2024映画16「あんのこと」

話題作、ではないでしょうか?
メジャーな感じではないけれど。

ノイズが多めで、ストレスフル。
わかりやすい毒親、売春でしか暮らしていけない少女の物語。

1.説明過多
「え? どっち?」で突き放す勇気は大事。
こんなにわかりやすい手ほどきはいらない。

まあ、これは、私がそういう方が好きっていうだけかも。
今どきは、ここまで「ヒロインはこうなりました」「関係者はこうです」って落とさないとわからない人が多いのかも。でも、いらんだろう。

ひとつ、不思議だったのは、児童相談所を活用する知恵があるってことは、我が子にもやっていたはずで。そのどこかの段階で、別の道ができたはずだけど、そこには触れてないこと。そこ、闇があるよねえ???

2.リアルは、きっともっと無残
映画だから、ヒロインが映える。
でも、実話では、河合優実さんのルックスはないぜ?

虐げられても仕方ない、いたぶってもいい、そう思わせるような少女だったはず。

教育を受けられない。知的障害があるようにも見える。
殴られ、蹴られることが当たり前の暮らしだから、人の目を見れない。
おどおどして、自信なんてなくて、セルフメンテナンスの概念も、ゴミは捨てるものという生活ルールすら入ってなくて、たぶん、あなたも「あの子と一緒にいるのはいや」「消えて欲しい」と思ったはず。

だから、手が差し伸べられない。だから、ずっと生き地獄のまま。

そこを、河合優実さんという選ばれし、ルックスを持つ子にやらせてしまうと、ちょっと軸が狂う。同時に、リアルに近づけたら、映画は成立しない。

群れの中にいられない個体は、なぜか生まれる。
だから、ある意味、ハッピーエンドなのでしょう。でも、そういう描き方はしていない。

”あん”みたいな子は、いっぱいいて、救いの手が差し出されても、握り返すことも出来ない。ラストをどう落とすのかと思ったけど、まったく毒がないね。

せめてネグレクトの連鎖を暗示し、不穏に終わらせろよ。なに、安心をお届けしているのだろう??? さっぱり、わからん。

1.オッペンハイマー2.PERFECT DAYS3.プリシラ4.ソウルフルワールド5.マリウポリの20日間6.関心領域7.NTLワーニャ8.バティモン5 望まれざる者9.ドライブアウェイ・ドールズ10.マッドマックス:フュリオサ11.プリンス ビューティフル・ストレンジ12.恋するプリテンダー13.違国日記14.ブルー 君は大丈夫15.帰ってきた あぶない刑事16.あんのこと

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2024年7月4日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