映画27『モデル雅子を追う旅』

画家の樋上公実子さんのご案内で、知った映画です。
雅子さんは、ぼんやりと名前だけ知っている感じでした。だって、ホラ、おしゃれ過ぎてさ!

樋上さんのブログに何度もお名前が登場しているのを拝見しながら、「ふむ、別世界」くらい感じでいました。

でも、映画なら見に行かれるし!で、お知らせいただいてすぐに、初日のチケットを確保しました。見ると決めたら、初日です。

やっと、お名前と存在が合致しました。
『リング』は仕事で見たけれど、記憶にあるようなないような……。
でも、確かに異彩を放って美しい。
いくつかのCMは、一番憶えているのは、ごんぶと!
あとは、あまりTVを見ないので、ぼんやりとした記憶です。

1994年のananが、300円だったことに驚きました!
また、ホント、同じ雑誌とは思えないですよね。
で、1994年のananならば、私も書いてますね。ゴーストライターで。占いって形で、お目に留まったこともあるのかもしれません。

雑誌のいい時代、あの頃を思い出します。

雅子さんをリアルに知っている方には、ここに個人的な思い出が被ってくるのです。インタビューとお仕事の軌跡、そして、監督が旦那様だから、プライベートな映像で綴られます。

樋上さんが登場するのは、『メモリーズ・オブ・サマー』を見た時に予告で知っていましたが、もうお一人、知り合いもご出演なさっていて、驚きました。
春にお仕事でご一緒した方です。

そうかあ、仲良しだったのか―!!

雅子さんとお仕事が出来るのは、時代のトップにいたということ。うらやましい気もしますが、でも、反面、喪失感も大きいでしょう。
知らないほうがいいのか、知ったほうがいいのか。
まるでゴダールの謎かけですが。喪失の痛みか、虚無、退屈か。

公開初日だったので、大岡大介監督と竹中直人さんのトークイベントもついてきました。私、ほぼほぼお二人の前に座って映画を見ていたようです。きゃああ! 怖!

「雅子は、竹中さんのことをタケチュウと呼んでいて」
「それは、僕の昔からのアダナです。でも、そうか、そう呼ばれていたのか」

旦那さんを前にして、何も話せないと繰り返す竹中さん。
うん、気持ちはわかるなー。言えない、言えない。でも、聞いてみたい気はしますが。
聞いてみたいけれど、聞いたら聞いたことで満足して忘れちゃうから、大事な思い出は竹中さんの胸の内、また、思い出を共有出来る方と話すのがよいですよね。
甘く切ない思い出で、不思議な夜を過ごされたのではないでしょうか。竹中さんも。日傘のエピソードもカワイイですよね。くう、女子力高いなあ。
(旦那様である監督がプライベートなお出掛けで、雅子さんが絵になるなあと思い、ガラケーで撮影したら、「やだ」的なことを言って、日傘で自分を隠したと。また、この話を聞いた時の竹中直人さんがかわいんですよ!)

最後に、「監督が雅子さんを好きなのはわかったけれど、なんで雅子さんは監督だったんですか?」と監督の大学時代のお友達からの質問が飛びまして。
私、これ、聞いたのに答え抜けちゃって。
でも、「最後はのろけかよ?」って笑ったし、こんなやさしくて面白いすっとぼけたお友達がいるなら、監督は大丈夫だ!」って思いました。

映画という名の偲ぶ会なんですよ。
きっとね、映画として切り取られたからこそ、映画にならなかった思い出が強く残るのでしょう。そういうことってありますよね?

いくつか心に残っている言葉があるのですが。
「雅子と会うと、人に優しくなれるの」
いいですよねえ。そんな生き方。

「50歳がピークで、そんな人はいない。その後の10年を見たかった」
そうか、50代を楽しむぞ。気楽に日に焼けているけど。

これは、リアルに雅子さんをご存知の方には、怖い映画だと思います。

だってあの頃が戻ってきちゃうもの。
私も大好きな恩人がいて、見送っていますが。
「映像が出てきたのよ、見る?」って言われて、行かれるかな???
どうかな?
行くけれど、引き伸ばしそう。見たくないわけじゃなくて。見ないで、済まされないんだけど。

ちょっと泣いて、優しい気持ちになって。
何かをもらって。

ラブレターなのですが、湿り気はありません。

あ、あと、エンディングロールの後も出ないでねって、竹中直人さんが。
最後まで見て帰ってくれたら、嬉しいと大岡監督が。
一週間完売。延長上映がかかっています。まずは、アップリンク吉祥寺です。


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2019年7月27日 | カテゴリー : 日々のこと | 投稿者 : 章月綾乃