ランス美術館展へ

ランス美術館へ。

期待したほどではなく、そのくせ、普段あまり興味のない画家が響きました。前半が特によそよそしい作品が多く、居心地が悪くて。

響いたひとりは、ゴーギャン。

ポスターにもなっている一枚ですが、ポスターだとさっぱり響かないのに本物には、足が止まります。

なんだろう、この独特の透明感。セルロイドの花のような懐かしさ。

ランス美術館展

ゴーギャン、初めてよいと思いました。

もう一人は、レオナール・フジタ。木炭画、画家の思いがダイレクトに伝わり、いいですね。フジタの白はないけれど、木炭画、いい。下絵だから、消したり描いたりの痕跡も素敵です。また、《好色》の女性の胸が、「あー、男性の気持ちがわかるなあ」で、よかったです。イイネ、おっぱいおっぱい!みたいな感じ(笑)。

画家で好き嫌いせず、作品で見るべきなんだなあと意識が変わりました。わりと好きなコローとか、退屈だったし。

鑑賞タイミングのこちらのコンディションもありますが、面白いですね!

大エルミタージュ展&ミュシャ展へ

六本木ヒルズ

大エルミタージュ展に行きました。呆れるほど、客層が悪くイライラしました。監視の人がインカムで「ヤバイ人がいます(意訳)」申し送りをしていて、んなの、はじめて見たよ~と思いました。

奥様たちは、小鳥のようにさえずり続け、定年後フェミニズムに目覚めたらしい旦那様は自分の妻のことしか見えてなく、係員預かれよなカートつきの鑑賞とか、もうカオスでした。

極めつけは、資料映像コーナーで前後左右がご歓談中でございます。

「お口にチャック!」と言いたくなりましたが、人生の大先輩だらけでしたから、ぐっと我慢しました。

それから、大黒屋経由で、新国立美術館へ。前売り券ないと、チケット買うだけで大変と聞き、本当に買ってよかったです。途中、神社に出たりしました。

神社

ミュシャのスラブ叙事詩は、

1、音声ガイドなしで

2、音声ガイドのみで

3、音声ガイドつきで、

3段階にわけて真剣に鑑賞しました。感動が大きかったのは、1です。情報を得た後だと、「ふむふむ」で終わってしまいます。

情報なしだと、熱狂と狂信、疑いや諦めが伝わってきます。あのミュシャが!

情報がつくと、挿し絵的ニュアンスになり、私の中で価値が下がりました。そういうこと、ありますよね。

ムハ

草間さんは、最終日で大行列でした。しかし、私は、用事はありません。

買ったのは、大エルミタージュ展の図録。オールドマスター、大好き。

ニコラ・ランクレの《夏》がすごいんですよ、さりげなく、精霊が描かれています。うっとりしました。あと、「おっ」と思ったら、レンブラントでした。むふふ。

ひさしぶりに図録、買いました。

「農民の踊り」

バベルの塔のブリューゲルは、農民の生活を描く画家でもあり、
作風は、もったりしていて私は、それほど好きではありません。
嫌いじゃないけれど、どうでもいい……みたいな?

でも、昨日、ふとした瞬間に死んだ友達の言葉が浮かんで、
それが、「農民の踊り」で、ブリューゲルさん、ありがとうと思いました。

細かい事は忘れてしまったのですが、高校時代、外の光が強すぎて、
暗く見える教室で、死んだ友達のかんちゃんが、
「農民の踊り」と言い出して、そういうのがいいんだよ的に
だらだら話して、それがなんだか幸せで、楽しくて、いい思い出で、
昨日まで忘れていたのでした。

もし、かんちゃんが生きていたら、「ブリューゲルの農民は踊るね」と
メールなり、LINEなりしたと思うのです。

たくさんの異形のものが詰め込まれた版画は、
「うむ、異文化の地獄だ」という感じで、面白いとは思うけれど、
反芻はしないなあと考え、図録を買うのはやめました。
図書館に行って、ブリューゲルで探せば、いろいろ見えると思うしね。

アメブロにも書いたのですが、ネーデルランドの宗教観は、重くて重くて。
木製の法王とか、聖人とか、権威が先にきちゃって、怖くて怖くて。
ぼんやりと「遠いエルサレムの地で起きた物語をここまで遵守出来るのはすごいなあ」と
感心しちゃいました。
時代が時代なら、狩られますね。間違いなく。
あるいは、狩られたから、こういう感想なのでしょうか?

