オフェーリアの死

昨日のイメージが繰り返し、浮かびます。繰り返し、繰り返し……。

吊られた額縁、そこに漂うオフェーリア。

オフェーリアの死は、私の中でミレイの絵画が最高峰で、他の追従を許さない感じだったのですが、
それに並ぶ美しさだったと思います。
が、Twitterだと、案外、その後のデュエットダンスに称賛が寄せられていますね。
そうですねえ。ダンス公演としては、見どころのひとつですよねえ。客席ニーズはありますよね。

それでも、冗長と感じるのは、私の中の「ハムレット」は、寄り添わない魂たちの物語だからかもしれません。
失われて初めて、大事さがわかるもの。そういう喪失の物語なので、オフェーリアの死の後は、
孤独で結構、みたいなストイックさがあるのだと思います。

まず、2人で踊って、後半、オフェーリアが消えて、同じ振りをハムレットだけでトレースしていく。
たとえるなら、そんな仕掛かなあ? 陳腐だけど。
死もテーマだけど、孤独もテーマだと思うんですよねえ。二人で踊っていたつもりだったけれど、
本当は一人だったみたいな。

オフェーリアの死までの前半は、「すごくいい。明日もどうにかして見たい!」だったのですが、後半で「うん、きょうの感動を大事にしておこう」と気が変わりました。お財布には優しく、ありがたいです。

また、中村恩恵さんの凄みのある役を見てみたいと強く思いました。
マクベス夫人とか、めっちゃ合うと思うんですよね。
でも、シェイクスピア・ダイジェストが見たいわけではないので、そっち系ってことで。
ベースが慈愛で癒しだから、それが転じたとき、奥行きが出て絶対に美しいはず。

今後の楽しみが増えました。

あと、ガートルートの「お前は汗っかきだから」のシーンも、ツボです。
よくぞ、アレを入れました。ふふふ。

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