「トスカーナと近代絵画」展へ

フィレンツェ ピッティ宮近代美術館コレクション「トスカーナと近代絵画 もうひとつのルネサンス」展を見に損保ジャパン東郷青児美術館へ行ってきました。

見る前からそんな気がしていましたが、予感的中です。
コレは、すごく好きな世界です。

まず、パキパキと構図が美しいのがイイです。
で、風景がいちいち懐かしい。そして、人物が、特に女性が存在感たっぷり!

最初の部屋は、クラシカル。悪くないです。
ナポレオンの姪が嫁いだといわれる邸宅の内装の絵は、ワクワクします。
天井に描かれているのは、ギリシャ神話がモチーフでしょうか? わりと見ていると思うのですが、「あれはアレね」が出来なくて、さびしかったです。もっと、勉強しなきゃなあ。
やはり、美術鑑賞は、教養があるとさらに奥行が出て楽しいですね。
しかし、ナポレオンの姪っこさん、どんな数奇な運命をたどったのでしょう?
気になります。

広いスペースへ進み、ジュゼッペ・アッパーティの風景が響きました。
片目を戦争で失って、左目だけで描いた作品だそうです。
左目だけで見て見ました(え、しない???)。とても切なくなりました。

ジュゼッペ・デ・ニッティスの「オファント川岸で」は、展示でぐっと引き立ちました。
いえ、単純に、ガラスなしなので、「これ以上近づかないでね」で、足元にロープが張ってあっただけなんですけれど、これが、絵の中の川の流れにリンクしてカーブしているのです。

幸運な偶然、あるいは、狙いました?
順路からいうと、手前が絵に近く、斜めに禁止区域が広がり、ある程度離れて見てねって感じなんですけれど、これが、絵の中の奥行と感覚が一緒で、非常にイイ感じです。
こんなことに喜ぶ客がいるとは、学芸員さんもびっくりかもですね。

シルヴェストロ・レーガの「婦人の肖像」。
写実が続く中、いきなり、顔なしです!!! ドキッとしましたさ。
これもまた、ドラマチックな一枚ですねえ。

アントニオ・チゼーリ「キリストの埋葬」。
履きものの有無で、社会的な地位などを表します。
マグダラのマリアなのでしょうか? 手前の女性の服装が、明らかに他の人と違います。
非常に陰惨な絵ですが、彼女の肌は、陶器のように美しいのです。
素朴な疑問なのですが、磔からおろされたとき、硬直はしてなかったのでしょうか?
キリストの腕の位置が妙に気になりまして。そこは、絵画の虚構でいいのかな。
で、今、初めて検索かけて、なぜ磔が死刑なのかを理解しました。
手足首を打ちつけられることで、体を支えられなくなって呼吸困難で死に至るのですね。
夜中に何、調べているんでしょうね?

ジョバンニ・コスティティ「物思いに耽る女性」。
風の星座生まれに違いないと思いました。
非常に、涼やかな感じが、風っぽいです。で、二巡して、天秤座じゃないかと思いました。
双子座にはない成熟があり、水瓶座ほど進歩的ではないからです。
三回見て、いや、蠍座の可能性もあると感じました。なに、モデルの生まれ星座当てをやっているのでしょう?
この絵の印象だと、天秤座の第三ディーク生まれかと。マニアすぎて、なんだかわからない視点ですね。わはは。

プリーモ・コンティ「自画像、ムンダと共に」。
ムンダは、画家の奥様です。
これはもう、タチが悪いって思いましたよ。
いえ、透明感があり、非常に魅力的な女性なのです。でも、実在したら、絶対ヤバいから!
こういうタイプが周りを不幸にしちゃうんですよぉぉぉ。
人妻なのに少女っぽくて、どこか遠くを見ていて。
身体全体で、「ここから連れ出して」って言っているみたい。そのくせ、うっかり恋しちゃった男が「一緒に行こう」と手を取っても、ガンとして、夫の元から去ろうとはしないんじゃないでしょうか?
誘惑するだけしておいて、そんなつもりはなかったと言い張るタイプというか。
え? ピュアな女性にしか見えない? うん、そうかも。

私にとって、「いい絵」は、こんな風にイメージが広がる絵なのです。
だから、この展覧会は非常にアタリでした!
めっちゃ空いていたのも贅沢の極み。素晴らしいひとときを過ごせました!

 

 

 

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