カイユボット展へ

ブリヂストン美術館で開催されている「カイユボット展」へ行ってきました。
会期後半、29日まです。ギリギリの滑り込みといったところでしょうか?

ブリヂストン美術館

この企画展で初めて意識したと思います。ギュスターブ・カイユボット。
説明をきちんと読んだわけではないのですが、弟さんが撮った写真と組み合わせて展示されていて、カイユボットが生きた時代の断片が伝わってきます。

厳格で、静かで、豊かなご実家。
変わりゆく街、美しい自然。

嬉しくなって、3周もして。ちびくろさんぼのトラみたいですね。ぐるぐる。
2周半で、ふと、おなかいっぱいになりました。
ああ、もういいやと。

カイユボットの作品群の中で見ると、ブリヂストン美術館の所蔵品が映えます。また、うまく絞って見せていますよね。そして、ピアノ!!!
まさか、絵の中にあるものとほぼ同モデルが日本にあって、それを貸し出してくださる奇特な方がいらっしゃるとは!!! びっくり、びっくり、ひたすらびっくりです。

珍しく、「好き!」と絵葉書が一致しました。
『見下ろした大通り』
2、3階くらいから見下ろした風景です。丸くレンガで囲まれ、植えられた一本の街路樹、隣にベンチ、行きかう人々の絵です。木から伸びた枝が画面の2/3を覆っています。
眺めていると、丸の内の三菱一号館付近を連想させるあたり、東京の街づくり、成功していますねー。

『セーヌのプティ・ブラ、アルジャントゥイユ、陽光』
長いタイトルだなあ。
こちらは、ありがちな田園風景です。住んだら、退屈しそうなくらいの田舎。
でも、とにかく、懐かしくて。子供時代、こんな環境で過ごせたら、いい大人になれる木がします。
「あの子のことは、放っておきなさい。好きにさせておくといいよ」
そんなことを言ってくれるおばあちゃんが住んでいそうな風景です。

さりげなく並んでいるブリヂストン所蔵のクロード・モネの『アルジャントゥイユの洪水』、『アルジャントゥイユ』
1872-3年、1874年の作品。モネが32、3歳、34歳のころの作品です。
これは、いきなり妬きました。
こんな風に描ける人がいたら、描きたいと思えるかどうか!

ゴッホの作品もありまして。
これは、見た瞬間、こんな言葉が浮かびましたよ。
「あの人がまともだったころ」
1886年、『モンマルトルの風車』。ゴッホ33歳。
アルル時代が1888年から、サンレミの精神病院は1889年5月からということなので、当たらずも遠からず。だんだん見る目が出来てきたということでしょうか?

そして、おなじみのエジプトコーナー。聖猫の前では、毎回足が止まってしまうのですが、昨日はふと、「この猫、何色だったんだろう?」が浮かびました。
黒?
いや、白? なんだか白って気がします。あるいは、金色???
黄金の猫、もしかしたら?

愚にもつかないことを思い浮かべつつ、幸せなひとときを過ごせました。

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