どうもうちの母の脳内も、少々怪しいです。
同じことを繰り返し、繰り返し話します。
時系列が飛んで、死んだはずの父があたかも生きているように語ります。
父は横暴な人で、まあ、でもなあ、親子じゃなきゃ、
面白い人カテゴリーに入るかもしれませんね。
小さい子供には、命を取られるような恐怖があって。
母は、亡父が弟1にした仕打ちを思い出して、昨日眠れなかったんですって。
「かわいそうで」
そうだね、でも、まあ、いまどきは、毒親なんて珍しくもないから。
「ひどいお父さん」
でも、あなたも、横暴な父をなだめるどころか、口答えして反抗して、
火に油を注いだよね? あげく、私に「お父さんそっくり」とよく言い放っていた。
私は、父親は大嫌いだった。尊属殺人も調べた。
おそらく、弟2も、愛情より嫌悪が強いんじゃないかな?
まあ、弟2は、要領いいからわからんが。
面白いのは、いじめられていた弟1だけが、父の葬儀で泣いたこと。
だから、親子の情、絆は、読み切れない。
母には、「旅行先で置き去りにしたのが苦しいなら、今話せばいい」って言ったら、「言えない」って言う。
あなたが死んだ後の弟2のために、今のうちに話しておくべきだ。
「ごめん、ダメな母親だった」と懺悔してラクになればいい。
今すぐ届かなくても、弟が死ぬまでの間の支えになるだろう。
この辺り、すごいなと思うけれど、家族に対して、私は気楽に「死」という言葉を使う。こんなに無防備に扱う言葉じゃないのに。
よく生き延びた。子供な父の作り出す地獄の中を。母が増長させる修羅場を。
ちゃんと話せばいいのに。弟の魂を救ってから、旅立ってね。