本日のトピックス
- ルームメイト白雪姫
- エンドレスさん、強制退院
- 酸素吸入つきシャワー
- 母の梨
- クダ巻きじいさんと働く若者
消灯で寝ましたが、わりと早く覚醒しました。
病院では、うまく寝る技術が求められていますね。同室の方のポータブルトイレは片付けられましたが、代わりに一晩中、水まわりに明かりがついています。まぶしいですが、万一の事故が怖いから、仕方がありません。私よりも10〜15歳くらい上の方でしょうか。なにか理由があり、要介護。理由は、未だにわかりません。
明日、ルームメイトは退院ですが、なかなか危なかっしいです。年老いたお父様が、彼女を支えるようです。
もともとの気性は穏やかで優しく、起きているときは、楽しげな独り言が続きます。おしゃべりの内容はかわいく、なごみます。おひさまの話、小鳥の話。心が美しい人。白雪姫みたいなおばあちゃんと生真面目な少女のキャラチェンジを繰り返します。本来より老けこんで見えたり、幼く見えたり、なかなかミステリアスです。お名前で呼びかけると、チャンネルが合い、しばし、現実にお帰りになり、少しだけ、意思疎通が出来ます。
彼女の場合は、不自由があっても、病院にいても改善はなく、むしろ、悪化するのかもしれません。住み込み介護みたいな形で、慣れ親しんだ自分の空間の中で、日常でのリハビリがイイのかもしれません。が、白雪姫さん、介護側から見ると、目を離すのが怖くなる危うさがあります。保護や庇護が必要な人。私ですら、妙に気を配ってしまいますから。彼女を白雪姫メンタルに育てあげたお父様、大丈夫かしら?
エンドレスさんは、また、隠れタバコでモメ、息子さん引き渡して、強制退院へ。全国ネットの堅い職場の重鎮っぽい息子からの叱責を、子供のように恐れていました。
「聞いて」のタイミングで、シャワーの時間が来てしまい、「シャワーとお昼終わったら、うかがいますね」で、約束通りにのぞきに行ったら、もう退院なさっていました。この期に及んでも、相槌さんは、「吸ってないのに疑われてかわいそう」と発言し、私を煙に巻くのでした。
シャワーは快適、髪が短いのは、信じられないほど、幸せなことでした。すぐに洗え、すぐ乾きます。
見舞いに来た母が梨を剥いてくれ、半ば義務のように食べながら、「お母さんに剥いてもらうのは、最後かもしれないな」が浮かびました。相変わらず、やりたいことはやる主義で、入院中の娘に剥いた梨を食べさせないと帰れないわけ(笑)。無骨な梨、子供のころの幸せな時間。食事療法の方もいますから、非常に気を使う病院でのおやつ。ちょっとセンチメンタルな気分になりました。母も、老いています。面白かったのは、シートパックで、早く欲しかったので、ハッカ油と合わせて母にリクエストしてみたら、顔を拭くシートが届きました。「お店で聞いたけど、わからなくて」。なるほど、概念がないと、同性でも無理ですね。ハッカ油は、ちゃんともらえました。初めてのおつかい、老婆バージョン。
夕方になり、「全部聞こえています! 馬鹿にしないでください。失礼じゃないですか!」と若者の抗議の声が響きました。
「一日中、あのじいさんもヒマだな。しつこくうるせえな」な談話室の主が、介護さんにあてこすりしたみたい。介護さんなしでも、ずっとうるさく、男性版エンドレスさんみたいで、「よく素面で、これだけ、場末の飲み屋感を出せるものだ」と感心していたんですけどね。
小学校なら小粒枠。クラスカースト並以下で、つまんないイヤミや便乗イジメをするタイプ。まんま、キャラ持ち越しで、おじいちゃんになっても、しょうもない一般論で、弱い者いじめをしているんです。
介護さんは、引き離され、ベテランさんが事情徴収と調整に当たり、うやむやに終わりました。入院じいさんは、くだらない人生の落伍者なんだから、聞き流せばいいんだけど、働く若者ちゃん、ギリギリなんでしょうね。難しいですよね。
「こう寒いと、海の家、全滅らしいな」みたいなしょうもない話がBGMです。なぜ、発散型老人は、コレ知っているオレ凄くねえ?私スミに置けないでしょ?的な一般常識披露に走るのでしょうね。
ま、いっか。
エンドレスさんは去り、相槌さんはカーテンの中に引きこもり、白雪姫は夢の中へ。意気がっていたおじいちゃんは、多少は反省したっぽい。若者にも、頑張ってもらうことにいたしましょう。
病院は、子供返りの場でもありますね。私も、神経休めないとね!