大塚ぼんご

大塚にぼんごというおにぎり屋さんがあります。
昔、わりと近所に住んでいる時は、行けませんでした。
なんだか入りづらくて。でも、憧れていました。
そのころは、大塚駅前の三角の立地で、ガラッと開けて入るドアだったように記憶しています。

20年が経過し、移転したぼんごを見つけて、勇気を出して入りました。

という話をしたら、「え? なに、その入りにくいって、意味がわからない」って言われました。
「入りにくかったんだよねえ。20年かかったよー」なんて返事をして、
「きょう、テイクアウトで買ってきたかったけど。3時間以内っていう縛りもあるから
やめておいた。後で行く?」みたいに、話を締めたのです。

が、じゃあ、帰ろうかという段になり、「おにぎり屋は?」と言われました。
え、今から行くんですか???

朧げな記憶をたどりながら、案内すると、22時なのに行列が出来ていました。
みんな、シーンとして、順番を待っています。
いまひとつ、私もルールを理解していないため、最後っぽい人に「どうすればいいんですか?」と
聞いてみたら、「待っていれば、お店の人が声をかけてくれます」と教えてもらいました。

すると、「おにぎり屋は?」の人たちが、いつの間にか遠くに離れていて手招きをします。
ん???

「待っていればいいみたいですよー」
「やめておきましょう」

え?

「これじゃ、おにぎり道だよ。怖い。やめましょう」

仕方ないから、男子2人を居酒屋にぶち込んで、「じゃ、私、買ってきます」と一人で出直しました。
といっても、私も、22年ぶり2回目なので、いまひとつルールがわかっていないんですよ。
「お客様は?」と言われたので、
「あ、持ち帰りで3セット欲しいんですが」
「セットは終わっていて」
「そういう意味じゃなくて、3つの包みにして欲しいんです。シャケと梅を2組、オカカと焼きタラコを1つ」と店中に響く声で伝えました。
しばらくしてから、「すみません。追加で、生七味も!」「合計7個ですね」「そうでーす!」と
どんだけ食べるんだ?キャラになりました。

しばらくすると、他の人がなにやら紙に書いているのに気づき、「あ、持ち帰りは、紙に書くのね」と理解し、コソコソ書いて「コレ、さっきの」ってコソコソ渡したら、お店のご主人が「わかっていますよ」っておっしゃって、そうか、わかっていたのかとホッとしました。

無事におにぎり7個を手に入れて、へたれ男子に2個ずつ配分して、電車に乗ったら、なんとまあ、
もう終電で焦りました。

よーく考えたら、おにぎり食べる時間ないじゃん!と思い、電車の待ち時間とかスキを狙っていましたが、終電は混んでいますから、全然無理なんですよね。最寄駅を降りてから、生七味を食べて嬉しくなりました。

残りの2つは旦那に勧めましたが、さすがに午前様で「きょうはやめておく」となり、
冷蔵庫へ。

……うーん、うちの分はいらなかったのかー。でも、並んだし、食べたかったしねー。

というわけで、「ぼんご、入りづらい」は、わかってもらえました。40歳過ぎのおっさんたちが、
敵前逃亡するくらいですから、20代のころの私がダメだったのも無理はないのです。
が、勇気を出せば、大丈夫ですよ。ルールわかってなくても、買えますし、食べられます。
オイシイです。

また、大塚に行ったら、今度はお店で食べましょうっと。お腹空いてきました。が、昨日のおにぎりは旦那のおなかの中です。無念。

 

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