聖と俗、バランスが非常に難しく、自分の中での節制はありでも、
人への強要、戒めのように働くと、非常に怖いと、なんだかそっちに気持ちが動く展示でした。

個人の感想ですよ? もちろん。

「バベルの塔」展は、混んでいて(でも、比較的空いている日だと思いますが)、
フラストレーションが感動よりも勝ってしまうというダメパターンですが、
それでも、いろいろ感じられて、よかったです。

「バベルの塔」展へ

いやいや、とんでもないですわ。

バベルの塔

無理ですわ。

絵のサイズと人の多さがあまりにも、アンバランス!

無理、無理、無理。

 

でも、特別映像はわくわくします。

ギャラリースコープも、ちょっとあの混雑だとわからないなあ。

バベル二世は、住んでませんでした。脳内超能力少年~♪になっちゃうのは、仕方ないの。ロデオは、地を駆けるの。

買ってしまいました!

とうとう買ってしまいました!

前から欲しいような、いらないような~。踏み越えてはいけない一線のような~で、でも、フラフラと吸い込まれました。ビッグカメラに。

売り子のお姉さんを捕まえて「何階にあるか、わかりますか?」と聞いてみたら、そばにいた別の売り子さんも声を合わせて、「地下一階です。カメラと一緒ですよ」と答えてくださり、「わあ、ハモった! ありがとうございます」で、売り場に向かいました。

買ってしまったのは、こちら。

アートスコープ

アートスコープH4×12です。

アートスコープ、つまり、単眼鏡は、美術鑑賞のお供です。前からあるといいかも、でも、いらないかもな~、本気出し過ぎな気もするしで、ためらっていましたが、時は満ちたみたいです。

買った後で知ったのは、アイレリーフという基準が大事なこと。眼鏡をかけていると、アイレリーフ15㎜以上じゃないと焦点が合いにくいんですって。

こちらは、去年出たばかりで、バッチリ15㎜。6倍のものが2000円ちょい高いのですが、そこまで、倍率あげなくてもいいかな? ついでに、観劇用の双眼鏡も欲しくなりましたが、昔持っていたグッドデザイン賞のスライド式を越えるデザインがなく、諦めました。もう左右のピントが合わなくなっているから使えないんですが、本当は直してでも使い続けたいです。20、いや、30年近く前の品だから、修理はさすがに無理ですよね。4倍の単眼鏡があれば、多少は代用が効くのかしら? 片目だけ単眼鏡で客席にいるなんて、変かしら?

アートスコープH4×12のデビューは、東京都美術館、ブリューゲルのバベルの塔の予定です。昨日は、単眼鏡を手に入れて燃えつきました(笑)。

銀座線の一日。

さくら

本日は、銀座線の一日。

西宮在住の友人に、「おいしいものを食べたい」とリクエストされ、「なら、パフェは?」と提案したら、「行きたい」となりました。「浅草だけどいい?」「いいよ」

ふと気になり、「お嬢様のリクエストは?」と聞いたら、「ジャニーズショップに行きたい」とのこと。梅田にあるんでは? まあ、いいか。

「じゃあ、原宿スタートね」

パフェが、パンケーキになる覚悟をしました(笑)。

ジャニーズショップは、3分で勇退。別の友人のために写真を買ってあげようかと思いましたが、身動きが取れません(笑)。アウェイ感満載。諦めて、ひとりカフェで待機。呆れるくらい、カフェのレジが進まず、原宿の時間感覚にびっくりしました。

