ボストン美術館「ミレー展」

きょうは、本当に疲れてしまったみたいで、仮眠を取ってやっと復活いたしました。

「ミレー展」は、森林浴という感じで始まります。
その後、労働者にフォーカスされて、ミレーに影響された画家たちへと広がり、
晩年の作品で終わります。

労働者を描くということが、その時代にとって新しかったこと。
色使い、生活感、リアリズム、そして、労働の後の憩いの時間。
ゆったりとした時間の中でも、縫物をしていたりします。

大地に足をつけて暮らしていた人々の中で、描きにきた画家はどれほど
異質の存在だったのでしょう?
糸巻、バター作りなどが印象に残っています。

バルビゾン派から印象派へ、色調の変化、疲労感が消えることなどは、
音声ガイドの説明で納得しました。なるほどねー、そうですねー。
途中、「なんだろう、このつまらない絵」って思った一枚があったのですが、それはモネでしたよ。
あははは、失礼極まりない!

ワナにかかったキツネとか、森の中のイノシシとか、どうやって描いたのでしょう?
キツネが苦しむ横で、描いたのでしょうか?
では、イノシシは???

ルソーがフォンティーヌブローの森を守ろうとナポレオンに嘆願し、運動の先端にいたことは、
初めて知りました。音声ガイド、すごーい!

来年の1月12日までデス。

うきうきドーサにがっかり特典

きょうは朝から打ち合わせ。

お昼になりましたので、かねてから行きたかった南インドカレーを食べに京橋へ出ました。

ドーサ

ダバインディアのドーサランチ。

ドーサがどれほど長いか、ご覧ください。

ダバインディア

 

おいしく、幸せな気持ちになり、3時からの三菱一号館の会員特典の内覧会に行くか迷いながら、とりあえず、八重洲ブックセンターに寄りました。

八重洲ブックセンターは、なんだか故郷に帰った気分になります。しかし、さすがに時代の流れか、とうとうコミックを扱うようになったのですね。

8階から地下まで歩き、4冊買いました。

ほどよい時間になったので、カフェ1894へ。ミレーを見て帰ることにいたしました。

カフェカフェ

お茶を飲み、ゆっくりしてから、美術館に行ったら、悪い予感が当たりました。いきなり行列です。

あーあ、やっぱり!

15時スタートで、先着順で16時からのギャラリートーク受付があったんです。だから、混む気はしたんですよね。案の定でした。

会員総数を考えたら、ギャラリートークの回数増やすとか、受付方法を変えるとか、ギャラリートークじゃなく、セミナーにするとか、なにかやり方がありそうな気がしますよ。午後3時スタートで、みなさん、どうせなら4時からのギャラリートークを聞きたいと考えているんじゃないでしょうか?  いくら6時からの回はまだありますって言われても、今、3時だからね?

早く来た会員の同伴者さんが聞けて、会員が聞けないとかさー、なんかおかしくない? いや、いいけどさ。そりゃ、みなさん聞きたいですよね。会員限定の特別鑑賞、ギャラリートーク、聞きたいですよね。私なんざ、のんきに茶を飲んでいましたから、諦めもつきますが、定員20名の後ろの21人目だった方がお気の毒で仕方ありません。

で、なにしろ、いきなり行列ですからね、最初の部屋は大混雑ですよ。えー、バカなの? これ?

もう仕方ないので、さくさく先へ進み、あとから前半を見ました。

最初の行列とバカげた混雑、ギャラリートークに振られたこと、本日は無料イヤホンガイドを適当に渡されて扱いに困ったことの三連打で、絵を見ていてもイライラして仕方がありません。

こんなんなら、わざわざ会員限定の日じゃなくてもよかったわけで。イヤホンガイドがタダくらいしか、お得感がありません。わずか500円だし、いつもと違って適当に「はい」みたいな渡され方だったし。もうオープンラッシュで仕方ないわけですが。

こんな日に、のこのこ行った私が悪いのかなあ? いや、行きますよね?それが特典なら。

とにかく、非常にがっかりして、どっと疲れが出ました。しかし、一万円払う人、意外にいるんですね。やはり美術鑑賞ブームなんですね。

ミレー展については、また今度。行列に疲れました。たぶん、夜なら空いてましたね。そんな感じがします。ハイ。昼の美術館、わりと失敗が多いです。頑張って時間合わせたのに、きょうは残念でした。

