フルリ=ジョゼフ・クレパン

フルリ=ジョゼフ・クレパンは、霊媒画家という異名を持つそうです。
私は、昨日のポンピドゥー・センター傑作展で初めて知った作家です。

「お前が300枚のタブローを描けば、戦争は終わるだろう」

300枚目の絵を描いた日に、第二次大戦が終わります。

さらに続きがあったそうです。
「お前が、45枚の絵を描けば、世界は平和になるだろう」

43枚目で、命が尽きます。

東京都美術館で、異彩を放っていました。

描かれなかった残り2枚の絵は、どんなものだったのでしょう。

戦争が激化する中、絵を描き続けた心境はどんなものだったのでしょう。
画材は手に入りやすかったのでしょうか?
周囲の理解は得られたのでしょうか?
そして、300枚目の絵を描き終えたときの気持ちはどうだったのでしょう?
祈り、願い、ひたむきな思い。
溢れるイメージに、勝手に動く自分の手。世界が、人類の未来が自分に委ねられた感覚、
想像が追い付きません。

あと2枚で世界が平和になるのに、命が尽きてしまう……。
どれほど、心残りだったでしょう。

 

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