竹下通り~裏原宿。由緒正しく、クレープを食べました。

浅草に移動。お嬢様、バテバテで、「肉は食べたいけど、並べない。パフェはいらない」と言い出します。なら、浅草まで来なくて良かったじゃん。

お茶をしてから、ステーキハウスのぶへ。少し元気が出たらしたいので、「凶を引く覚悟」で浅草寺へ、なんとお嬢様、大吉でした。あ、私は、媽祖様に叱られてから、ひきません(笑)。

浅草神社にご挨拶もしました。

疲れた、満腹、もう無理という友人親子に「私はなかなか来られないから、ひとりでもゴトーさんに行く」と宣言したら、ついてきて、「来て良かった」と言われました。必死に場所を覚えていましたよ。ふふふ。

ゴトー

雷門の前の観光センター、トイレもあり、公共性が高く、役立ちます。8階からの眺めはこちら。

仲見世

仲見世を一望。

スカイツリー

友人親子と別れ、夜間公開の美術館へ。

上野、東京都美術館『テッツアーノとヴェネツィア派展』。

《ダナエ》の恍惚、満たされた幸せにやられました。降り注ぐ金色の雨、慈愛の雨、官能の雨、金貨の音、きらめきとゆるんでいく体。

国立西洋美術館『シャセリオー展』、モダン、うまい。参考作品のルノアールが伝わらなさすぎて、笑いました。面白い!

一枚もらえるなら、《サッフォー》を。

常設+スケーエン展。《バラ》、美しい。こちらには、生活が描かれています。

しかし、ジャニーズショップスタートの3つも美術展ハシゴは、きつかたったです。バッテリーも、体力も品切。でも、楽しかったです。

テッツアーノに、ゴトーさん、やっとやっと、行かれました。

クラーナハ展、再び

クラナッハ

最終日、再訪しました。

打ち合わせにかこつけて。

で、わかったこと。ヴィーナスとルクレティア、イブくらいで、いいみたい。そのあたりを見て、満足しました。

他は、さらっと。ほどよく、忘れておりました。

混んでいましたが、さほどでもなく。会期前半のデトロイト展くらい。クラナッハ展、マイナーなんだなあと妙に納得しましたよ。

みやび

最近、コーヒーがキツくて(笑)。チャイとミートパイで、打ち合わせに備えました。

いま、毎日ノルマが30枚。キリキリやってます。30枚ライフも、4日目。がんばりますよ。

デトロイト美術館展

友人絶賛の美術館展。頑張って行きましたが、「うーん」でした。ハードル上げすぎました(笑)。

なにしろ、混んでいます! テレビでやった後ではないでしょうか?

「お友達と来たの。印象派? 大好きよ」なマダムが佃煮みたいにいらっしゃいました。あと、ハンチングにスニーカーの紳士たちも。

作品は、粒ぞろいです。ルノアールからピカソ、モディリアーニまで。

ただ、あんまり印象に残らなかったです。混んでいましたしね。ひさしぶりに行ってわかったのですが、私、上野の森美術館は閉塞感があり、得意じゃないんですよ。今回もざっくり4フロアで、再入場不可。意外にコンパクトだったので、最初に戻りましたが、逆流するしかなく、やだなあと思いました。

珍しく、セザンヌに惹かれました。

《サント=ヴィクトワール山》

マティスの《コーヒータイム》

ピカソは、《アルルカンの頭部》、《アニス酒の瓶》

アニス酒は、アニス酒好きとしては、「うん、そんな感じ」な絵でした。意味わかんないけど。

ただ、総じて、発見はないんですよ。

「いかにもこの人らしい」絵ばかりで。

ピサロも、モネもキレイ、キレイ。ゴッホの自画像は、かなりよいものじゃないでしょうか? 20世紀のドイツ絵画は、ちょっとわかんなかったです。エミール・ノルデの《ひまわり》は、目をひきました。

