映画10『アラジン』

キレイでした。

が、ディズニー・プリンセス、またもや、男女差別と戦います。

うむむ。アラビアンナイトの世界で、男女平等、声高に歌わなくてもよいんではないの?

今回の実写で、ジャスミンの吹き替え若返りました。遠くからですが、あー、交代かーと思っていましたが、『シュガーラッシュオンライン』で、一区切りでよかったかも知れないと思いました。

もはや新生ジャスミン。アメリカ、本当にどうかしてますよ。娯楽と政治、相性悪いぜ?

<再考>

2日経過し、自分なりの落としどころを見つけました。
私の引っ掛かりは……

「アラビアンナイトの世界に現代アメリカの闇を持ち込むな」

ディズニー実写版「アラジン」では、ジャスミンは大きな夢を持っています。

「夢をかなえる」「私は負けない」という強さ、前向きさは、
素晴らしいのですが、その夢の内容は、アラビアンナイトの世界観の中とは
まったく異質のものです。

たとえるならば、「陰徳」をよしとする世界に、
「自己主張しなきゃ!」的なポリシーを押し付けられるようなもの。
ベトナム戦争、イラク戦争から、アメリカは何も学んでいないのでしょうか?
水墨画をポストカラーで上書きするような乱暴さです。

大変影響力があるディズニー映画だからこそ、そこのリテラシーは守って欲しい。

アメリカが自由で、同権で平等であろうとするのは素晴らしい。
でも、インカ帝国の神々を焼いたスペイン人のように、文明、文化の破壊が、
今、繰り返されようとしています。

どの国でも、他国を取り上げる時は、色がついてしまうものですが、映画を集中して100本見た経験から、今、アメリカ映画は、すべてが危ういです。
国がグラグラしているのだと思います。

まあ、我が国は、なんでも運命の恋、宿命の恋になっちゃうジャパニーズドリーム、ジャパニーズロマンチズムに侵されていますから、どこにでもなんかあるんだけどさ!

ジャスミンがサルタンになりたがるなんて、おかしいから!
それは、アラビアンナイトの世界では、起こりえない!

女がトップに立つか、立たないか。

我が国では、皇室の継承問題もありますが。

そこは、非常にデリケートな問題ですよ。なんでもかんでも、「女だから出来ないと思わないで!」的なアメリカンリベラルに寄せるのは、どうなのでしょう?

大人向けならいい。でも、これ、子供むけじゃない?

今回、私が思いついた落としどころは、

ジャスミンは「国を救いたい」「なんとかしたい」と強く願っていて、そこに対して、サルタンである父親が国を託せばいいんじゃないかってこと。
それは、非常に消極的な伝承になり、「女性だってサルタンになれる!」な
実写版『アラジン』のメッセージからは、外れるかもしれませんが、
そういう段階を踏んでもいいのではないでしょうか?

「それは、私にサルタンになれということ?」
「そうだよ、ジャスミン」
「出来ない。それは、歴史が許さない。お父様、それはありえないでしょう?」
「ジャスミン、時代は変わる。お前が変えるんだ」

こういう展開ならば、「女だってサルタンになれるもん!」はギリギリ、アリかもしれません。なんで、すべてのプリンセスが「王子なんていらないもん!」「女にだって出来るもん」キャンペーンを張るのか、私にはわからない。
超無個性じゃん!!!

女性の権利が守られ、社会的な活躍の場が広がるのは、とっても嬉しいことです。だけど、次の段階に行くために、踏むべきステップがあり、尊重すべき、
伝統がある、文化があるってこと。

んな、同権、平等言うなら、血筋を否定しないさいよ!
たとえば、歌舞伎の御曹司システム、破壊出来るの?
血筋、家柄、そういうのも、差別じゃないの?

親から子に渡すもの、伝えるもの。伝承されていくもの。

シンデレラは、ガラスの靴をたたき割り、
ジャスミンは、サルタンになる夢を見る、ちょっとした悪夢だからね!

非常に繊細、豪華、丁寧に作られている実写版アラジンなのですが、仕込まれている政治的な洗脳が本当に危うくて。
うっかり、「ジャスミン、かっこいー!」とか言っちゃうの、ホント、危険。そこに、シンプルな爽快さを感じる人、もうちょっと背景を考えないと!
キャプテンマーベルが、「私に任せて」言うのとは違うからね。
かぐや姫がディズニープリンセスに加わったら、帝になりたがるかもしれない。
あ、そもそも、死なない人魚姫なんだっけ。そっか、そっか、そーだった!!!

<再再考>


違う、違う!!!

ジャスミンにサルタンになるヴィジョンを与えるのは、アラジンの役目だ!
そうしないと、成立しない。
「君がなればいい!」
「冗談でしょう? あなたは何もわかっていない」で、一度、決裂。
価値観の違いで、愛も危うくなる。
ジャスミンは、王女と下々の者との結婚なんて、やっぱり無理だったと考え、王族の義務を受け入れる決心をする。

(そういやさ、魔法でサルタンが悪役宰相、大臣だっけ?に移った後、
ジャスミンの身分だけ、高いまま、サルタンの娘である設定が残っているの、
おかしくない??? サルタンが身分剥奪されたら、娘も平民だよね???)

が、王族の義務で結婚しようとした別の国の王子、もしくは、悪役宰相の
本質、「この人には国も自分も任せられない」があり、

サルタンの前で、再び、アラジンが「君がしかいない。出来ないだろう?」があり、サルタンも「おお、それじゃ!」になって、「私、出来るかしら?」
「出来るよ。どんなことでも」的な盛り上がりがあって、
ジャスミン、国をもらいました物語が、おさまりがいい。

そしたら、サルタンも、「娘が迷った時に、光を与えられるのが、アラジン。さすがダイヤの原石」的な落としで、チャンチャン!ではないか。

章月アラジン、ジャスミン国継承の巻、出来ました! おしまい。

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2019年6月7日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