考えてみれば。
すごく長くお付き合いいただいた。
最近は、お誕生日にメールをするだけ。
お誕生日おめでとうございます。最近の私は……。
君のメールは面白いね。
繰り返される毎年の恒例行事。
お返事がないなと思って、検索をかけて。
訃報を知る。12月20日。冬至の前に亡くなっていた。
でも、80歳。
父と同い年だった。
ミュージカル脚本賞の審査員、そんな始まり、
私は土俵に登りかけ、降りて、また登りたくて登れないまま、今に至る。
メールは、解約されていない。
ご家族もそこまで気が回らないのだろう。
今年のメールは、昔のことを書いた。
あの時、わからなかったことが、去年、わかったんですよ。
わかった時に、すぐにメールすればよかった!
でも、それも遠い習慣になっていた。
たくさんの方が、感謝されているだろう。
同時代を駆け抜けた人たちは、あちらにいらっしゃる。
寺山さんには会えました? 北川さん。
私には恩人が二人いて。
一人は、10年前に送って。
もう一人も、去年亡くなっていて。
10年前に亡くなったおばさまは、今でもナチュラルに思い出す。
「ああ、岡田さんにご無沙汰しちゃったな。そろそろ連絡しないと」って。
で、毎回、「お前はもういないのか」をやる。
北川さんは、毎年4月に思い出すだろう。これから、メールはどこに出せばいいんだろう? 私も、そう遠くないのかもしれないなあ。それはそれでいいや。
また、会おう。そんな言葉が飛んでくる。ふっと、落ちてくる。
そうですね。また、お会いしましょう。
私の20代、なかなか素敵だった。
29年って、土星の公転周期じゃん!!!
くるんとまわって、振り出しに戻る。北川さん、道中お気をつけて。
たくさんの物語が、たくさんの演劇人が、あなたを案内してくださるでしょう。
むすっとしながら、内心喜んで。
道中お気をつけて。花道抜けたら、そこは、美しい世界ですね。
いってらっしゃい。開演ですね。