十五夜

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先日、先生やお友達と見上げたお月様は、本当に美しかったです。
調べてみたら、十三夜でした。

昔、泉鏡花の作品を散りばめたお芝居を観たことがあります。
「影、影」
子供たちが口々にそう言って、影踏み遊びをして始まるのです。
いくら冒頭のシーンだからといって、そんな何気ない部分を
忘れずに覚えているのには理由があります。
中学時代の先輩が、その子供たちのひとりでお出演になって
いたのです。とてもキレイな方でしたが、いまはもう何を
なさっているのかまったく存じ上げません。

でも、泉鏡花も、お月様も、その後の私の人生にかかわってくるので、
いろいろな偶然、サインはあなどれませんね。

満月の夜に、お財布を振るとお金が入るという話がありますよね。
今は各地に支部があり、結構盛んなんですって?

これ、私はちょっと受け入れがたくて。
お月様とそんな風につきあうと、ちょっと違う方向に行ってしまうような
気がするんですよね。

生きていく以上、お金も必要ですし、食べていくために我慢もしないと
いけません。
だから、お金持ちになりたい……。
でも、それは、手段と目的を取り違えているような気がして。

本当は、お金持ちになりたいのではなく、幸せになりたい、楽しく
生きたいのではないでしょうか?
お金があれば、悩みは全部解決するとしたら、それは、とっても
悲しいことですよね。お金がその人の価値になってしまうのですから。

私は、お月様はもっと遠くにいらして欲しいのです。
その力を借りれば、お金持ちになることは可能かもしれませんが、
そんな現世利益よりも、もっと深く、清らかな部分でつながっていたいです。

だって、満月を見て、「あ、お財布振らなくちゃ」って思うのって……、
いかがですか?
それ、美しい生き方でしょうか?

もっと遠くにいらしてほしいのです。

ある地方の漁師さんたちは、満月の夜は、船を出しません。
現実的な理由としては、船の影が海に落ちるから。
潮の流れがきついから。
でも、その奥に、もっと信仰に近い理由があるかもしれません。

満月の光は、狂気を呼び覚まし、遠い昔、遠い国では、若い女性は
月の光を見るのも、浴びるのも禁じられたといいます。
現代の日本にいる私たちは、そういう古い力、繊細な光に対して、
少し鈍感になっているのかもしれません。

『月光浴』という写真集の大ヒットあたりから、月は見直された気がします。
『月の魔力』や『月の癒し』も、ターニングポイントでしたね。
最近流行の新月の願いなどは、『魂の願い新月のソウルメイキング』が
始まりのように感じます。
我が家には、結構月の本があるのです。やはり、章月だからでしょうか?

今宵は、満月です。よい夜をお過ごしください。
写真は、先生のお宅にあった京都からのお取り寄せのパンです。
実り豊か、ずっしりした力に満ちているような気がしませんか?

 

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