祐天寺で、アーユルヴェーダの施術を受け、その流れで、
横浜に出ました。
目的は、プーシキン美術館展です。
この美術展、震災で流れたんですよね。
「これで、絵画をしばらく見られなくなる」と悲しく思ったのを
覚えております。わずか2年で、実現するとは! 関係者さまたちの
ご苦労がしのばれます。
ロシアの美術館なのですが、フランス絵画の300年がテーマです。
エカテリーナ2世(1729~1796年 在位:1762~1796年)に始まり、
ニコライ・ユスーポフ(1750頃~1831年)、
アレクサンドル2世(1818~1881年 在位:1855~1881年)
セルゲイ・シチューキン(1854~1936年)
イワン・モロゾフ(1871~1921年)と、コレクターたちによって
集められた作品で成り立っているそうです。
セルゲイ・シチューキンとイワン・モロゾフは、伝説のコレクターと呼ばれ、
まだ評価が定まっていなかったピカソやマティスなどの作品を集めます。
ところが、1917年、ロシア二月革命、十月革命で、ロマノフ王朝が崩壊、
コレクションは、革命政府に没収され、シチューキンはパリへ亡命、
そのまま、祖国へは戻れなかったそうです。
二人のコレクションは、エルミタージュ美術館とプーシキン美術館に
分納されたそうです。
ちょっと、切ないエピソードですね。
シチューキンが集めたフィンセント・ファン・ゴッホ ≪医師レーの肖像≫は、
見ているだけで、胸に迫るものがあります。
ゴッホは、レー医師に感謝をこめて肖像画を贈ったのに、医師は気に入らず、
鳥小屋の穴をふさぐのに使っていたんだそうで。
死後に売れたゴッホですから、この絵を差し出され、当惑した医師の気持ちも
私は、わからなくはないです。鳥小屋には使わないかもしれませんが、
クロゼットでホコリを被っていた……は、私もやっちゃうかもしれません。
同じく、シチューキン旧蔵のポール・セザンヌ≪パイプをくわえた男≫は、
初めてセザンヌをいいと思いました。
どうも、セザンヌよさがわかりません。プロの画家さんに呆れられてます。
「セザンヌは、もっと評価されてもいいんだよぉー」って。
でも、あんまり波長が合わないんですよ。でも、この一枚は、すごくいいです。
クロード・モネ≪陽だまりのライラック≫
モネが印象派になる前の作品と、チラ読みしました。
なるほど、ちょっと違うかもしれません。
優しく、うっとりするような世界は、モネのものですが。
このモネのように、悪天候を描いたコローとか、
ロマンチックじゃないマリーローランサンなど、ちょっとひねりが効いている
気がしました。ドラクロアは、もうちょっと劇的なやつが見たかったかなーと、
贅沢を言ってみたりします。なかなか見られる機会がないので。
ポスターにもなっているピエール=オーギュスト・ルノワール
≪ジャンヌ・サマリーの肖像≫は、イワン・モロゾフのコレクションだそうです。
館内の参考映像で出てきた別のジャンヌ・サマリーの全身像のほうが私好みかなー?
肖像画を見ていると、「この人とは仲良くなれそう」、「この人とは無理だ」など、
よく考えます。
今回は、アレクシ・グリムー「たて笛を持つ少年」が怖かったです。ぞくっとします。
目玉のひとつ、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル「聖杯の前の聖母」は、
美人さんですね。右側にいるアレクサンドル皇太子の聖人は、すごく好きです。
心に残ったのは、マイナーで絵葉書にはならないものばかり。
アンリ・ルバスク「水浴のあと」
トマ・クチュール「仮面舞踏会後の夜食会」
ルイジ・ロワール「夜明けのパリ」
あと、横浜美術館のコレクションのギュスターヴ・モローが見られたのは、
嬉しいオマケでした。なかなかボリュームがありますので、お時間は長めに見て
お出かけくださいませ。
で、きょう、気づいてショックだったこと!!!
三菱一号館が、もう展示替えだという事実です。
第一期、もう一回行くつもりだったのに!!!
どうも時間の流れが速くていけませんね。第二期は、風景画だったはず。
これも、見逃さないように気をつけなくては!
ランドマークタワーは、昨日で20周年。
スカイガーデンが無料開放されていたので、登ってきました。
20年前、何をしていたのでしょう??? 考えるのは、またにしましょう。