「おいしいおはなし」高峰秀子編

この前買ったちくま文庫「おいしいおはなし」をパラパラめくっているのですが、
なかなか興味深いので、ご紹介します。

山田風太郎さんの「B級グルメ考」で、すでに時代の変化を感じ取れます。
こちらによると……。
B級グルメとは、五大丼、三大ライスのこと。
五大丼は、天丼、うな丼、かつ丼、牛丼、親子丼。
三大ライスは、カレーライス、チキンライス、ハヤシライス。

え? でしょ?

この定義、文藝春秋社の「B級グルメのこれが美味しい!」という文庫本からの引用だそうです。

整理しますと。

「おいしいおはなし」が、2014年刊行。高峰さんが亡くなった後なので、文庫化がこのタイミングだったのでしょうね。おお、もともとは、1998年光文社の知恵の森文庫だったようです。

さて、山田風太郎さんの「B級グルメ考」が、1997年『あと千回の御飯』からの収録。
文中にある文藝春秋社の「B級グルメのこれが美味しい!」は、1993年の発売らしいです。

現在が2018年、「B級グルメのこれが美味しい!」を基準にすると、25年。
四半世紀で、B級グルメの定義が変わったといえますぞ!

Wikipediaによれば、B級グルメの名付け親は、フリーライターの田沢竜次さん。
この文藝春秋社のシリーズが第一次B級グルメといえそう。
2006年から町おこしで、今のB級グルメの定義に変化したみたいです。

へえ! へえ! へええ!!!
五大丼、天丼、うな丼、かつ丼、牛丼、親子丼、もはや贅沢メニューですよねー。
三大ライスもカレーライス以外は、「どこにあるかな?」な世界。
チキンライス、ハヤシライス、老舗洋食屋さんのイメージですね。
25年前は、B級グルメですよー。びっくりしますねー。

さて、「おいしいおはなし」の中には、向田邦子さんのお話「食らわんか」も載っていて、

こちら大昔に読み、その後、向田邦子のお料理読本にも紹介され、我が家の定番メニューになっているごま油の卵焼きも載っていまして、私は、ずっと作り続けているのですが、今回、「あれ?」がありました。
どうも、向田邦子さんは、焼くというよりも、揚げるに近く、作っていたっぽい。
あれ? ごま油、足らなかった?

スクランブルエッグを作る油をごま油にして、味付けは塩だけというレシピなのですが。
えっと、おいしいんですよ。簡単だし。

ただ、どうも油の量が違うっぽい。
支那鍋という言葉にも、深さを感じるし、「黄色くサラリと揚がるところもうれしくて」あたり、
ちょっと多めに揚げる感じで作るのかしら?という印象。

ああ、お料理読本はどこにやってしまったかしら?
もともとは、陶芸家の浅野陽氏の「酒呑みの迷い箸」という本にあったそうなので、
探してみましょうか?(さくっとアマゾンで取り寄せ中、便利な世の中デスネ)

さらに秋山ちえ子さんの「ねこ弁」も、沢村貞子さんの「私のお弁当」もよくて。
お弁当、イイ!!!

「ねこ弁」と「食らわんか」、「私のお弁当」に触発され、残り御飯で海苔弁当を作りました。ごま油の卵焼きつきで。
いや、始末する暮らし、忘れていた気がします。
形から入る私としては、小さいお弁当箱が欲しくなりました。古き良きわっぱ、蓋は赤がいいかなあ? 御飯は半号くらい入ったらいっぱいの幼稚園サイズ。海苔弁当しか作らない気もしますが(笑)。

ホラ、あなたも食べたくなる、なーる! 余った御飯を小分けにして、おかかと海苔を挟んで、お醤油垂らしてしばらく置いて。お腹が空いたら、召し上がれ。

 

 

 

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