黄金伝説展とスペイン国立バレエ団Aプロ

ただいま、私はショックを受けています。なぜって!楽しみにしていたスペイン国立バレエ団の『ボレロ』、一新されていたからです。

うん、前から薄々感じていました。スペイン国立バレエ団の中でも、もはや定番過ぎてダンサーさんたちは飽き飽きじゃないかと。宝塚でいうベルばらみたいに、「あー、はいはい」作品ではないかと!

しかし、だから、イイんですよ。マンネリ上等!

アントニオ・ナハーロ氏は才気溢れる人だと、前回確信し、トークショーにも紛れ込みました。才能や意欲を感じます。感じますが!

『ボレロ』は! 『ボレロ』だけは、手付かずでいて欲しかったです。なぜって、もう20年楽しみにしているんですよ。『ボレロ』見る度に、自分の立ち位置を確かめているのです。

「いま、幸せ?」「いま、やることは?」「前回は、あんなことで悩んでいたけど今は遠いね」などなど!

ナルシズム満載の半裸イケメンダンサーの挑発では、自己採点が出来ないですよ。煩悩入りますから!

……いや。

よかったですよ。かっこよかったです。

しかし、見たかったのは、「ソレ」じゃないんだあああああ!

まあ、もう仕方ないです。いまさら定番ボレロやられたって、「半裸を出せ! 半裸こそ見たい」になるに決まっています。だって、かっこいいもん。

しかし、いいんだよ、ベルばらは、ベタベタで!スペイン国立バレエ団のボレロは、サテンくるくるで!

……変われということですよね。もう振り返るなと。

しかし、ショックを隠せません!

ボレロ以外飛びました、いや、もう仕方ありません。

あまりにショックで、フルーツパーラーゴトーに向かいましたが、入店待ちの人がいっぱいで、諦めました。さらに、電車に乗ったら、上りと下り間違えました。もう傷心丸出しです。いや、かっこよかったですよ。よかったです。が!

スペイン国立バレエ団の前に、西洋美術館の常設を見て、なにげなく、ショップをのぞいたら、バーン=ジョーンズの〈黄金の雨〉が出ていることに気づきました。ぬわんだと?

残り40分でしたが、チケットを買い、飛び込みました。

〈黄金の雨〉は、福島で見たことありました。がっつき過ぎです。しかし、冒頭の金色の羊のシリーズは、星占いに関わる者としては、血が騒ぎました。見られて、よかったです。ギュスターヴ・モローの日本初の作品もありました。

「くー! いいじゃないか!」

黄金伝説展、タイトルはベタベタで、まったくそそられませんでしたが(だから常設で余裕かましていました・笑)、添えられた絵画がとにかくよいですよ。モローにクリムト、センスがいい! わくわくしました。メインの金製品はガンガン飛ばし、絵画を丹念に見てきました。バーン=ジョーンズが目に入らなければ、パスしていました。装飾品はいいんですが、基本「キレイ」や「豪華」しか残らないので。あ、アルファベットモチーフの紀元前3世紀ブレスレットには、しびれました。文字には意味がありますよね。

唯一、棺の中の展示は、咄嗟に祈りました。

「あなたの栄光が永遠でありますように」と。ドキッとします、レプリカでも。

金は、富や権力のシンボルであり、呪いであり、祈りであり~。

なかなかショックな一日でしたが、消化したら、すべて糧になりそうな気がします。

 

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