2025映画20「サブスタンス」

賛否両論。問題作、話題作。

私は、「しまった、なんで金曜レイトで、コレにしちゃったんだろう?」でした。
でも、公開初日に見ないと「早く見なきゃ」になるタイプの作品なので、仕方なかったなーですが。最近でいえば、「教皇選挙」のように、見るのがマストになる作品のひとつですよね。コレ。でも、金曜レイトは、本当に逃げ場がなくて、「どう口直しをしろっていうんだよ?」でうーってなりました。

見る前からわかっていたけれど、視覚的に「痛い」。
また、非常に露悪的な撮り方をしています。

その意地の悪さが、デミ・ムーアに向けられ、加齢を理由に仕事を干されます。

この作品のもっとも破綻している部分は、

マーガレット・クアリーは、果たして、デミ・ムーアの上位変換になりうるのか?です。

そもそも、分身に見えないから、単なる別人ですよね。
単なる別人が、自分を養分にしていると感じたら、そりゃ、ああなるんだけど。

でも、それだと、ねじれる気がして。

内面に抱えているものがまるで違う気がするんですよね。お二人の。

物語の序盤の展開は、面白かったし、潔く脱ぐ二人の心意気に驚いて。
特に、露悪に見せることを承知したデミ・ムーアはすごいと思います。

やがて、肉体が単なるモノになっていき、
モノの中に感情が収まらずに、ホラー展開、スプラッター展開になっていくのですが。

が、コレで、何を伝えようとおっしゃるので?

分身であるスーがチャンスをつかむプロセスこそ、ジェラシック・エクササイズで、バブル期に逆戻りしたような気がしたし、母体と分身の間になんのリンクもないことが物語のキモになっているんだけど、じゃあ、なんのために分身を養うの?ですよね。

我が子を産むみたいな話だとしたら、娘に干渉し、嫉妬する毒親みたいな物語になるだろうし。

長々と書いてしまったけれど、「分身」を自分と思えないのに、どうやって、物語に共鳴するのかがわからない……が、私の最大のこの作品に対する「ノー」です。

ルッキズムへのアンチテーゼ、自分との和解あたりが作品製作の始まりにあるのだろうけれど、それを伝える手段がこの展開なんだろうか???なんですよねえ。

ラストも、そっちじゃなくて、「宇宙人?」みたいな方向じゃないのかなーって思ったりもして。誰かが内面に抱えている悪夢、バッドヴィジョンに延々と突き合わされて、萎えたなあ、です。最後「コレ、いつまで続くの?」で時計見たら、まだ15分もあって、ぞっとしました。モカラテあたりまでだな、私の範囲。
あ、でも、最初のチキンは笑いました。「あ、そっち、行くんだ?」でしたが。

映画『サブスタンス』公式サイト

2025年映画
1.劇映画 孤独のグルメ 2.アーサーズ・ウイスキー3.ショウタイムセブン4.デヴィッド・テナント&クシュ・ジャンボ『マクベス』5.ANORA アノーラ6.F1ow 7.名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN8.アンジーのBARで逢いましょう9.教皇選挙10.BETTER MAN/ベター・マン11.白雪姫12.アマチュア13. ウィキッド ふたりの魔女14.シンシン SING SING15.マインクラフト/ザ・ムービー16.未完成の映画17.パリピ孔明 THE MOVIE18.アンジェントルメン 19.リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界20.サブスタンス

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2025年5月17日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