巡礼という名のコンサートに行きました。
笙仲間さんが出演されるコンサートです。普段は違う楽器のプロです。笙も、演奏のレパートリーに加わえた第一弾となるとうかがいました。
演奏は、「笙は、共演する楽器を選ぶなあ」が第一の感想、生まれてはじめてかもしれません。コンサートで音をまとまりで聞かず、楽器で聞き分けるなんて!
ドラムも、管楽器も、笙を生かそうとしているのがわかるのですが、笙の音質、音量で、バランスが難しいんです。まわりが、笙に合わせて押さえるしかない印象を受け、あー、これは、私の勝手な感想で、実際は違うかもですが。
笙が主役になるしかないのに、なりきらないもどかしさがありました。西洋の管楽器のうねりより、篳篥のうねりが響き、合う気がするのです。
ある意味、音のプロが扱っても、これだけパラパラしちゃうんだ!とびっくりしました。たぶん、これ、笙を吹かないとわからない話をしています。笙を不思議な音色として聞けば、「たゆとうような時間でした」「癒されました」で、終わると思うのです。が、私の耳には、ドラムは終始波紋で終わり、管楽器が歌い始めると笙が入り、笙を受けて方向性の違いから遠慮し、寡黙になるパターンの繰り返しに感じました。
はじめて、本当にはじめて、音楽に支配されませんでした。
ありていに言えば、笙が入ると意識が笙に向き、音楽世界に酔えないのかもしれませんね。笙だけ、聞いちゃう、拾っちゃう。楽器を持つ人はこうして聞いているのかしら?
だとしたら、私も、進化したものです。
非常に、面白い体験でした。笙って、不思議な楽器だなあと思いました。