友人が2人、「観たよ」と言います。
一人は役者さん、もう一人は、演劇とかパフォーマン全般のファン。
で、二方向から来たら、GOサインと思っているので、仕事は詰まっていたのですが、映画が終わってからも働くことにして、予約を取りました。
原作は、チェーホフの「ワーニャ伯父さん」をアンドリュー・スコットさんが一人で演じます。
非常によくできているし、2時間という長尺をまったく飽きさせない技量も素晴らしいのですが、「なぜ、一人で?」が残りました。
一晩寝て、「なるほど、今更チェーホフって言われても、誰も行かないよね」って気づきましたよ。古典に光を当てる仕事、なるほど!
ただねー、ラストで、姪っ子ちゃんがワーニャ伯父さんに寄り添って言う名台詞があるんですが、これは、やっぱり、独白じゃないと思うのです。
これは、人に語っているように見せて、自分に言い聞かせている……という図で、伝わる言葉です。
ココがねえ、ちょっと惜しいよねえ。
また、見ながらずっと、脚本家の頭の中って、コレだよねえって思っていました。脳内で人が動いている、たった一人でたくさんの人を動かす。
友人には「表現できるかは別の話」って言われたのですが、それこそ、全然違う話で、脚本家が演じられるかじゃなくてですね。
「脚本の作り方、構築の仕方」みたいなものを思い起こせたってことなんですが。うまく伝わらなかったわ。
脳内で、人物が勝手に動き出してくれたら、ちゃんと物語が動く。
昔の声優さんは、本当に正確に言葉を立てられる人たちでした。
今は、ちょっと目指す方向が変わっちゃったからなあ。
ということを、うすぼんやり思いながら見ていました。
個人的には、小さい椅子あたりが、大変かわいくて好きでした。くすぐりがうまいですよね。
あと、映画が終わってから、大人二人のシルエットに、若者シルエットが挨拶に行き、「タッキーさんとも話して」と言っていたのが、何事?でちょっと面白かったです。二度見しちゃったけれど、誰だかわからず。でも、君、声がデカすぎるよ。
また、別の知らない人が「ワーニャというのは愛称で、普通は大人になったら使わない言い方。子供を呼ぶみたいな感じ」とお連れ様に説明していて、ためになるなあと思いながら帰ってきました。結構、人の話聞いているな、私。
2024年の映画
1.オッペンハイマー2.PERFECT DAYS3.プリシラ4.ソウルフルワールド5.マリウポリの20日間6.関心領域7.NTLワーニャ