古代譜と名付けられた時計は、悠久の時を刻む。描かれた女性は、貝の一部のようにも、人魚のようにも見える。曲線、ただ、ただ、曲線。
豊かな髪は、時計の側面にもこぼれ、ゆるやかに広がっている。貝なのか、尾なのか、こちらもまた、豊かに膨らんでいる。
彼女は、まぶたを閉じ、微睡んでいる。もし、瞳を開けたら?
彼女は、くちびるを閉じ、沈黙を守る。もし、話しかけたら?
彼女に見つめられたら?
彼女と会話が出来たら?
うねりは、右巻き。くるんと右巻き。曲線は、永遠。くるんと永遠。
見えない瞳は、何色?
聞こえない声は、どんな声?
そんなことを考えながら、拝見しました。美しい『古代譜』の彼女には、青山のPinpointGalleryで、会えます。クリスマスまで。