友枝会『翁』『井筒』

2019年11月03日(日)
開場12:00 / 開演13:00 / 終演16:45頃
国立能楽堂(東京)
『翁』友枝真也
能『井筒』友枝昭世

人気公演、理由を理解しました。完璧に。

友枝昭世さん、冥界とつながってますよ。藤原業平、降ろしていました。※すまん、在原業平ね!

あ、この人、業平さまから文をいただきたい。ああ、弓も得意なんですね、いわゆる文武両道、天才なのですね、みたいに、情報がバンバン飛んできます。

※ここ、かなりポイントで! 私、業平、藤原姓だと思うくらい、うといわけ! 授業で聞いたかもだけど、いちいち、伊勢物語に狩衣、弓がうんぬん、なんて知らないわけ。が、弓、連想してるの! おかしいから! やばいから! これ、ガチなやつだあ! 自分の無知がすごさの証明になるって、意味わかんないけど、なんかいい!

うまいとか、そういう話ではなく、そういう話のレベルでもなく、完全な降霊術で、それは、能楽の形を取っています。

番組は井筒ですから、怖い話じゃないのに、恐ろしさにガタガタ震えました。

不思議なのは、友枝昭世さんをすごいと思っている人がたくさんいるのに、何が起こっているのか、大半の方が気付いていないこと!

なぜ?

逆に、なぜ、私は気付いた? わかっちゃった?

いやね、思いは降ろせる、概念も降ろせる、が、才気までは、なかなか。何が得意で、どんな人柄だったかまでは、まず、無理です。が、いるのよ、そこに。藤原業平さんが! いや、知り合いじゃないよ、興味もない、でも、わかるの。ああ、そこにいる、と。※ね、ナチュラルに間違っているでしょ?(笑)

前シテは、かなりヤバくうとうとして、連れに起こされました。が、この眠りもおかしくて、目覚めたら、視界が開けているのです。パチっと覚醒、なんだ、これ。本当は、私は見てはいけないものだったのかも。

で、後シテは、息を飲み、まず、身体が逃げていました。人ならざるものが人に乗っています。これが能楽、これか! 怖い、怖い、怖い。怖くて、美しい。

空っぽなのでしょう。我、が、はない。魂を抜き、明け渡す。鍛錬を重ね、体を作り、器にして、そこに降ろす。

みなさん、普通にご覧になってましたが、何が起こっているのか本当にわかったら、あんなにたやすく席を立てません。えー、なんですぐに身体が動くわけ?

共演する鳴物のみなさまにインタビューしたい気分。絶対、アレ、やばい回路が開かれています。笛や小鼓の方、冥界にいるはず。もちろん、私たちは安全です。だって、能楽の形を取ってますから。

すごい人がいたもんです。で、すごいとわかる自分にも、びっくりしています。ビュンッと意識、引き上げられました!

ホント、なんでわかったのかな?

雅楽に通じる平安アンテナかな???

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2019年11月3日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