芸術の秋

本日は、盛りだくさんでございます。

まず、朝から伺いましたのが、出光美術館。
マリィ・プリマヴェラ先生からいただいたチケットを片手に、最終日に駆け込みました。
「宗像大社国宝」展。

最終日ですから、混んでいるわけですよ。で、宗像大社はうかがったことがないのですね。
なので、さほど強く響くこともなく……。歴史的に窓口だったのだなあというぼんやりとした印象で終わりました。
きっと参拝したことがあると、もっと興味深く鑑賞できたと予測します。鏡と指輪の文様は美しかったです。
あと、三十六歌仙図の斎宮女御の構図がかわいくて、かわいくて。というか、「大丈夫か? これ?」のポーズも
いっぱいありましたね。自由でよいです。戦利品はこちら。

宗像大社

時満ちて
道ひらく

素敵です。グッときます。

三菱一号館と迷ったのですが、期間限定のチケットを持っていることを思い出して、
新国立劇場へと向かいました。

チューリッヒ美術館展です。

これは、オススメです。なんだろう、オルセー美術館展より楽しかったかも!
オルセーもよかったですけれどね。というか、まだやっていてびっくりしました。オルセー美術館展は、20日までです。

チューリッヒ美術館展の何がよかったのかといえば、非常にコンパクトに美術史の流れがわかることでしょうか。
あと、日本初公開モノが多いのですね。だから、なんだか非常に新鮮なのです。
「おー、こう来たか」「で、そう来るか」みたいな。

ド頭はセガンティーニが2つ並ぶんですが、これがおもしろくて!
それぞれ、淫蕩さ、虚栄心がテーマなんですが、これだけ美しく描かれたら、
仕方ないよねって思っちゃいますね。何が仕方ないんだかわからないんですけれど。

淫蕩さも、虚栄心も、美しい。どんな事件があり、どんな女性に出会うと、ああいうインスピレーションにつながるのか、
そこに興味があります。

で、モネの大作です。
あっけにとられました。よく、日本に持ってきましたね。

ホドラーのドラマチックさ、ヴァロットンはいろいろ並べるより、《訪問》一枚で伝わるような気がしますし、
バルラハの《難民》は監視のお姉さんにマークされるくらいジロジロ、ぐるぐる見ちゃいました。
大丈夫、触りませんよ。舐めるように見ているだけです(よしなさいって)。

個人的な収穫は、シャガールかもしれません。
今まで、いまひとつ好きになれなかったのですが、「ああ、奥様は亡命中に亡くなったのか」と
やっと作品の背景に気づきました! これから見方が変わりそうです。
ごめん、ずっと誤解していましたよ、シャガールよ!
まあ、それほど作風が響かないから、当然、画家の半生にも興味が持てず……。
きょう、たまたまついていた説明で、「あれ?」と目からウロコが落ちたのでした。
なんというか、「お幸せでよろしゅうございますね(棒読み)」みたいな距離の取り方でした。

フェルナン・レジェの《機械的要素》も、説明文でぐっと楽しくなりました。
戦争を経験して、作風がガラッと変わる、あるいは、深みを増す画家さんが多い中、
機械美に魅せられるって、なんだかもう興味深いです。
絵だけを見たら、なにがなんだかですけれど、でも、その背景を想像すると
「そうか、そうか、そうなんだね」みたいなよくわからない相槌を打っておりました。
絵の前でうなづく女、客観的に見たら、相当不気味ですが。

ジャコメッティで、幸せなひと時は終わりました。
ちょっと迷ったけれど、もう一度モネの大作を眺めて、締めました。

モネ

数あるグッズの中で買ったのは、一筆箋。

次に用事がなければ、絶対クッキーを買いましたね。
だって、「モネ」とか、「ゴッホ」とかカタカナでクッキーに書いてあるんですよ。
ツボに入ったけれど、荷物になるので、諦めました。

買えばよかったかなー???

バビーズ

アークヒルズに移動しまして、お昼を食べました。
バビーズ ニューヨークのブレックファストなんちゃら。
食べきれませんっ。無理、無理、無理!

