泉鏡花と横山大観、ガレット締め

 

先程は、そっけない記事で失礼しました! なにしろ、忙しい一日で!

きょうは、横浜から池袋の先まで大移動デーでした。

が、初手から人身事故で、ダイヤが乱れました!
16時に椎名町に行かないと行けないから、時間ないんですが!

港の見える丘公園

まず、近代文学館へ。
泉鏡花展を開催中です。
近代文学館さんは、24年ぶり。昔、昔、戯曲の授賞式で、伺った以来です。しかし、建物の印象がまるでありません。こんな感じでしたっけ?

やはり、美しいですね。泉鏡花の文章は! 谷文晁の絵がいくつかあり、非常に実用性が高い画家さんなのだと再認識しました。

泉鏡花さんには、少しだけご縁があります。金沢の泉鏡花記念館さん、ゆかりの宿のまつさきさんに伺ったこともあります。いつか夜叉ケ池も、行ってみたいです。

それから、ベーリック・ホールやエリス館をのぞき、うっかり満足してしまい、本当に行きたかった横浜111館を忘れて、移動しちゃいました。スパニッシュ風の洋館、ずっと憧れているのですが。気持ちが焦りすぎて、「ベーリック・ホール、よし、次!」みたいな気分になっちゃって。
「あれ、カフェがない」は思ったんですけれどねー。ダメですねえ。

みなとみらい線でみなとみらいへ向かいまして、実質30分しかなかったんですが、見逃すよりマシと考え、横浜美術館美術にも寄りました。横山大観展を、駆け抜けました。

見たうちには入らないけど、でも、見ないよりはいいですかね?
当然、混んでいます。混んでいるから、二列目以降をざくざくのぞいて、ざくざく進みます。
もったいないけど、時間がないときには、かえって混雑がちょうどよかったかもしれません。

本日の一枚は、鹿と紅葉の一枚かな? あの色使い、クレイジー!
「浪」も、印象に残りました。
ものすごいボリュームでしたが、ただ、「おお、コレはスゴイ」は、なかったかもしれません。あ、私アンテナですよ。もちろん。他の美術展で見かけると、「さすが大家、別格!」ってよく思うんですが。急いでいたせいかなー? でも、急いでいたって、響く絵は響きますからねえ。ねえ?

会場限定の日本酒を友人の芝居の差し入れに買いました。ま、正直、お酒を買いに行ったようなもんです。たまたま、あったから、買ったのですけれど。
常設展を見る余裕もありませんでした。横浜美術館の常設展、レベル高いのですけれど、もう今回は仕方ないですねえ。

12時に横浜、みなとみらい14時53分発で、16時に椎名町、なんとか間に合いました。
旧友と旧友の芝居を観に行きまして。

帰りに、目白のガレット屋さんで、クレープを食べました。

おいしー!

クレープ

長い、長い一日。なんとか終了です! 本日も、おつきあい、ありがとうございました!

 

 

グルグル

昨日は、予想外に盛りだくさんになってしまいました。
まあ、私の行動は「思いつき」に、「ついで」で、どんどん乗っていくのが
パターンなのですが。
たまに、「日記を読むだけで、目が回る」って言われます。
申し訳ありません。先にあやまっておきます。
きょうも、目が回ります! グルグル、確実です!

さて、いろいろあったのですが、やはり心が動いたものから行きます!

観世能楽堂で、久しぶりにお能を見まして。
先週の金曜、宝生能楽堂デビューしようとしたら、いきなり眠れる石が動き、
点滴&座薬騒ぎになったのですが、昨日は大丈夫でした!

私、別に能楽がわかるわけではないのです。
「なんて言っているのかなあ?」と思いながら、ぼんやり見所に座っております。
ただ、昔から「能を見る人」になりたかったんですよね。
だから、形から入っているのです。で、ずっと初心者です。

ああ、長ったらしい!!!

要は、能を語れる資格はないけれど、でも、語らせてくれ!なのです。

ちょっと、きょうは、もえました!
大鼓の亀井広忠さんに、やられました。

「ああ、好きだな」

単純に、そう思いました。

「うん、好きだ」
「好きかもしれない」
「いいような気がする」
「いいんじゃないかな?」
「やっぱり、好きだな」

で、カンのいい方には、バレバレですが、私はマニアにハマっちゃうんですね。
むきになるっていうんですかねえ?
「イイ!」って思うと、そればっかになってしまうのですね。

帰りの電車の中で、検索かけまくりました。
ふむふむ、お父様は、人間国宝。ふむ。
んん? 亀井広忠 結婚!
そうかー、結婚しているのかー! そーか!

