「仏像半島ー房総の美しき仏たち」

千葉市立美術館で、日曜日まで開催されていた企画展です。
最終日に、駆け込みました。
千葉県内にある仏像が、大集結です。

 

 

 

仏像のポーズ、特に、四天王像などは、面白いですよね。
よく見ると、ものすごく工夫されていて、バリエーションに
富んでいます。それなのに、威厳を損なわない!!!
これは、すごいことです。

平安から、徐々に時代が現代に近づいていきます。
8階から見て、7階に移動すると、そこは、鎌倉時代で、
いきなり華やかになりました。
絢爛豪華というのとは、違うのですが。
時代が、人の意識が変わったと実感できました。

飛鳥、白鳳、天平、平安と、段階を追って変化していき、
鎌倉、室町へとつながっていきます。
誰が権力を持ち、何が正しいとされたかで、仏像のあり方も
また変わっていったのでしょう。

鎌倉時代の釈迦涅槃像もありました。珍しい気がします。
波の伊八の彫刻も、間近で眺められます。

最後に飾ってあった毛はたきみたいなやつ
(きっと、正しいお名前があるのでしょうが、わかりません)を
持った像がやたら怖かったのですが、図録にはないようです。
また、なぜか、ひとつだけ「岩手県の七仏薬師如来像」もあります。
なぜ???
七仏は、「しちぶつ」と読み、中世以前のものとしては、
珍しいようです。参考として、御出品いただいたのでしょうか?

大阪や京都の日親上人像も並びます。富山からも出ていたのですね。
房総の仏像ですが、房総にあるだけではないのですね。

所蔵に注目していたら、読売新聞社というのもありました。
図録を眺めてみて、納得。ああ、いい仏像です。
妙見菩薩像、重要文化財ですって。

今回、あることに気づきました。
私は、仏像を美術品とは見ていないですね。
祈りの対象、人の思いの結晶として拝見しています。
美術展に並ぶときは、魂抜きしていると聞きますが、
それでも、そこに、何か強いもの、大きいものを感じます。
もちろん、キリストやマリア像もです。

あ、でも、ギリシャの神々は、アートですね。
あれ??? この線引きはどこにあるのでしょう???

ん???
エジプトやマヤは、信仰ですね。
なぜ、ギリシャだけ例外なんでしょう???
アートのルーツだから?

チベットの仏像を見た時は、心底ドキドキしました。
あれほどの祈りの対象を持つ国を、どうして壊せたのでしょう?
あ、でも、それは、インカも同じですね。
強力過ぎるから、怖くて、壊す……。

何かで読んだか、聞いたか忘れましたが、
「信長は、仏像を階段にした。普通じゃない」というのを、
たまに思い出します。
信仰は、形を持つことで、祈りが純化していき、
同時に、形を持つから、さまざまなこだわりが生まれ、
宗派の細分化も生まれ……。
そして、壊されたり、いろいろあって、今に伝わっていて。

手印、意外に楽しいかもしれません。
だって、覚えれば、見ただけで、仏さまのメッセージが
読み取れるのですよ。
問題は、覚えられるかどうか……。うーん、精進いたしましょう!