パンケーキが分厚いんですよ。
で、ちょっとだけ、メープルシロップのつもりがジャカジャカかけるハメに。
鬼のようにポテトもあるし、ソーセージもあるし、ハムもあるし、ベーコンもあるし。
完全に負けました。

で、やっとサントリーホールのブルーローズへ。
宮田まゆみ先生の「調子・入調」です。

いやー、すごいですよ。
貴重な体験をさせていただきました。
調子のイメージ、変わりました。

私が雨のイメージだった(これは笙仲間さんたちにも「なぜに雨?」と聞かれてしまいました)
平調の調子(ちなみに、ひょうじょうのちょうしと読みます)は、
演奏前に宮田先生が「月の光が」とおっしゃったことから、イメージが一新され、
聞いているうちに、頭の中で月の宮殿が建ちました。
機織りのイメージも喚起されます。

平調の入調は、初めて聞いたのですが、月明かりの下の遊びのようです。
余談ですが、私が生まれて初めて見た商業演劇は浅丘ルリ子さんの『十三夜』、
冒頭、「影、影」と子供が影踏みをして遊ぶのです。
月遊びの連想で、ぼんやりと思い出しました。

春のしらべである双調は、春は春でも、春を告げる鳥のよう。
自然に湧き出る春の息吹ではなく、揺り動かす春の精のように感じました。
双調の入調は、閉じられていた扉が開く感じでしょうか。

黄鐘調の調子は、忘れられていた古代都市の風景が浮かびます。
黄鐘調の入調は、修復の魔法みたい。

あはは、勝手なことを並べております。
私、音楽を聞くのがニガテなんですよ。
いつも勝手に物語に置き換えて聞いています。

ああ、もう一回、最初から聞きたいです。楽しかったです。
あ、そうそう、意外に、一夜漬けが効きましてね、
「あ、今、五句だ」とか、「そうそう、五句からくりかえしで、十五、十六で終わり」とか、
意外に入っていました。ブラボー、一夜漬け!

12月に残り三つの調子が聞けます。とても楽しみにしております。

オーバカナル

最後に、台風が近づく中、オーバカナルでお茶をしました。
おなかいっぱいのくせに、目が欲しくて頼みました。
いちじくのタルトで、幸せな一日の締めくくりです。
え? 芸術の秋じゃない、食欲の秋だって? 放っておいて!

「橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き」へ

昨日は、もりだくさんでした。

1.西洋美術館にて、「指輪展」を見学

2.ネイルサロン

3.神楽サロン「アエノコト 七夕の節句」

指輪展

指輪展は、目の保養になるような美しい指輪がいっぱいで、
後半に至っては、時代を映したドレスとの合わせワザ展示で、
かなり気分がアガります。

が、会場を出まして、しばらくしますと、なんというのですかね。
宝石の美しさではなく、思いの深さが強く残ります。

亡くなった方の毛髪で作った指輪。
いざというときのためのポイズンリング。
メメントモリ。

キレイ部門では、アメシストとエメラルドでしょうか?
パープル×グリーンが本気でキレイで。

ネイルサロンで、「今見てきたグリーンとパープルがキレイだったの!」とダダをこねて、
ネイリストさんをたいそう困らせたわけです。
んな、宝石の輝きをそのまま、指先に持ってこられるわけもなく、
いろいろアレンジしていただきました。

癒しフェア、8月2日13:00~15:00予定で、ミスティタウンのブースで
ちょびっとお邪魔します。
グリーンとパープルオーダーのネイル、ぜひ、見にいらしてください。
なかなか秋を意識した夏仕様で、美しいのです。
初公開のアストロダイスすごろくも、お披露目いたします。

そうそう、カワイイ出来事もありました。

買い物に立ち寄った百貨店の屋上に出たら、子供たちがうわーっと走ってきました。
屋上でぼーっとしたかったのですが、思いのほか暑かったので、私も降りることにしました。
下に降りたら、ちびっこがポツーンとしています。

「いない」

推定2歳半、ちびっこ、お兄ちゃん、お姉ちゃんに巻かれちゃったみたいです。
あらあら、迷子を見つけちゃいました。

通路の先をのぞいても、子供たちの姿はありません。

ちびっこ、ポツーン。迷子、確定。

「いないねー」

昔から知っているみたいに、話を合わせました。
「こっちにはいないね。みんな、どこに行っちゃったんだろうね?」

なれなれしいおばちゃんの登場に、ちびっこ、「よかった」みたいな顔になりました。

「んとね、トイレに行くって言ってた」
「トイレ? じゃあ、こっちだよ」

ちびっこを案内するおばちゃん。
ちびっこ、迷わず、女子トイレに。ん? 男の子なのに?
あー、お姉ちゃんがいるんですね。きっと。

お姉ちゃんのお友だちっぽい子が、ちびっこを見て、「あ」って顔をしました。
でも、ちびっこに、「いた?」って聞いたら、ニターと笑って、「いない」って言うんですよ。
絶対、知り合いだよね?
お姉ちゃんのお友だちっぽいコに「知っている子?」って聞いたら、「うん」って言います。
だから、「よかったね」ってちびっこに言って、あやしいおばちゃんは消えたのでした。

きょうは、イイコトをしちゃいました。迷子保護して、ちゃんと届けました。

アエノコト 七夕

アエノコトは、井戸理恵子さんのイベントで、毎回素晴らしいのです。
なーんて、参加は、2回目なんですが(もう46回もやっているそうです)。
旧暦の七夕は、8月2日土曜日。乙巳の日です。

技の話、術の話、童の話……。

百万塔

そうそう、百万塔も持たせていただきました。

私も自分の才を生かせる人間になれるでしょうか?

