円空展とラファエロ展

年下の兄弟子に、笙の補習塾をお願いしました。私のいいかげんさに、兄弟子、しばしば、「う〜ん、どうするかなあ」になってまして、たいへん申し訳なかったけど、いろいろためになり、ありがたかったです。

兄弟子と言っても、一緒にお稽古したことはないため、まず、実力テストからはいるわけです。わはは、大ピンチ!
面白いなあと思ったのは、「やはり音は、先生に習っている音ですね」というコメントでした。基本を習う時期に足を挫き、いろいろすっ飛ばしているため、困ったことになっているのですが、できないなりに何かをいただいているのかと思うと楽しいですね。
しかし、自己流でごまかしてしまっていることが多すぎ、これからの矯正は大変そうですっ。ううう。
兄弟子とのお約束の前に、美術展をハシゴしました。
まず、国立博物館の「円空展」。
平日昼とは思えない混雑です。
なんだ、こりゃ?
また、人気のわりに、スペースが狭いんですよね。そして、年配の方がお連れ様待ちをしたりして、なかなか列が進みません。人がごちゃごちゃで、イライラしました。
円空さんを見て、気持ちがほんわか、人混みでイラッ、また、ほんわか、イラッの繰り返しでした。
空気も悪くて。
う〜ん、会場狭すぎですよ。
まあ、三月になるまで来れなかった自分がいけないのかもしれません。
円空さんが日本書紀を読んでいなかったかも……という説明文には、驚きました。確かにあるかもしれません。
また、私は、棒切れを仏さまに変えてしまったような、本当に素朴な作風が好きなんですが、今回は、もう少し、しっかり作られたものだった気がします。
迦楼羅や獣面の稲荷様など、人間じゃないものが、響きました。秘仏も深いですね。
円空さんの仏像は、なんだか手元においておきたくなりますね。本当に、かわいらしい。イライラしない会場で、ゆっくり向き合いたい感じですが。
そもそも、イライラしている段階で、私は失格なんだと思います。
なんとなく、「ラファエロ展」を後にしたのですが、これは、個人的には正解でした。
ラファエロ、上質です。
500年前の作品が、今も輝きを失いません。
ただ、後半から、ラファエロの弟子や仲間たちシリーズになり、もちろん、よい作品もあるのですが、やはりテンションが落ちます。
会場の構成、あまりよくない気がしますね。
人間の心理で、最初はみなさん、熱心に見ますが、後半ダレて、流れが早くなります。そこでもう、ラファエロ作品、消えますから。
ん〜。
時系列で追っているのかもですが、もう少し散らして欲しいし、やはり最後は、ラファエロで見納めたい気がします。
会場がくねくね構成のため、最初に戻る元気もなく、なんだか肩透かしな印象で終わりました。
作品は、いいんですよ。しかし、なんか物足りない感じ。
第一室が、一番楽しいかもしれません。
ラストにハイライトが来て、非常に高揚した気分で帰れたエル・グレコ展と対象的だと思いました。
まあ、なにはともあれ、総じて、芸術的な一日だったと言えるかもしれませんね。楽しかったです。
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