和の文化

いまさらですが、「ちはやふる」を一気読みしました。
この流行に乗り遅れている感じ、非常に自分らしいと思います(笑)。

えっと、あるお仕事で、漫画における「和歌」の感じを
つかみたかったからなのですが。
最近では、「うた恋い。」もありますよね。
でも、私の行動範囲の中で、こちらは、すっと入ってこなくて。
まあ、とりあえず、「ちはやふる」から。

いやー、大ヒットしただけの勢いがありますよねー。
うまいなー!!!と素直に。

ヒロインに自己投影できるほど若くないため(涙)、
ちょいと引いたところで読んでいるのですが。
それにしても、サブキャラのかなちゃんの和装のススメは、
耳が痛いです。

和装、視野に入れてもいいころあいです。
日本人として生まれてきたのですから、本当なら、
ちょちょいのちょいで、着られたら……、いいですよねー!

うっかり始めてしまい、辞めるタイミングがもうないものに、
雅楽がありまして。私の中では、周期的にヤル気があるときと
一気に無関心になるときのムラが激しいものなのですが、
これがもう、完全に和の世界なわけです。

これは、ただの偶然なのですが、習い始めのころ、
教室にいるみなさん、お茶のたしなみがあって、おののきました。
ええええ??? 笙に、必須ですか???

そして、雅楽を始めると、神主さんにいっぱい会えます。
神職の資格を持っている人なんて、世間でそういないと思うのですが、
いきなり囲まれる感じでした。

なんだか、この世界、面白いですよね。

ドアがひとつ開かれると、いきなりそれまで遠かったものが、
自分の現実になったりしますよね。

そうそう、昔からなぜか私は、
「お能を見る人になりたい」と願っていたのです。
お能なんて、さっぱりわからなくて。
でも、妙に惹かれていて、わからないくせに、
お能の面の美術展とか、足を運んだりしているのです。
お能を見たことがないのに、お能の美術館とかに
行っちゃうわけです。何かが変なのです。

笙のご縁が、観世流の能楽につながり、やっと、
少しずつ、能楽堂に足を運ぶようになったのですが、
やっぱり見たって、わからないわけですよ。

謡本というものがありまして、それを読みながら
聞けば、ちゃんと聞き取れるし、何がテーマなのか
わかるのですが、ある方に「舞台を見てください。
言葉なんか、わからなくていいから、空気を感じるといいですよ」と
教えられまして。
「本当にわかんないんだけどなー」と思いながらも、
素直に従っていたのです。
で、やっぱり、わからないわけです(笑)。

ただね、この前、謡曲のCD発売を記念して、
お家元による謡曲プチ講座みたいなのがあったのです。

お家元が能舞台の上から、見所、えっと客席ですね、
客席に座っているお客さん大勢にお稽古をつけるという
ものすごく斬新(だと思うのですが)な企画だったのですが。

もちろん、たった一回でうたえるようになるわけはないのです。
でも、ちょっとだけ、聞き取れるようになったのですよ!
「お能は、日本語だった!」
もう衝撃的でした。
バカ丸出しで、お恥ずかしいのですが。

独特の節回し、アクセントの違い、音の伸び方などの決まりごとを
学べば、あのただの音のつらなりが、きちんと言葉として
聞こえてくるのです。

いやー、びっくりしました。
すごく新鮮で、ものすごく、うれしかったです。
「私にも、聞き取れるじゃない!!!!」
いや、全部は無理ですよ。無理ですが、それでも、大進歩です。
わずか、2時間足らずで、「お能が聞きとれる耳」ができちゃうんです。
これ、国語の必須でやったほうがいいですよ。
やれば、日本人みんな、お能を楽しめるようになります。
合う、合わないはあると思うから、一回でいいと思うのですが。
でも、たとえば、野球が一塁からホームベースを目指すとか、
そういうの、みんな知っていますよね。
みんながみんな野球をやるわけじゃないですけれど、でも、
一応、知っているから、きっかけがあれば、観戦にいくかもしれません。
お能とか、ないですものね。いきなり古典芸能体験とかじゃ、
「イヤー、ホ」みたいな掛け声しか残らないですよね。

問題は、ある程度、耳が慣れているって条件が必要かもしれないってことです。
わからないなりに、飛び飛びで数年、見てますから。
まっさらの状態で、いきなり謡曲講座を受けても、やっぱりわからないかもしれませんねー。

やっぱり、慣れは大切なのかなーと思います。
ただ、お能にしろ、和装にしろ、慣れる機会がないですよね。
日常生活から遠くて、特別感がプラスされてしまいます。

とはいえ、もしかしたら、ちょっとしたきっかけで、
難しいとか、わからないがなくなるのかもしれません。

「着物が一番らくなのよ」とか、
「笙を吹いているときが一番幸せ」とか、
「きょうのお能は、素晴らしかったわね」とか、言える人間になりたいです。

うーん、こんなこと書いている段階で、ちょっと失格というか、
まったく、ダメな気がするのはなぜなんでしょね?

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和の文化」への2件のフィードバック

  1. 読者登録ありがとうございます
    普段馴染みの無い日本音階独特の雰囲気に触れらる
    機会が有るのはいいですね、演歌は西洋音階なので
    日本音階って今は求めなければ触れらない物なので
    貴重な体験と思います。
    自分が文章苦手なので、章月先生の文章はすごく勉強になります。

    sincerely yours

  2. 青星幸助様

    お運びくださり、ありがとうございます。
    コメントも、ありがとうございます。

    お褒めいただき、元気がでました。
    しかし、過分なお言葉なので、なにかお返ししなくてはいけません。
    なにをお返しすればいいのか、見当もつきませんが。

    和の文化は、非日常ですよね。でも、きちんと伝承してくださる方がいらして、ありがたい限りです。
    うっかり笙を買ってしまいましたが、マスターはまず、無理、ただ、辞めずに周りをウロウロしていればいいと自分を許しています。
    上達しないけど、辞めないのです(笑)。

    Twitterは、あまりうまくつきあえなくて。
    分析するサイトで見てみたら、90%ひとりごとと出て、苦笑しました。確かに、そんな使い方です。
    正直、よくわからないんです。
    ですので、取りこぼしも多々あると思いますが、お許しください。
    ブログ更新、楽しみにしています。
    アストロダイス、かわいいですよね!
    では、今後とも、よろしくお願いいたします。

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