んなこと、全然関係ないし、どうでもいいのに、ちょっとショックを受けたりして。
アレです、男性がキレイなお姉さんを見て、「ミセスか」で、ちょっとガッカリと一緒です。
意味はありません。

で、「追いかけてみる?」も浮かぶわけです。マニア気質ですから!

でも、これは、あっけなく、頓挫しました。
だって、年内にディナーショーみたいなのがあるんですよ!
いきなり、24,000円とかないから!!!
「好きかも?」くらいで、それ、暴走しすぎだから!!!
というか、短時間で、調べ過ぎだから!!!

でも、よかったですよ。
野生の雄叫びのようで。
これまでとは違う感じで、能世界に入れました。
こういう切り口が大事なんですよね。
ひとつ、きっかけがみつかると、そこから、ほぐれていくというか。
ああ、死ぬまでに、「お能はね」って語れるようになるでしょうか???

はてさて……。
昨日のハイライトは、書ききったので、順を追って参りましょう。
ぜひ、目を回してください。

1.職人さんのお迎え
絶賛リフォーム中なので、職人さんがいらっしゃいます。
きょうは、梅こぶ茶をお出して、「じゃ、行ってきます」しました。
カギを預けて、お出かけです。

2.通院
喘息の定期検診です。問題なし。ただ、結石は、要注意です。
非常に混雑していて、くたくたになりました。

移動中、「これはいけない」と思いまして。
「今週は、睡眠不足。午後の用事が終わったら、お能を2本捨てて、
ホテルデイユースで仮眠とる?」とか考えておりました。

3.山種美術館「速水御舟」展
足を運んでわかりました。私は、『春の宵』に会いにいったみたいです。
九段にあったころに一度見て、ずっと残っていて。
で、なぜか、絵を見たら、元気になりましたよ!!!
すごい、速水御舟の調整力!  びっくりしました。

「あれ? 元気になったぞ?」で、自由ヶ丘へ移動です。

4.アーユル・ヴェーダのプチ講座
自由ヶ丘の自然派コスメのお店F&Fで、ワンコイン講座がありました。
クリニックに通っているんだから、行かなくてもよさそうなものですが、
気になったので、うかがいました。
500円で、1時間、面白かったです。
入門書は読んでいるので、その補習授業みたいな感じになりました。
10月は、もう少し実践的になるようで、1500円になるそうです。

5.初対面のライフカウンセラーさんとカフェへ
なぜか、このプチ講座、参加者が2人だけだったのです。
申し込まれている方はほかにもいらしたのに、欠席されたんですよ。
で、もう一人の方と雑談していたら、名刺交換をすることになり、
「じゃあ、お茶しますか」で、いろいろお話させていただきました。

米国占星学協会永久会員、英国占星学協会会員なんですって。
おー!!!
最近、占い師さんとの遭遇率が異常に高いんですよ。
なんでしょうかねえ? コレ?
いろいろな形のお仕事の仕方があるんだなあと勉強中です。

で、まだ、行きますよ。だって、お能、出てきてないでしょ???

6.研究会能組「枕童子」
観能のしおりによると、重陽の節句の始まりとなったお話だそうです。
これ、屋根の部分から素材が落ちてしまって、非常にハラハラしました。
なにもないはずの場所に、ワラっぽいものが落ちていて、
何かの拍子で事故につながる可能性もあります。
しかし、さすがというかなんというか、そのうちに自然に、
すみっこに追いやられていきました。
華やかで、楽しかったです。

昨日は、三本立てだったのですが、体力と集中力が不安だったので、
ひとつパスして、外に出ました。
番組は、「籠太鼓」。見たことがなかったので、見たかったのですが。

7.ザ・ミュージアム「レオナール・フジタ」展
レオナール・フジタを能で挟む人は、そうそういないでしょう!
そんなに、フジタ、好きじゃないんですよ。
でも、楽しかったです!
キスリングとか、ルソーとか、参考作品もよかったです。
もっと、年を取ると、もっとわかってくるかもしれません。