魅惑のコスチューム バレエ・リュス展

やっぱり気になったので、再び乃木坂を目指しました。

『魅惑のコスチューム バレエ・リュス』展。

1909年にデビュー、そして、一世を風靡したバレエ・リュス。
バレエ・リュス、私は、ニジンスキーだった気がします。入口は。
もっともバレエ少女ではなく、演劇少女だったので、市村正親さんの芝居から入っています(一日も早い回復を!)。
首藤康之さんがバレエ担当で出演なさっていました(バレエ通の友人に「いいもの見たね」とホメられました)。

一本の芝居がフックになって、バレエ・リュスは気になるキーワードとなりました。
過去にも関連の美術展を見た記憶があります(というか、ポストカードがうちにあります)。

要は、20世紀のロシアのバレエ団の衣装の展示なのですが。

ものすごく、ドラマチック。そして、カラフル、ダイナミック。

私は踊れないのでわからないのですが、結構重そうに見えますね。
イヤホンガイドを聞けば、その辺わかったかなー???

まあ、すてき!なものは、全部チラシに載っていて、今回の美術展の企画者さんとは気が合うなーと
ホクホクしました(よくわからない感想?)。

フリフリの「キアリーナ」の衣装とか、素朴に来てみたいですよ。いや、似合うルックスに生まれたらですよ?
「眠り姫」の衣装もあって、そうだよ、眠り姫だよ!と思いました。
マレフィセントのオーロラ姫は、なぜ眠らないのだ?(まだひっかかっているらしい)。

眠れる森の美女、眠り姫、いばら姫。
子供のころは、なぜいろいろな呼び方があるのかわかりませんでした。
いばら姫が強く残ったのは、バーン=ジョーンズの絵のせいですね。きっと。

つむで刺されることが、すなわち破瓜を表すとか、諸説ありますよね。
だいたい、100年後の王子と巡り合って、目覚めて果たしてうまくいくかどうか。
その前に、そもそも、100年眠れないですね。
そこも、おとぎ話だったりするわけで。

久しぶりにクラッシックバレエを見たくなりました。
しかし、やはりこちらは1人で行ってよかったです。
むりやり友人を誘っていたら、温度差があり過ぎてダメだったと予測します。
バレエや服飾、20世紀初頭のアートが好きな人、ピカソやマティスファンくらい???
お客様の中にも、何人もピッとキレイに髪をまとめている方々がいらして、眼福な企画展でした。

余談ですが、バレエとフラメンコの客層って、違うんですよ。
フラメンコの客層って、とにかく強いんですよ! バレエは、客席もしなやかですねー。
で、ピッとしているのです。
私ひとりが調和を乱している気がしますが。まあ、いいや。それは、考えないでおきましょう。

デュフィ展へ。

デュフィ展へ行きました。

カラフルで、ごちゃごちゃ。
好きな画風ではないのです。

でも、ずいぶん昔に「デュフィが好き」と言う人がいて、記憶に引っかかっていました。で、駆け足で見物。鑑賞する時間はなかったんです。

今回わかったのは、「そこに何があるかを伝えるのが上手い人なんだ」ということでしょうか?
気取ったパリジャンのイメージでしたが、木版画は土着テイストだし、人物画はかなりエグいですね。色彩で、ごまかされていますが。

一枚たいそう気に入りまして、絶対、クリアファイルになっていると思ったのに、絵葉書にすらなってなくて、がっかりしました。
《パリ》 1937年。
夢のようなパリ!

袋小路の部屋も、好き。なぜかこちらは、ハガキになっていて、ナゾ。絶対、パリのほうが売れそうなのに。

テキスタイルデザインとか、壁画とか、一時代築いた方なのだと認識して帰りました。あ、青い庭は、可愛かったです。わりと好き♪

追記。20140726
気にいった1937「パリ」は、ポーラ美術館所蔵でした。
あれー? ポーラなのに、なぜグッズがないのかなー? ナゾ。
てっきり個人蔵で、グッズ展開しないのかなーって思ったんだけど。
所蔵品のレベルが高すぎて、ここまで手が回らないとか?

