映画66『復讐者たち』

今年のナチスモノの映画の大本命は、『アウシュヴィッツ・レポート』だと思います。予告の迫力がもう段違い!

でも、とりあえず、こちらも見ておきましょうで、見てきました。
(東京リベンジャーズになかなか行かれない)

前半パートは、テンポよいのですが、後半、「あれ?残虐チームじゃなかったっけ?」になります。

で、映画のシーンは、本当に解せない。
アメリカが日本の降伏で沸いたのはいい。でも、それを見て、なぜ笑うの?
微笑むの?

ホロスコートがテーマ、平和と復讐、人種差別と戦争についての作品でしょ?
時代背景としての日本の敗戦は構わない。でも、なぜに、笑顔なのだ?

そして、日本の鑑賞者たちは、なぜに、みんな揃って、そこをスルーなのだ?

「原子力爆弾があるからです!」みたいなアホなナレーションは、
時代を表していると思うからいい。
でも、どれほど悲惨な結果になったのか、人道的に問題があるのか、後年わかってきたでしょう? それとも、ユダヤ人虐殺はダメで、原爆はOKなの?
そういう映画なの?

あのシーンは、真顔でしょ?
笑顔じゃ意味が付きすぎるよ。

長崎の原爆0地点で、中国の観光客のグループが笑っていました。
それ見て、私が天安門に行って、どんな理由であれ、笑ったらどう思うのだ?と詰め寄りたくなりました。

本音はどこにあってもいい。それは、自由。

でも、死者へ、他国へ敬意を払おうぜ。

故意なのか、他意はないのか、わかんないけどさ。
よくないよ。意識が低すぎるよ。日本人もアホみたいに、「生き残ることが復讐だと思いました」とか小学生みたいな感想並べてるんじゃないよ。本当にもう!

ドイツは瓦礫、日本は焼野原。
「水を狙う」で、朝鮮人が井戸に毒を入れたデマ(蔑称、歴史的な感覚で使ってます)を思い出しました。日本人も、ずいぶんひどいことをしています。

戦後の混乱、憎しみと和解。先人たちが作ってきた平和への歩み、止めてはいけないでしょう。

傍観する罪、便乗する罪。

冒頭、ラストは、「ヤクザと家族」に似てました。似た時期、同じイメージの根源にアクセスしたのでしょうね。

追記。アメブロを書いて思い出しました。
「希望についての考察」は、ゾッとしました。
この映画、前半と後半のクオリティに差があり過ぎ。
前半の問題意識のまま、ラストまでイケたら、相当よかったんじゃないかな?
希望についての考察、傍観者の罪、便乗者の罪。3つも鋭い視点が入っているのに、「あれ?」ですよ。脚本家、変わった? 口出しされた???

2021年映画1.約束のネバーランド2.ジョゼと虎と魚たち3.ルーブル美術館の夜―ダ・ヴィンチ没後500年4.100日間のシンプルライフ5.さんかく窓の外は夜6.天国に違いない7.名も無き世界のエンドロール8.アート・オン・スクリーン/天才画家ダ・ヴィンチのすべて9.アート・オン・スクリーン/ピカソがピカソになるまで10.劇場版「名探偵コナン 緋色の弾丸」11.マーメイド・イン・パリ12.聖なる犯罪者13.天外者14.ライアー×ライアー15.ファーストラブ16.すばらしき世界17.あの頃。18.MISS ミス・フランスになりたい!19.あの子は貴族20.ラーヤと龍の王国 21.太陽は動かない22.花束みたいな恋をした23.ターコイズの空の下で24.ステージ・マザー25.藁にもすがる獣たち26.ヤクザと家族 The Family27.野球少女28.シティーコップ 余命30日?!のヒーロー29.ブレイブ-群青戦記-30.すくってごらん31.シン・エヴァンゲリオン劇場版32.ベイビーティース33.水を抱く女34.SLEEP マックス・リヒターからの招待状35.ノマドランド36.まともじゃないのは君も一緒37.ドリームランド38.アンモナイトの目覚め39.21ブリッジ40.SNS-少女たちの10日間-41.パーム・スプリングス42.ビーチ・バム まじめに不真面目43.砕け散るところを見せてあげる44.くれなずめ45.ジェントルメン46.ファーザー47.ブックセラーズ48.クルエラ49.5月の花嫁学校50.アメリカン・ユートピア51.トゥルーノース52.ベル・エポックでもう一度53.スーパーノヴァ54.グリード ファストファッション55.ザ・ファブル 殺さない殺し屋56.Mr.ノーバディ57.夏への扉-キミのいる未来へ-58.ブラック・ウィドウ59.竜とそばかすの姫60.ファイナル・プラン61.17歳の瞳に映る世界62.83歳のやさしいスパイ63.シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち64.プロミシング・ヤング・ウーマン65.東京自転車節66.復讐者たち

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2021年7月28日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