池袋、シアターグリーンで、出演者がどんどん入れ替わりの作品があるそうです。友人が出演するので、見に行ってきたのですが。
思うに、小劇場というのが、もう年齢的に合わないのです。
パイプ椅子がしんどい。隣に人がいるのがつらい。
物語は、義賊と花魁の逃避行。
しかし、「いやいや、ないから」と突っ込みたくなる設定で。
演劇的な処理としても、ロマンチックが過ぎるしねえ。
そこ、会えない、届かないのが、江戸って話じゃないのかなあ?
まあ、いいんだが。この辺は、好みの問題だね。
で、小劇場あるあるですが、助演のみなさまに見せ場を作ろうとして、
めっちゃ中だるむわけ。
もっとも、ラストも、「いやいや、ないから」でね。
途中、「パパ」というよくわからないワードも飛び出し、
それは、息抜きなのかもだけど、さっぱり、意味がわからない。
なにがしたいんだ、この脚本?
あと、きっと演出の人の中に「怒り」があるのだと思うのだけど、
セリフを被せ気味に進める、暴力シーンのパターンが一緒で、
なかなかつらくなってくるわけですよ。あと、処刑についての説明セリフのくどさ、なんなん? 好きなんだろうなあ、制作陣が。
じゃあ、お前さんなら、どんな話にするんだい?ってことになってくるわけだけど、もう花魁の一人芝居でよくねえか? これ、ですよ。
でも、それだと、チケットが売れん。若手使いまくって、それぞれが客を引っ張ってきて、さらに、お互いに客になって……。
いいところは、そういう流通を考えた仕組みがあること。
結構な人数をあの空間の中でサバいていること。に尽きるでしょう。
そこは素晴らしい。商才と人を動かす力は高い。
だがよ、お前さん、遊女ってのは、「行きたい」でそうほいほい、外には出られねえし、遊郭の主はあんな三下風じゃねえだろうし……。
まあ、ディズニー実写版の白雪姫的なパラレルワールドとして考えりゃいいのかね? もう配信開始で驚いたよ。
話を戻すと、途中、すっかり飽きて、目を閉じて聞いていたんだが、セリフがさっぱり噛み合ってないって気づいちゃって、いけねえよ。
主演ふたりが、お互いに言いたいことを言って、相手は相槌を打っているだけ。「そうかい」「かもしれねえな」みたいなやつ。
会話に情がないから、延々と聞かされるこっちは、本当に身の置き場がなくなってくるわけだよ。きっかけセリフとして聞いてんじゃねえよ。まったく。
脇役さんたちは、そう悪くはなかったけど、うん、それぞれの見せ場、ちょいと端折って、終演早めてくれねえかな?って思っちまってよ。いや、椅子がもうちょいよければ、やぶさかじゃねえが、背中も腰もバリバリだよ。悪いな、小劇場に行くには、年を取り過ぎちゃったみてえだな。