思えば、私がポーラ美術館を知ったのは、ザ・ミュージアムの企画展でした。
あれは、何年前なんだろー?

 

オルセー美術館展とヴァロトン展へ

 

国立新美術館で開催中の「オルセー美術館展」へ行ってきました。

朝10時に行ったのですが、すごい人!!!
シャレになりません。

忍耐で見ていたのですが、途中でひらめいて、「これは、最後の部屋だ!」とズンズン進んで、
後半から見ました。超快適!

やはり、モネの大作「草上の昼食」が眼を引きます。
でもなー、「大きい」とか、「分断されちゃって」ってことが強く残って、作品としてはどうだろうか???

むしろ、初めての奥様に迫る死の気配を描いた一枚「死の床のカミーユ」のほうが胸に迫るような?

最後まで見て、最初に戻ったら、まだ大混雑で。
大きい企画展だし、夏休みに入っちゃったし、印象派が絡んでいるし、もうどうしようもありませんね。

笛を吹く少年

 

戦利品は、こちら。
美術展×伊東屋さんのコラボのオリジナルグッズ。
なんとなく、この先必要な気がして買いました。

お昼ご飯

お昼は、美術館内のレストランで。シェ・ピーエルに久しぶりに行きたかったのですが、
友人が初新国立美術館だと言うので、素直に館内で済ませました。

自由が丘で買い物をするつもりが、ボーッとして逆方向の電車に乗ってしまって……。

三菱一号館美術館

ちょうど二重橋前で気づいたので、「じゃあ、ヴァロットン展ものぞくかね?」しました。
時代的には合っていますね。
オルセー美術館展→ヴァロットン展。

前から気になっていた「バルテュス最後の写真―密室の対話」展ものぞきまして。
たいそうアートな一日になりました。

一日いろいろ見て一枚を選ぶとしたら、オルセー美術館展の
ジュール・ルフェーヴル「真理」でしょうか。素直に、キレイだなーと。
これを見てから、ヴァロットン、めっちゃ不健康です(笑)。

フレディリック・バジール「家族の集い」は、夢に見そうです。ハイ。

ヴァロットン展と笙とマクロビご飯

昨日は、笙演奏家の大塚惇平さんの演奏会でした。

場所は、原宿のMOMINOKI HOUSE。
裏原の先??? えー、どこどこ? まだ着かない?で、うかがったのですが、素敵なお店でした。
土曜日の原宿は、ここのところ引きこもりまくりの私にはかなり厳しい人ごみだったのですが、
お店に着いたら、ほっとしました。

大塚さんの演奏は、未来を予感させてステキでした。
今回は節目の演奏会なので、集まる方は親しい方ばかりで……というわけでもなく、
「友達に連れてこられたんです」という方がいらしたりして、ちょっと面白かったです。

演奏の後に出てきたご飯が、本当においしくて。
有機栽培モノもたまにあるそうですが、基本、「自然農法」なんだそうですよ。
自然農法とは、
「農薬や科学肥料はもとより、有機質肥料さえも一切使用せずに、作物を育てる無肥料(無施肥)栽培法」とのこと。

20140621-03 MOMINOKI HOUSE20160621-2

 

で、一同「おお、本物は違うねえ」「わー、カラダがよろこぶぅ」みたいになっているところへ、
オーナーの山田英知郎さんから衝撃的なお話がありました。ちょっと意訳になっちゃうけど、まあ、こんな感じ。

「最近の小学生は、自然農法の野菜よりも農薬を使った野菜の方をオイシイって言うんです」

これは、衝撃ですよ。なんですか。その進化形!
あー、でもなー、ちょっとだけわからないでもないですよ。
トマトとか、昔は今の味じゃないですよね。イチゴだって、もう大変な進化でしょ?
そういう「もっと食べやすく」は、近代的な農法と共に歩んできたわけでしょうから。
えぐみとか、深みは、小さいコたちは受け付けないかもしれません。

こちらのお店は、今年で創業38年目のマクロビオティックの老舗。
いろいろな芸能人の逸話などもあるそうです。
あー、わかる気がするなー。素材の良さもありますが、味付けがおいしいんですよ。
こういう食事ならば、手間やお金のかかるマクロビも続きますよねー。

お土産も買いました。
ひよこ豆、白いちじく……。
丸くてデカいのはなんだと思いますか? ふふふ、レモンです。
レモンは、半分に切って、水につけるとレモン水になるそうですよ。
あと演奏会のお土産のグァバ茶。

