占いコンテンツ

最近、思うことがあって。
私の仕事は、読み物としての占いや心理テストを
作ることで。もうすぐ27年目になるのですが。

占いにも、流行があって。
石井ゆかりさんの登場が転機で、
私は、その前の世代に属するので、
彼女が世界を席巻したころがとにかく大変でした。

石井さんの文章は、数回は真似できますが、
まあ、続きません。
時代が変わった感じがしましたね(遠い目)。

今、時代は、しいたけさんなわけですが、
石井ゆかりさんの後でよく出てきたなあと心から感服しております。

占いって流行があって、たとえば、血液型とか、
手相とかは、今、それほどでもないでしょう?
でも、また、流行ったりするんですよね。

「新しい占い」、「他社と違う切り口」
「売れるもの」「コンセプトに合ったもの」などを求められて、
どこまでこたえられているのかよくわからないですが、
やれる範囲でベストは尽くしているつもりです。

仕事をする上で大事なのは、リスペクトで。
占いも、心理テストも盗作されて、
盗む人の心理が本当にわからないんだけど。
でも、実際にあります。気楽に、書籍として発売されたりします。
しれっと持っていかれます。著作権なんて、それほど役に立たない。
だって、「訴えたら勝てるけれど、業界から干される」って言われましたよ。
弁理士さんに。

でも、この前、ananアワードの中で
松任谷由実さんのお話の中に答えがあって。

自分発のものは強い。
模範は、消えていく。

この言葉を持つまでに、どれほどの思いをされたのだろうと。

占いのコンテンツは、ゴーストライターさんによって
作られていることが多いのです。
協力者の名前をクレジットで出す方は、非常に良心的な方です。
どれほどの方が、陰で時間と命を削って書いていらっしゃることか。

私が、「占いを書く仕事はどうかと思う」って言うのは、
このゴーストライターのシステムが本当にひどいからです。

私も事務所でゴーストライターやっていましたが、
時代が違うんですよね。なんだかんだいって、バブルの終わりなので。
末端で、いろいろ抜かれまくっても、今の平均的なギャラくらいは
出ていたと思います。扱いがひどく、身分が低かっただけで。
それでも、暮らしていけませんでしたが。
(バブル終わりになにやっていたんだろうなあ。あほだな)

最近、東洋系の占いを勉強していて、
その流れで会報の占いを書くことになって。
もちろん、原稿料なんて出ませんよ。無償です。
だいたい、師匠の望むようになんて書けませんから、
引用で仕上げたら、魂がないと怒られ(笑)、
でも、書くための心得を聞くと、「いつの時代の占いだよ」って
正直、思ってしまうのです。

昔ながらのメソッド、うん、あった、あった、と。
私は、占い事務所では劣等生でしたからねー。
でも、当時、「うまい」「すごい」とホメられていた人たちは、
今は仕事にしてないんですよね。

続けること。
心をこめること。
自分発で考えること。

そして、ゴーストライターの身分に甘んじないこと。
ちゃんと自分の名前で書くこと。
だって、占いって、誰かの背中を押す力があるんですよ。
それを、もろもろ搾取され、しかも匿名でどうするの?

「占いライターさんが続かない」ってお嘆きの業者さんの話も聞きますが、

そりゃ、待遇のせいですよね。
ご自身でやってみたら、どんなにキツい仕事かわかるでしょうに。

ちょっとこのあたり、溜まっているんですよね。
また、気楽にゴーストのご依頼が来たりしますからねー。
やりませんよ。人の誉れのために。命は売りません。
で、そのご依頼の中に出てきた占い師さんが
さもご自身で書いているようにお話をなさっていて。

ま、いろいろな闇がありますね。まあ、どの世界にも。
では、自分が出来ることを頑張ります。

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2020年11月12日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