幸せになるはずだったのに。
大事にするつもりだったのに。
小さな骨壺の中に、グルさまが収まっています。
黒猫さんは、探しています。
匂いを探しています。
こんなに早く亡くなるなら、保護しなくてもよかったかもしれません。
外にいれば、それなりに、やっていけたでしょう。
でも、きょう、亡骸を抱えて、海に行き、お気に入りだった場所に安置して、
風が強くて、冷たくて、こんなところに何年もいたのかと改めて過酷だと思いました。
入院させずに、連れて帰ってきたら……。
グルは、うちを我が家だと思い始めていたところだったので。
せめて、うちで送ってあげられたら……。
昨日の地震がいけなかったのでしょうか。
引き取って、ボランティアさんにご連絡して、最後に会っていただいて。
それから、うちに連れて帰って、黒猫さんに合わせて、固くなる前に、
海に連れて行きました。が、娘猫には会えず……。
獣医さんによると、ごはんは食べない、触れない状況だったそうです。
連れて帰っていれば……。
浣腸しても、浣腸した分しか出て来なくて、おそらく、無事に退院できたとしても、
外科手術が視野に入ってきたでしょう。
今後のことを決める月曜日のはずでした。
たらればを言い出したら、キリがないですね。
獣医さんに大きな失策があったとも思えません。
二度と使わないけれど。
やっと慣れて来て、これから幸せに暮らすはずだったのに。
たった2日の入院でも、家から火が消えたみたいになっていたのに。
グルさま、ありがとね。いっぱい、怖い思いさせてごめんね。
大好きだったよ。大好きだよ。あなたは、私の親友だったよ。命の恩人だったよ。
子グルやおねえちゃんに会えた?
虹の橋の下で待っていてくれる?
せめてリビングでくつろいで欲しかったよ。未知のまま、終わっちゃったね。
廊下には出たね。天袋にも上がった。あちこち、冒険して。もっともっと、楽しく元気に
あたたかく、黒猫さんのディープな愛をかわしつつ、ゴロゴロする予定だったよね。
あなたがイヤじゃなければ、私のそばにいてくださいね。
グルさまトントンしようね。トントントン、グルさまトントン。
自由にしていてください。あなたがいいときに、会いに来てね。大好きだよ。
大好きだよ。
大好きだよ。うちに来てくれて、ありがとう。