ドライフード 20160621-05

演奏会前に「30分くらいはイケるか?」で、三菱一号館美術館にも
寄りました。
ちょっと迷ったのですが、とうとうサポーターズにも入りましたよ。
さようなら、いちまんえーん。
再訪決定なので、カップルでいっぱいの中、どんどん進みました。

ヴァロットン、それほど興味はなかったのですが、面白いかも!
つるんとした印象の風景画が、妙に響きます。
版画はカワイイですよね。ちょっと混んでいたので、次回ゆっくり見ることにして。
後半は、鮮やかな色がつき始めます。作風も少し変化して。
で、「これが戦争だ」に、胸が詰まって。
カワイイのに、エグイ。こういうのは、記憶に残りますね。
最後の一枚も、やけに激しかったのですが、諸事情でよく見れず、
まあ、次回のお楽しみってところになりました。

あー、ゆっくり美術館とか行きたーい!!! まあ、もう少し頑張りましょうデス。

 

 

第一印象で、どこまでわかるか

うちの親は、非常に現実的な人で、本質的な部分で、さっぱり折り合いません。
親は、私のことを「言うことを聞かないコ」って思っているでしょうし、私は私で、
「あー、ホント、話が通じない」って思っているわけです。

よく「親になって初めて、親の気持ちがわかった」で聞きますが、もはや、その体験をすることはないと思うので、
親の気持ちはわからずに終わるでしょう。

さて、母と私で折り合わないことのひとつに「第一印象」があります。
母の主張はこうです。
「人を第一印象で決めてはいけない」

私の感覚は、こうです。
「第一印象で、ほぼわかる」

これは、どうなのでしょうね?
慎重な人は、母の説を取るでしょう。
一理あります。

が、んな、人の見極めに時間かけてどうする?です。
第一印象で、合わない人は、絶対に合わないし!

この感覚は、母に言わせると、「あなたが決めつけているから、そうなる」なんですけれど。
そうかなー? だいたい、最初から違和感があるけどなー。大人だから、言わないし、構えるだけだけど。

この件に関しては、非常に注意深く観察しております。

第一印象で、すべてがわかるなんて言わないですよ?
私の社交の傾向として、「うわー、いいコだなー。一緒にいると楽しいなー」のコほど、
手ひどいしっぺ返しを喰らいます。
おそらく、感覚的に近すぎて、人間関係を正常に動かすための遠慮や配慮が失われるせいなのでしょう。
自分と相手との境界がなくなるというか。
でも、もともと、私たちは、違う器に分けていれられたものなわけですから、「同じ」って考えると、反発が
起こるのでしょう。
いわゆる「親友」を何度もなくしてきた経験で、こういう結論に至りました。
四六時中会う、非常識な時間でも許し合えるところまでいくと、「ちょっと危ないぞ。そろそろ、関係の終わりか?」って思うようになりました(笑)。

母に言わせれば、「だから、第一印象はアテにならない」ってことになるのでしょう。
私に言わせれば、「いや、ちゃんと見抜いているって。つきあううちに、違う面が出てきただけでしょ?」になります。

いや、イチイチ、こんな話、母とはしていないのですけれど。

で、なんで、こんなに長い話をしているかといえば、モンドリアンについて、書いておこうって思ったからです
(え、ココまで、前置き?)。

昨日の『オランダ・ハーグ展』は、インパクトありました。
基本、オランダの絵って、暗いって思っていて。暗いけれど、ちょっと落ち着くし、人間の暮らしの大事なところがあるような気がして、わりと好きなジャンルなんですね。私にとって、一枚一枚の個性は、それほどなくて、ごちゃっとしたイメージで、「オランダ」とか、「フランドル」みたいなくくりで見ています。

で、昨日の企画展は、「オランダの絵の流れに、ゴッホがいるよ。モンドリアンもいるんだよ」ってことでして。
本編の部分は、それほどピンとくるものはなく、「ああ、ここに、人間の暮らしがあるねえ」みたいな感じで眺めていたのですが。
モンドリアンの風景画を見て、心底驚愕しまして。

だって、前衛の人って思っていたのですよ。タテヨコの線で区切られたフィールドに、たまに色がついているイメージ。←オイ!

ずいぶん昔に、「ピカソって、ホントは、うまいんだ!」って思った以上の衝撃でした。←オイオイ。でも、コレは、同じ感覚の人、世界各地にいるはずです。なにがホントなのか、我ながら、意味がわからないですけれど。まあ、わかんないわけよ、抽象画なんて!

