音楽劇『銀河鉄道の夜2020』

1995年青山円形劇場初演、翌年、再演。
神奈川芸術劇場10周年記念のキックオフ作品として25年ぶりに再再演。

コレ、もしかしたら、見ているかもしれません。初演か、再演。
全然覚えていないんだけど。
白井晃さんだから、演出にも期待するし、わりと楽しみにしていたのですが、
なにも響かない!!! 驚くほど。
で、見ながら、「これ、青山円形が合う作品だよねえ」しか感じませんでした。

出演者に対しては、「若くてかわいいなあ」で。
ただ、最近、「青くて痛くて脆い」を見ているから、私の中で若さが飽和状態になりつつあり、うぉぉぉと叫び出したい気分なんですよね。
キャストさんたちは、ハマっていて。でも、さねよしいさ子さんには、
違和感があって。なんでかなーってずっと考えて、
「ああ、そうか、彼女が25歳若かったら、ピッタリなのか!」と気づいて、
申し訳ない気持ちになりました。そんなこと、言われたくないですよね。

でもねー、やっぱり、透明感が変わってきますから。
存在の透明感。
物語を牽引する歌が、主人公たちと同世代の今にも消えそうで消えない不思議な声ならば、もっと入っていけると思うのです。
でも、25年前と同じキャストにすると、単純に25年のキャリアが乘りますから、
その味わいと艶が重くて。タイプ的には年を取らない人だと思うのですが。

まあ、これは、私の個人的な勝手なイメージで。
宮沢賢治作品は、ラムネのように、青くて透き通ったイメージだから、
若くて、未熟で、いたいけなものが詰まっていて欲しくて、
初演+25年という年齢から生まれる説得力のようなもの、
生と死のどっちに揺らめいてもおかしくない世代と
ガッチリ生に根を張っている世代の違いというか、
同じ歌でも、違うように響くでしょ?

たぶん、初演か再演を見ていて、その時のなんともいえない壊れそうな感じが体に残っていて、今回は、「あれ、全然、壊れねえぞ、これ」という違和感として残り、でも、きっと演出の中で「あのころをもう一度」が勝ったのでしょう。
また、やりたいことも変わったのでしょうね。ここにも25年が流れていて。

今どきの言葉で言えば、どっちがエモいのか?
初演と同じキャストが歌うほうがエモいのかな??? 

何も受け取れないまま、でも、宮沢賢治さんのご命日だったと後から知り、
それは、このタイミングで見れてよかったなと思いました。

久しぶりに、カフェドゥラプレスにもよれてよかったです。

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2020年9月22日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