8.研究会能組「善界」
亀井広忠氏との出会いです。
面白かったです。

で、帰りにカレーを食べにいきまして、
仲良しの編集さんがよく行かれるので、
「きょうは、いらっしゃらないですよね?」ってメールをしたら、
「夕飯は食べちゃったけど、行きます!」となり……。

9.編集さんとのお茶

で、おしまい。
朝4時起きで活動しているのに、なぜかまだ、元気なんです!
もう丑三つ時ですよ? 寝なさいよ、ねえ?

アメログにも書いたのですけれど、速水御舟作品の
調整力はすごいです。
ただ、眺めているだけなのに、穏やかな心持が伝わってきて、
焦りや不安のようなものが全部消えました。
だから、きっと、元気になったのだと思うのです。
そして、フジタ展では、こだわることで生まれる強さが
入ってきて、そして、能で、根源的なパワーみたいなもので
仕上げられた感じでしょうか?
「善界」の天狗さんの力、いただいちゃったかなあ?

グルグルな一日は、仲秋の満月の夜へと続いていくのです。
はあ、ブログじゃなくて、原稿書かないと!
では、きょうも、よい一日をお過ごしくださいませ。
 

 

お伊勢参りとオディロン・ルドン~夢の起源~

締切明けの章月、どこへ行くかと思えば、神社文化会の公開講演会です。
なんてマジメなんでしょう!!! 誰も言ってくれないので、自分で
自分に言っております。

テーマは、「お伊勢さまと神道文化」。

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あ、でも、その前に、河鍋暁齋展も再訪しました。
三井記念美術館で、16日までなのです。
時間はなかったのですが、イヤホンガイドを借りました。
説明が入ることで、鑑賞のカンドコロがわかって、
非常に楽しかったです。いつか記念館にも行ってみたいです。

地下鉄とタクシーを飛ばして、國學院大学へ。
いよいよ、お伊勢さまです。

前半は、奈良大学名誉教授の鎌田道隆氏による講演でした。
「江戸のお伊勢参りと旅文化」

俗に「おかげまいり」といいますが、宝永二年、1705年のおかげまいりは、
ちょっと不思議な現象といえるかもしれません。
ということを、鎌田先生のお話で気づきました。

先生のお言葉をそのまま借りれば、「茶摘みをしていた人が、『私も行こう』と
茶摘みを投げ出して、伊勢を目指す」みたいな状況だそうです。
「子守しながら、ご飯を作っている主婦が火をかけたまま、『伊勢に行きたい』で
着の身着のまま出かけちゃって。旦那が『あいつ、財布も持たないで』で、
追いかけていく」そんな図だったとおっしゃいます。

そんなことが成立するのは、伊勢への参道において、
御接待の精神が息づいているからだと。
もてなす心。受け入れる器があったそうです。
同時に、物流でもあり……。

江戸時代は、下級層の人々の家出が多かったらしいですが、その理由に
「伊勢に行きたい」があって、仮に、仕事を放りだして伊勢に行っても、
それは、信心から起っていることだから、怒れないそうです。

まあ、それは、わかる気もします。
わかりにくいのは、「もてなす人々」でしょうか?

四国のお遍路さんのお接待が連想されますが、でも、実体験がないため、
いまひとつ、ピンときません。
鎌田先生は、25年、生徒さんと一緒に伊勢街道を歩かれたそうです。
初期のころ、助けてくださり、そのまま、街道の立ちより場所として
恒例化した一般家庭が、高齢化により、「もうお手伝いできません」と
お断りになったりするそうです。
現代の伊勢参りをする側としては、「せめてトイレだけでも」とお願いしても、
「きちんとしたおもてなしができないから、お断りする」んだそうです。
ここで、時間切れで話が終わってしまったため、それ以上はわからないのですが、
ちょっと面白い話ですよね。
もてなす側の心意気。接待の精神。

後半は、『皇室』の編集長・伊豆野誠氏による『遷宮のツボ』でした。
ざっくり言えば、伊勢のご遷宮についての解説なんですが、
お話の仕方が、「ダテや酔狂で、『皇室』の編集長じゃないなあ」と
いう感じでした。
いや、タダモノじゃないですよ!!!

