映画34、35‪「万引き家族」、「アクアマン」‬

「万引き家族」は、アカデミー賞外国語映画賞ノミネート凱旋上映。今日一日だけらしく、気合いで見ました(こちら、私の調べ方が足らず、TOHOシネマでは、2月8日のみ、他の劇場は別の日もありました。なーんだ!)。

子役を汚さない良心的な仕掛けに、好感を持ちました。樹木希林さんは、「日日是好日」との落差が激しく、なるほどなーと。

好きか嫌いかでは、どっちでもない、かな?

リンちゃんの幸せを祈ります。

「アクアマン」は、とにかくB級。ですが、やたら、キレイだし、強いし、肉体美だし、お金かかっているし、でも、やっぱり変だし(笑)。

軽いトランス状態になれます。キレイ、ファンタジー、いろいろ謎。

追記
「夜明け」の広瀬奈々子監督は、「万引き家族」の是枝裕和監督の愛弟子だそうですが、にわか映画鑑賞中の章月、時系列を逆流で見たため、「あー!」に気づきました。

「夜明け」の中で、設定が破綻していくシーン、いや、そこまでは、本当に丁寧でうまいんですよ。ひとつひとつのディティールの積み重ねで、説明セリフなしに登場人物の背景を伝えていく手腕に舌を巻きました。

ところが、あるシーンから、この緻密な計算が狂っていきます。で、その「え、そっち?」のリアリティが消える方向に転換してしまう場面、まんま、「万引き家族」にもあるんですよ。で、「万引き家族」は、それが物語の補強になっていきます。が、「夜明け」においては、「えええ、それはダメでしょ。ありえない」で。

ありえない物語がありえるかもしれない、不安定なまま、観客をラストまで引っ張っていくのが、「万引き家族」ならば、「夜明け」は、設定からかなりリアルで、「ああ、この人物なら、こうするかもしれないねえ」といううまいスキマを丁寧に縫っているのに、問題のシーンで、「え、そりゃないよ。広瀬さん」になっちゃうんですよね。完全にシナリオのミスです。

でも、ミステイクが次の伏線になっているのかなー?って思って、まだ、見捨てずにつきあっていたら、まったく回収されないまま、おしまい。
惜しい、と思いました。でも、デビュー作だからかなーって思っていて。
ところが、「万引き家族」を見て、ああ、これは強力なリスペクトかもしれない!と気付いてしまい、こうなると、結構キツいかもしれませんね。

師匠のカラーに染まり過ぎているのかもしれません。
才能があり、尊敬できる師匠につけるのは幸運なことです。そこに信頼があり、のびのびと育ててもらったのでしょう。が、肝心な部分、作品のコアな部分で、迷いが生まれた時に、師匠の手法が正解に思えちゃう、無意識にパターンをなぞってしまうっていうのは、意外にやっかいですぞ。登場人物が背負う背景、家族構成などもセリフで処理せずに見せてくれたセンスのよさが、偉大な師匠の影に食われないように祈ります。

そして、お話変わって、「アクアマン」ですが。
てんこ盛りですよ。
分厚い胸板を持つ海の男、セクシーなアリエルカラーのヒロイン、強くて美しママ、誠実な父親、絵にかいたような美しくも屈折した弟、人物配置も、お好きな方をそそるでしょうし、海中バトルアクションも、「これ、どうやって撮ったの?」で、見所たっぷり。
海にいるんだか、宇宙の話だかよくわからなくなるハイテク世界、雑誌「ムー」の延長のアトランティス物語、いくつかの神話のエピソード、さらに、怪獣、ホラー、ラブもトッピングでついてきます。

頭を空っぽにして、みるのが正解。
私は、「えー、でもさー、海の種族でしょ? 人間が求める『温かさ』で、火傷しちゃうんじゃないの?」が一番にひっかかってしまって。

あと、大事なシーンは、なぜか海上に浮上します。そこ、海の中での決着じゃないんだ? 

とにかく、海の中がキレイ! サメやシードラゴン、カメ、リズム感の良すぎるタコ、あと、とにかく、「ああ、アメリカだよねえ」なロッキー的な展開も。

邦画やミニシアター系と組み合わせてしまうと、あっさり余韻が消えます。
「万引き家族」の凱旋上映は予告で知ったので、TOHOシネマズで見るでいいんだけど、サイトが見にくくて、本当に混乱します。
「上映中の作品」で、全作品が出てこないわけ。一館ずつチェックすると、
「あれ、ココにコレがあったの?」に気づいたりします。
昨日も、夜は用事があったので、「万引き家族」を見てから「アクアマン」をここで見ておくか!にしたのですが、シートを予約してから、「ああ、錦糸町のレイトショーで『万引き家族』があった!」みたいな発見があったりして。
ならば、違う映画を入れたのですが。同じ日にナチスものをまとめて見たいんですよー。
まあ、人生にはムダはなく、夜、初めてお目にかかったフィギア作家の方に、
「アクアマン」に出てくる怪獣について話せたし、まあ、いいのかもしれません。フィギア作家、熱く語るの「アクアマン」。美術が素晴らしいので、気になる方は、ぜひ、劇場でご鑑賞くださいませ。スケールが違いますよ!

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2019年2月8日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