訃報と再入院
昨日、訃報が届きました。
最近あることでお世話になり、お礼にランチをお誘いしていた方のお父様が亡くなったそうです。
雨の中、メールでお知らせが届きました。
ショックでした。
もともと、友人の友人で、直接の連絡先は存じ上げていません。今回は、本当にたまたま、ランチの約束をしていたから、私にもお知らせをいただいたのです。
お通夜やお葬式にうかがう距離ではなく、お悔やみも、どうお伝えすればよいのやら。
ただ、なんだか、一部私のせいのような、奇妙な罪悪感があるのです。お父様には、お目にかかったこともないのにおかしいですよね。
知らせてくださった方によると、前からご病気で覚悟はあったはずとのこと。
ならば、なおのこと、大変なときに、ご面倒をおかけしてしまいました。申し訳なさすぎです。
ランチの席で、あれもお話ししよう、これもお話ししよう、そして、あれとこれを差し上げて……なんて考えていたため、がっくりきました。
客観的にみれば、別に私が自分を責める必要はないのですが。
ただただ、ショックで。
お父様を亡くされて、どうなさっているか、心配で。
こういう巡り合わせってあるんですよね。たまたま、お身内の不幸を知る、怪我や病気を察する、失恋に居合わせるなど。
本来なら、知らなくて済むはずのこと、あるいは、すべてが片付いて、昔話として聞くか聞かないかの関係なのに、リアルタイムで伝わってくることがあります。
これも、ご縁のうちなのでしょうが、なにか順番を間違っ手しまったような奇妙な感覚が残ります。
そうこうするうちに夜になり、母からメールが来まして、こちらは父の再入院の知らせでした。
まったく、どこもかしこも!
シンプルに考えれば、もうそういう年ということですよね。同世代は、どちらさまも、似たりよったり。
母の気持ちが軽くなるように、いくつか冗談を交え、笑わせて。
父が抱える病は、まず、治りません。しかし、年齢が年齢ですから、寿命とどちらが早いかしら?という感じです。若くして、発病していたら、進行が早く大変だったと思いますが、幸か不幸か、年齢が年齢なので、重病ではありますが、展開がのんびりです。
困ったことに、父は病を得てから、性格のよろしくない部分が全開になりまして。
家族としては、病をきっかけに、人間的に円熟した父を励ましながら、支えたいのですが、どうもそんな美談にはなりません。
はっ!
父のホロスコープ、作ったことありませんでした!
きっと、ハードアスペクトだらけに違いありません。本当に、困った人なんですよ〜。
さておき、こういう病や訃報、どう感じますか?
私は、そういう約束で、この世界にきたんだなあと受け止めます。
そこから、なにかを感じて、変わるために、いろいろなことが起こるんじゃないかなあと考えています。
喪失は、ときとして、大変なダメージを人に与えますが、そこで、終わりではないんですよね。
ただ、一緒にご自身を葬ってしまう方もいらっしゃいます。悲しみに沈み、浮き上がれない方もいらっしゃいます。
切なく、つらいお話です。ただ、おそらく、その方には、それが最良の形だから、あえて選ばれているのでしょう。
亡くなったおばさまが、そうでした。旦那様に先立たれたあとは、抜け殻でした。一緒にいても、もう魂の大事な部分が消えていて。
私じゃ役に立たない、私では、おばさまを繋ぎとめられない、そう理解するまでが、苦しかったです。
病や死をどう受け止めるか、ですよね。
受け止めきれない、立ち直れない、ただ、意識が変われば、世界も変わります。
26のときに、友人がなくなりました。その死には、わりと深く関わっていて、私が私である要素を作った事件のひとつといえます。
私には、友人の死は止められなかったかもしれない。でも、命日は変わったかも。
そんな風に考えて、かなり引きずりました。
ただ、13回忌を迎えるころ、ふと楽になりまして。あのとき、仏教の教えはダテではないと感心しましたね。なるほどなあ、と。
生と死をへだてるものは、なんでしょうね。
そして、それ以前に、なぜ、死は約束されているんでしょう?
いや、そもそも、私たちは、なぜ、自分が死ぬと知っているんでしょうかね?
周りがそう言うから?
みんな、いつかは死ぬらしいから?
連想を広げ、やっと心がいつもの場所に戻ってきました。
いま、やれることをやりましょう。
いま、一緒にいられる人を大事にしましょう。
そして、なによりご自身を!
あなたにとって、大事な人を思い浮かべてください。その人のために、なにが出来ますか?
そして、同じだけの愛情、優しさ、熱意、マメさをご自身にむけていますか?
なかなかね、自分のことは、粗末にしちゃうんですよね。
でも、まず、ご自身をいたわり、声を聞き、優しくしてあげてくださいね。
それだけで、いろんな歯車がいい方向に回り出すと思うのです。
ご冥福をお祈りします。
そして、病も、お手柔らかに。
ぜんぶ、ひっくるめて、人生で。
主役は、私たち自身なんですよね!