導入は、神社検定弐級の伊勢ご遷宮の問題からの抜粋です。
「とりあえず、やってみてください」

わかるわけないです。
一般にいらない知識だから!!!

でも、そこで、聴講者に「考えさせる」ことで、聴く姿勢を作ってしまうわけですよ。
勉強していないとわからないことばかりなので、
たとえば、「伊勢ご遷宮における山口祭の『物忌』と呼ばれる童男、童女に関して、
間違っているのはどれ?」みたいなところからくるんですよ。
まず、「山口祭って?」です。
で、「童男、童女は、子供だってことはわかるけど……」で、常識的には終わります。

ちなみに選択肢は、こちら。
1.神様に仕えるために心身を正常に保った童男・童女のことである
2.古より神官の重要な祭儀に奉仕してきた
3.古より旧神領地から1年前に選ばれ、1年間、精進潔斎をして祭りに臨む
4.童男は紫草花模様の「半尻」と呼ばれる装束を、童女は「衵」と呼ばれる装束を着けている

わかるわけないですよねえ? あ、ちなみに正解は、3だそうです。間違っているのは、3ね!

で、「山口祭」とは、「童男」とは……と、説明してくださるのですが。
いやいやいや、説明されても、覚えられないですよぉ。
それに、神職になってご奉仕するなら、絶対に必要な知識ですが、そんなことまで
一般に求めてどうなるのでしょうか??
いや、逆に、マニアック過ぎて知りたくなるのも人情ですが(笑)。

ちなみに、全然知識がない私は、当てられませんでした。
なぜって、島根の美保神社の青柴垣神事の依り代さんたちのことを思い出してしまったせいです。
美保神社は、一年、潔斎するんですよね。
過去にご神事を見学したことがあるのですが、お二人いらした依り代の方のひとりが
完全に違う次元に行かれてしまって……。
素直に、すごいと思いました。
その後、ちょろっと調べた感じだと、毎年、1人は神がかりになるそうです。
ご神事って、本当にすごいと思いました。

あれ、話がズレちゃいましたね。

遷宮のプロセスをスライドで見せてくださるのですが、これがもう
素晴らしいのですよ。神宮の杜の美しさ、清らかさ、そして、
祀りつづける人々の思いが、写真から伝わってきます。
木を育てる人、選ぶ人、運ぶ人、それを、お社にする人、
神様にお移りいただく役目の人、本当にたくさんの人がいないと、
ご遷宮は成り立たないのです。

でも、今、伊勢はものすごーく混んでいるらしいので。
私は来年でいいかなって思っております。
ご縁があれば、うかがうかもしれませんが。
静かなお参りがしたいです。

おもいのほか、早く終わったので、新宿に出ることにしました。
目的は、損保ジャパン東郷清児美術館です。

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来週23日まで、「オディロン・ルドン~夢の起源~」がかかっております。
昨年、三菱一号美術館でもルドン展をやっていましたし、
基本的に、国内のルドン展は、岐阜県美術館なしには成り立たないと聞きますので、
どんなものかなーって思いつつ、うかがいました。

黒の時代の作品は、重複もあるのですが、美術館が違うと見え方も違います。
さらに、ボルドー美術館からの借り入れ作品が、素敵で。

「モルガの海」、そして、絶筆になったといわれる「聖母」にうっとりです。
ルドンには、弱くて。
昔から、それと意識せず、好きな絵のポストカードを買って、それがルドンだったりしていました。

理由はよくわからないし、黒の時代の大半は苦手なのに、でも、好きなものは
バカみたいに好きなんです。
「悲嘆」、「セイレーン」など、もうゾクゾクします。

いつか岐阜県美術館で、所蔵品展を拝見したいです。
そして、願わくば、ボルドーへ!!!
「モルガの海」も、「聖母」も、ボルドー美術館の作品でした。
この先いつかまた、会うことが出来るのでしょうか???
ルドンが一面にダーッと並ぶ展示法、なんともシンプルで、壮観でした。
23日までにもう一度行かれるといいのですが……。どうかしら? 難しいかもしれませんね。
ご興味のある方はぜひ!

相変わらず、知恵熱ライフ、続行中でございます。