「アムステルダムの東、オーストザイゼの風車」は、とにかく、キレー!!! 水ですよ。水。そこに、ちゃんと水があります。
油彩の特性を生かして、キラキラしています。
また、遠目からも「うわー。かっこいい!」ってなるのが、「夕暮れの風車」。これはもう、いまどきの広告に使われても違和感ない構図ですね。
両方とも目玉みたいで、絵葉書にはなかったのですが、ジュニア版ブックレットには掲載されていて、嬉しかったです(図録は、かさばるから)。

そうかー、この色彩感覚とデザイン感覚で、「ピエト・モンドリアン」になっていくのですね!

wikiによると、「有名な『リンゴの樹』」なるものがあるそうですねー。
おお、『リンゴの樹』を見ることなく、モンドリアンをつかんだぞー!!! いや、美術展の企画者さまのおかげなのですが。

で、話は最初に戻ります。
第一印象ってことでいえば、モンドリアンは、みんながイイって言うけれど、自分はピンとこない人なわけでした。
ただ、ひょんなことから、人となりを知ることになり、「あれ、すごくイイ人じゃん!」になったってところでしょうか?
ピカソでいえば、「変わっている人だなあ」が、「ああ、すごく力があるんだー」でしょうか。どんだけ、素朴な感想なんだ?ですが。

母に言わせれば、「だから、第一印象なんてアテにならないのよ」となるでしょうし、私は未だに「いや、第一印象でだいたいわかるよ」になります。
第一印象でひっかかっているからこそ、「アレ?」があるわけで。
モンドリアンの抽象画が心に残っていなければ、「え? コレもモンドリアン?」はないわけですよねー。いろいろ、深いなー。

今って、「モンドリアン後」なわけですよねー。
私が生まれた段階で、すでにモンドリアンは作品を作り終わって、亡くなっていて。
世の中は、その洗練を受けて次に進んでいます。

感覚的に「あー、そういうの、あるよね」は、誰かが生み出したものなんですよねー。
初めて世の中に出たときは、ものすごい衝撃で、物事の系統を変えるほどのインパクトがあったんですよねー。
ある画家さんに「だから、セザンヌもすごいんだよ!」って言われるのですが、未だにセザンヌの良さはわかりません。
「このリンゴはおいしそうだ」、「これはそうでもないな」くらいしか見てないという……。←オイオイオイ!

昨日、いきなりモンドリアンがわかったように、セザンヌも「おお! そうか!」ってわかる瞬間がくるといいなーって思いますが、セザンヌ展とか行っていても、「ふーん」だから、わからないかも? 技巧がねーって言われても、それは、プロの人の領域でしょって思っちゃうんですよね。いいのよ、素人だから。
昨日は、気になる画家さんが増えました。好きな画家になるかは、この先の流れ次第。楽しみです。

 

 

 

 

ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション

先日、美大出の友人にしみじみ言われました。
「なんで、そんなに見に行くの?」
なんででしょう? ホントは、画家になりたかったのでしょうか?
デッサンで脱落しておりますが。
というわけで、余裕が戻った途端、行くのは、美術館なのです。

行く前にあまりにもおなかが空いていて、ドゥ マゴ パリに行ったら、美術展タイアップのお料理がカツレツでした!!! おお、カツレツ! しかし、気分じゃなかったので違うものにしましたが。そうか、カツレツ。どうも、カツレツに目がいきます。そして、その度にマスタードが隠れている、あるいは、ついていない……で、「うーむ」となります。

ドゥ マゴ パリのカツレツは、パンが別(と聞こえた気がしますが、写真にありますね)で、1730円です。で、写真をジロジロ見て見ますと、やっぱり、カラシはないように見えます。ないのでしょう。きっと。
もうこの際、出会ったら、無条件でカツレツを頼む人になっちゃえばいいんじゃないかしら?
いや、それはどうだろう?と思いつつ、やっと本題です。

『ミラノポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション』の公式サイトの説明によると、「ジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリが先祖代々の素晴らしい財産を受け継ぎ」とありますが、会場では、先祖から受け継いだ美術品はもちろんあるけれど、「美しいものを集め、邸宅を美術館にする」という強い意志で蒐集されたような印象を受けたのですが。
最初に集めたのが、甲冑だそうで。展示されているのは、甲冑コレクションのほんの一部。
ヨーロッパでもっとも美しい邸宅美術館といわれるポルディ・ペッツォーリ美術館には、ものすごい数の甲冑が並んでいるとか。

