『星ノ数ホド』反芻中

わずか1時間半のお芝居です。

この短さは、今の時代のテンポに合っている気がします。
そもそも、演劇は凝縮であって欲しいですし。
見ていて体がラク、単純に、それが嬉しいのです。

で、見終わって、帰宅して、仕事をして、少し寝て。
時間差で余韻が来ました。

コレ、脚本がいいです。
最初の数分は、「この話、どこへ行くのだろう?」と思いますが、
切り取られ、積み重ねられたシーンがすべて、キレイにひとつに
まとまっていきます。

『ご臨終』も、うまいなーって思う仕掛けがあるのですが、
すべてのシーンが絶対必要かと言われるとそうでもないので、
やはり、『星ノ数ホド』のほうが、心に残ります。

そして、非常に繊細で、凝っているから難しい。
この難しさをよくクリアして、成立していると感心します。
ここ、感動ではなく、感心なのは、さっきも書いたのですが、
2人のつながりが不明確に感じるからです。
それぞれの人物としては、くっきり立ち上がっているのですが、
関係性がまだ、育ってないように見えます。

まだ、恋をしていない。
まだ、愛していない。

なんかうまくいえないのですが、そんな感じ。

でも、だから、逆に見やすいっていうのもありますね。
ベッタリしちゃうから。

これは、もし、再演があったら、見たいです。
ただ、まあ、寝ちゃう人がいるのもわかります。
昨日は、後ろのほうで、ずっといびきが聞こえてきていて、
あららって思っていたのですが、それも無理のないところがあって。
途中で目覚めたら、何が起こっているのかわからないでしょうし、
あとから、「よかったよ」って聞かされたり、読んだりして、
「え? そうなの? 寝ちゃったよ……」が想像がつくので、
ちょっと面白いです。

鈴木杏さんが履いていたくつがかわいいんですよねえ。
アレ、どこのだろう???
衣装のかろやかさが、脚本に合っていて。ただ、ちょっと
大学で教えている人には見えないなあって思っていました。
もっと、簡単に替えのきく仕事をしている人に見えちゃうなーと。

脚本、手に入るみたいですから、読んでみようかなーって思っています。
再演したら、きっと見に行きます。

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