2023映画7「ヒットラーのための虐殺会議」

こちらは見たいなーって思いながらも、時間が合わなくてなかなか行けず、
でも、「キャバレー」を見たら、やっぱり行っておくかと思い、無理やり行きました。

文官が一番エグいことを言い出す……というのが、唯一の揺らぎで、
基本、ユダヤ人は、害虫、害獣扱いだったんだなってことがわかる内容です。

日本だって、鬼畜米兵ですもんね。戦争ってそういうものなんだけど。
映画の中のデータをそのまま、踏襲すれば、110万人いるとされたユダヤ人のうち、600万人の命を奪ったということ。

杉原千畝さんを題材に取ったミュージカルを見たことがあるのですが、
この「虐殺会議」のムードの中で、ユダヤ人を救うと決めた覚悟はどんなにすごいことなのか。でも、「そういう人がいたな」で名前は失念、「なんだっけ、『ち』がついたぞ」くらいの記憶力がなさけなく、今、検索をかけて、樋口季一郎陸軍中将も知り、ダメダメも役に立つのかもと自分を慰めています。ダメダメだけどね。

特別処理の対象を日本人に置き換えると、背筋が凍り、
同時に、自分をドイツ人、アーリア人と考えると、「総督の理想を叶えるために」もわかるような気がして。
でも、「精神的におかしくなる」ことも認めているのに、遂行せねばならない義務として捉えている高官たちが不思議な存在感を放ちます。

これ、演じる人、病むよねえ。
ナチス軍服、ドイツ車、ユダヤ人から取り上げた邸宅、すべてが美しく、
本当に悪夢ような美しさで。

キャバレーが1931年ベルリン、この映画、ユダヤ人問題の最終解決を図るためのバンゼー会議開催が1942年。第二次世界大戦終結が1945年。
近代歴史が立体的に迫ってきます。

ヒューマントラスト有楽町2023.02.06

1.SHE SAID/シー・セッド その名を暴け2.恋のいばら3.ノースマン 導かれし復讐者4.モリコーネ 映画が恋した音楽家5.エンドロールのつづき6.キャバレー7.ヒットラーのための虐殺会議

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2023年2月7日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