在原業平の才気。
光源氏のモデルにもなったという、伝説のプレイボーイ。弓の名手、ちょっと人嫌い。空気が伝わってきます。
どんな人なのかをなぞり、引き寄せる、または、寄り添う、いわゆる演劇と能は、違うものだと理解しました。
能舞台と客席で、静けさが練られていきます。
「翁」
何度も見ている番組。が、いつも簡略化されていたのかも? おもてをつけるバージョン、初めて見た気がします。
ただ、なんか足らない感じがして。
うまく言えないんですが、本来は一の神を降さないといけないのに、何かが足らず、二の神が降りているような。悪くはない、しかし、ん、なんか違う、そんな気がして。
三番叟はよく、音無しの二回着地にびっくりしました。三回目で音が鳴り、やっと消音だったと気づきました。ふー。
観世と喜多の違いは、様式と野趣にありそうですが。
神を降ろす。
人を降ろす。
なんて恐ろしい芸術でしょう。
私も、神降ろしを目指さないと。易神様ですが。潔斎、精進。