「農民の踊り」

バベルの塔のブリューゲルは、農民の生活を描く画家でもあり、
作風は、もったりしていて私は、それほど好きではありません。
嫌いじゃないけれど、どうでもいい……みたいな?

でも、昨日、ふとした瞬間に死んだ友達の言葉が浮かんで、
それが、「農民の踊り」で、ブリューゲルさん、ありがとうと思いました。

細かい事は忘れてしまったのですが、高校時代、外の光が強すぎて、
暗く見える教室で、死んだ友達のかんちゃんが、
「農民の踊り」と言い出して、そういうのがいいんだよ的に
だらだら話して、それがなんだか幸せで、楽しくて、いい思い出で、
昨日まで忘れていたのでした。

もし、かんちゃんが生きていたら、「ブリューゲルの農民は踊るね」と
メールなり、LINEなりしたと思うのです。

たくさんの異形のものが詰め込まれた版画は、
「うむ、異文化の地獄だ」という感じで、面白いとは思うけれど、
反芻はしないなあと考え、図録を買うのはやめました。
図書館に行って、ブリューゲルで探せば、いろいろ見えると思うしね。

アメブロにも書いたのですが、ネーデルランドの宗教観は、重くて重くて。
木製の法王とか、聖人とか、権威が先にきちゃって、怖くて怖くて。
ぼんやりと「遠いエルサレムの地で起きた物語をここまで遵守出来るのはすごいなあ」と
感心しちゃいました。
時代が時代なら、狩られますね。間違いなく。
あるいは、狩られたから、こういう感想なのでしょうか?

聖と俗、バランスが非常に難しく、自分の中での節制はありでも、
人への強要、戒めのように働くと、非常に怖いと、なんだかそっちに気持ちが動く展示でした。

個人の感想ですよ? もちろん。

「バベルの塔」展は、混んでいて(でも、比較的空いている日だと思いますが)、
フラストレーションが感動よりも勝ってしまうというダメパターンですが、
それでも、いろいろ感じられて、よかったです。

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