「マチルド、翼を広げ」

“フクロウが話す”、それだけで、行きました。本日、またもや、三本目。いやー、行けたら行きたいで、チェックしてまして。早起きして横浜で2本見て、新宿でネイルサロンに行き、時間がちょうどよかったので入りました。天気は、雪にはならないし、仮に降っても、すぐには、電車は止まらないと読み〜。明るい気分で帰りたいな!で。

そしたら、とんでもなかったっす!

前半、つらっ! 辛い、辛い。

チラシやサイトには、不安定な母と紹介されていますが、んな、レベルじゃなく!

小学低学年の子供マチルドが、主役です。彼女は、学校から帰宅後、ひとりでお留守番。母親に育児をする力がありません。母の帰宅は、21時を回ることもザラ、また、親子の役目は逆転し、マチルドが母の面倒を見る日もあります。イカれた母は、やることなすこと、二度見、三度見レベル。マチルドは、人並みを必死で演じますが、んな、ちびっこに取り繕えるはずもなく。

後半は、まあ、一応、着地はした、かな。

大きくなったマチルド、大学生くらいかな? は、かなりずれた服装、なんだかダサいんですよ。彼女が、不幸なままとわかります。

いくら心象風景で蘇っても、傷を受けると服や仕草に卑屈さが現れます。自信がないから、自己肯定できないから。成人したマチルドは、お洒落な女子にはなれてなく、まだ、心は、子供のまま〜。

病んだ母は、それなりにお洒落なのに! マチルドは、どうでもいい感じ。スニーカーに靴下、ブルゾン、みたいな。

ちいパンのフクロウパン?

「生きているだけで、愛」、別バージョン、子供つき。治療は大事だね!物語でした。

かわいいトラップ映画

いろいろ突っ込みどころは、満載なんだけど。

まず、マチルドも、病んでるよね?が、ひとつ。2つ目は、少女のバストを撮影する意味があったかどうか。バスト映さなくても成立するのに、なぜ、わざわざ映したのかしら? パパは、どうした? フクロウも、後半空気じゃん?

で。

病みは深い。

病んでるわりには、母娘は、結びついているけど、あまりに危うく見えて。標本のくだりとかねー、謎。いる? あのあたり?

病持ちのネグレクト。放置された娘は、妄想癖。

母だけ隔離した意味は?娘も、かなりヤバいぜ? 父は? ペットの親父声フクロウは、どうした? 非常に雑。

監督の自伝、母役でご出演と知り、だから、この偏りか!と、妙に腑に落ちました。酷評、すまん。子供がつらいの、イヤなの。いくら辛い時間や記憶は、箱にしまって、海の底に沈めた、言ってもさー! ママは大事、ママ大好き、私もママになったよ、娘はやがて、母から旅立つよ!と歌で締められてもさー!

箱にしまい、なかったことにしても、勝手に箱が開き、悪夢のような過去が蘇り、自分は何者でもないと突きつけられ、自分から逃げられないのが、私たちの性で。無自覚に、自分がされてイヤだったことをトレースしていき、まだ、囚われていると思い知り、絶望するのに!

唯一、救いは、この病んだ母は、破綻している自覚があること。愛はあるが、手段がないこと。

小さな娘は、母を守り、あやし、慰め、捨てられ、母を追いかけていく。水底に沈んだオフェーリアは、息を吹き返す。が、そこにも、強烈な自己憐憫を感じてしまいます。小さな娘、振り向いてもらない少女は、フクロウの声を聞きます。フクロウの導きは、成人すると消えてしまいます。フクロウのことすら、思い出さない。病んだ母には聞こえないフクロウの声、娘も成人し、フクロウを忘れてしまう。仕掛けは、悪くないんだけど、なんか投げっぱなしでね。理性、現実に踏みとどまる父親が空気で希薄、最初からいなかったように、物語からフレームアウトするのも、大変気持ち悪いんですよ。キレイにまとまっているように見え、病人の戯言のように身勝手で、自己中心で嘘くさい、そんな印象です。フクロウはカワイイよ? かわいけど、病みに裏打ちされるから、心が痛むの。つらっ。歯の金属ブリッジは、かみ砕かないけど、ね(治療中で、いま、ないせいか?)

【映画100本チャレンジ】1.メアリーの総て2.私は、マリア・カラス3.ボヘミアン・ラプソディー4.アリー/スター誕生5.マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!6.マチルダ 禁断の恋7.シュガーラッシュオンライン8.くるみ割り人形と秘密の王国9.緊急検証! THE Movie ネッシーVSノストラダムスVSユリゲラー10.来る11.アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング12.迫り来る嵐13.日日是好日14.葡萄畑へ帰ろう15.ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー16.ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス17.生きているだけで、愛18.刀剣乱舞19.ヴィクトリア女王 最期の秘密20.天才作家の妻 40年目の真実21.サスペリア リバイバル上映22.バジュランギおじさんと、小さな迷子23.サスペリア24.十二人の死にたい子どもたち25.バルバラ セーヌの黒いバラ26.ルイ14世の死27.マチルド、翼を広げ

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2019年1月31日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