「大妖怪展ー鬼と妖怪そしてゲゲゲ」

三井記念美術館に行ってきました。

日本画アンテナ、妖怪アンテナ、共になかったのですが、
どうも最近は、「母国を知るのだ!」スイッチが入っているらしく、
ちょっと頑張るかって思っています。

何を頑張るのか、よくわからないのですけれど。

この夏は、妖怪さん大人気で、
日本橋の三井記念美術館、
横須賀の横須賀美術館、
横浜のそごう美術館で、それぞれ企画展がございます。

「一日で回るぞ!」と心に決めて、もうプランは練っているのですが、
そのタイミングだと、三井記念美術館が後期展示になってしまうので、
まずは、前期展示をのぞいて参りました。

しかし、年パスを持ちすぎるのは問題で(笑)。
「妖怪を見る」と頭ではわかっているのに、
「日比谷で降りて歩こう」と目的地が三菱一号館美術館に
設定されていたりしました。違うから!
途中で気づき、ちゃんと日本橋へ行かれました。

初見の本日、私の心をわしづかみにしたのは、
広重の「名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火」」です。
こうやって、きちんと見るのは初めてです。
つくづく、美しいですね。前期のみ、8/4までの展示です。

王子の装束稲荷神社さんは、私の行きつけの神社のひとつです。
王子に雅楽の専門店がありまして、たまに用事が出来るのですが、
何度も足を運んでいるのに、道に迷うのですよ。
あるとき、「あれ?」と気づいて。
装束稲荷さんにご挨拶しないと、迷うのです。やーん。

それ以来、必ず、ご挨拶をしております。
で、こちらの狛犬ならぬ狛狐さんが美しいんです。
美人狐といいますか。すらっとしたシルエットなんですよ。
広重の絵にある狐さんたちは、やはりすらり美人狐ですね。
いつか大晦日のお祭りも見学したいなあと思っていますが、
なかなかよい機会が巡って参りません。

もう一枚は、歌麿の「化け物の夢」。
構図が可愛い。悪態ついている妖怪たちも可愛い。大好き!

で、「いかにも、三井記念美術館だ!」と思ったのは、展示室4の
能面、狂言面、雅楽面です。
意外に通っているので、見覚えのある面(オモテ)もあるのですが、
こうして並ぶと、気持ちいいですね。
説明すっとばして、面だけ眺めて、また、最初に戻って絵巻なども
見て回りました。

面のくりぬかれた目の中をのぞく私がいて、面の向こうには壁が
見えるのですが、あるいは、のぞいているつもりがのぞかれていて。
面をつけることなど、この先の人生になさそうですが、
蛇(じゃ)の面をつけたら、やはり心も蛇になり、山姥ならば、
山姥になる……、そういうことはいかにもありそうです。

大妖怪展、人間の心の不思議、想像力の豊かさにうなります。
帰りに、図録と鬼の関連本、そして、すごろくを買って帰ってきました。

すごろく、江戸時代の妖怪すごろく復刻版で、キャッチコピーがいいんです。
「サイコロを振って異界に急ごう!」

えっと、問答無用で異界には行くのですね。行かない選択肢はないんですね。
こちらは、420円。ちょっとかわいいですんですよ!

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