タピストリーから、15、16世紀の絵画、ブロンズ像、ヴェネチアン・グラスが並びます。
余談ですが、ヴェネチアン・グラスを見て、「あ、ヴェネチアングラスだ!」ってすぐに見分けられるのは、UKAI箱根ガラスの森美術館のおかげだと改めて思いました。たくさん見せていただいたから、ちゃんと見分けられるんですよね。ありがたいです。

『ミラノポルディ・ペッツォーリ美術館 華麗なる貴族コレクション』で、もっとも心に残ったのは、金色の地球儀型卓上時計です。12星座があしらわれているところが気に入りました。
というか、あの並びにあるすべての品にため息が出ます。美しい。

絵画で心に残ったのは、こんな感じです。

クラナッハ(父)の「洗礼者ヨハネ」と「無原罪の御宿りの聖母と幼子イエス、二人の天使」。キレイ、キレイ。欲しい、欲しい!
ラファエッロ・サンツィオに帰属するという「フランシェスコ会派聖人たちが描かれた宗教行列用十字架」。いいものに見えてしまいます。暗示にかかりやすいのでしょうか?
「聖カタリナの絵」が何枚か出ていました。アンドレア・ソラーリオ、ピエトロ・ロレンツェッティ、ベルゴニョーネ、いずれも、美しくかったです。カタリナのシンボルの車輪、ちょっとひっかります。車輪からはタロットカードの運命の輪しか連想しませんが。なんでしょうね?
「アルテミジア」も、キレイでした。このお話は、初めて知った気がします。

当展の看板、ポッライウォーロの「貴婦人の肖像」は、存在感バッチリ。
横顔の貴婦人は凛として、何百年もの間、ありとあらゆる人の好機の視線をはねのける美しさを宿しています。
サンドロ・ボッティチェッリ「死せるキリストへの哀悼」も、画家の心境の変化が伝わってきて、貴重な体験となります。だって、「ヴィーナスの誕生」が、「死せるキリストの哀悼」になるんですよ? コレクションに加わったタイミングも、なかなか興味深いです。

不思議だったのは、ドメニコ・ティントレット帰属「ある収集家の肖像(?)」です。
見た瞬間、「知っている!」と思いました。「また、お会いしましたね」と。
でも、本展示は、すべて日本初公開のはずですから、この絵を見ているはずがありません。
似たモデルの絵をどこか見たことがある……ということでしょうか?
背景には見覚えがないので、この絵ではないですね。でも、なぜか「知っている」のです。
それとも、前世かなにかで、この収集家さんと知り合いだったのでしょうか?
うむ。謎です。
ジャン・ジャコモ氏亡き後のコレクションは、微妙にトーンが違っていて、個人的にはそんなに惹かれなかったのですが、邸宅美術館の紹介画像の中で、「なんだ、あれは?」と思ったジュゼッペ・モルテーニ「レベッカ」が日本に来ていたのは、ちょっと嬉しかったです。
「おー、実物だ!!!」

しかし、貴族らしく生きるというのは大変なことです。
うなるほどのお金、地位、名声。
美術館を作ろう、そして、邸宅を解放しようと思いつき、実行するまでに、どれほどの苦労があったのでしょうか? お金の苦労はなかったとしても、いろいろな輩が集まってくるでしょう。
その中で、正しいものを選ぶ選択眼が必要だし、コレクションを構成する基準も持たないといけません。いいアドバイザーがいたとしても、丸投げには出来ないから、教養と審美眼が試されます。
「帰属作品」が多いというのは、選ぶ目が確かだったということですよねー。
おそらく、コレクションに加わった段階では、誰の作品かいまひとつハッキリしなくて、現代の科学で「高い確率で、大家のもの」ということになったわけですよね。
蒐集家にとっては、ちょっとした誉れではないかと思ったりしました。きっと、「いいと思ったから、買っただけ」くらいの感覚だと想像するのですが。

貴族って、大変ですねー。

ただの偶然ですが、邸宅が美術館として公開されたのは、1881年4月25日なのですね。
うかがったのが、2014年4月25日というのは、ちょっと嬉しい気がします。
誕生日占いブログを書いていると、どうも日付に敏感になっていけませんね。

いっぱい書いちゃいました。たぶん、私は、好きなんでしょう。この時代が。
願わくば、いつかミラノの邸宅美術館におじゃまできますように!

ザ・ミュージアムでは、5月25日まで。
その後、あべのハルカスに巡回するようです。5月31日~7月21日。