「お友達と来たの」マダム避けを考えると、平日でもランチタイム前の時間帯は、最悪のタイミングだったかもしれません。月、火曜は、写真も撮れるみたいです。

いまんとこ、もう一回行きたいのは、クラナーハだけです。行きたいなあ。

 

「月ー夜を彩る静けき光」展

月の魔女の小泉茉莉花先生が絶賛されている「月」展。
すっかり忘れていて、思い出した時には、前期の最終日である30日しか時間がありませんでした。
しかも、行くなら本気で開館10時に伺わないと、次に間に合わないという事態に!

「まあ、なんとかなるだろう」と達観していたのですが、2日続けて外出の予定が入ると、
キャパオーバーになるらしく、いろいろめちゃくちゃになり……。
靴が壊れたり、駅のホームで滑ったり……。とんだトラブル続きで、時間がなくなり、
松涛美術館に滞在していたのは、わずか20分でした。

で、私は、それほど。

ひとつは、日本画アンテナがないこと。
もうひとつは、時間がなかったこと。
あと、比較的美術館には足を運ぶほうなので……。数を見ているからかもしれません。

響かないなりに、図録は買ってみました。
後期は行くかなあ? どうしようかなあ???

仕事の進行を見ながら、また考えてみたいと思います。

心に残ったのは、屏風です。武蔵野の月、波と月、どちらも美しかったです。

どうでもいいんですが、足腰が痛いんですよ。本当にもう勘弁してほしいわー。

ゴッホとゴーギャン展

ゴッホとゴーギャン展

クラーナハの半券で、100円引きになりました。

アルルに移住した直後のゴッホが描いたアーモンドの木の絵と展覧会の最後のゴーギャンのひまわりが良かったです。

最近の流行りは、画家の言葉を壁に書く、ですね。ドラマ仕立てというか。しかし、映像は、しょうもなかったですね。近年まれに見る内容のなさでした。5分立ち止まったのが腹立たしくなる内容でした。みんな、知ってる話でしょ? もっとうまく構成して欲しいですよ。とはいえ、ひまわり畑はキレイで、名探偵コナンの『業火のひまわり』を思い出しました。ひとつよければ、よいとしましょうか。茉莉花先生の教えの通りに。

これは、混雑必至で殉教気分で入りました。混んでいましたが、ダリ展より流れはマシでした。ダリ、動かないからお客さんが。

ゴッホの絵は、見たことがあるものが多かったです。さすが、人気です。ゴッホ。

私は、ゴーギャンは得意じゃないんですが、今回でタヒチ前は案外嫌いじゃないと気づきました。画家の成長を追えば、タヒチ時代も好きになるかもしれません。

もしかしたら、「ゴーギャンは、ゴッホを見捨てた人」みたいな幼いイメージが邪魔をしていたのかもしれませんね。ゴッホは耳を切り落とすほどこがれたのにゴーギャンは冷たい、みたいな。子供の価値観のまま、ぼんやりした反発がありました。が、改めて考え直せば、わざわざパリの暮らしを捨て、アルルまで足を運んできてくれたいい人じゃないですか、ゴーギャンは。待っていたのは、一発触発の激情型の危ないルームメイト、んなの、つきあいきれないですよ。

つまり、やっと、視点がゴッホからゴーギャンに移ったんですね。

ゴーギャンは、どんな人なのかなあ?

そんなことをぼんやり考えながら、歩きました。緊迫する二人から手紙をもらっていたベルナールは、大変でしたね。

こんなに混雑した展覧会じゃ細かいニュアンスまでうまく拾えませんが、また、機会があれば、ちゃんと考えたいと思いました。

あと、私、静物画が苦手なんですが、この展覧会の静物画はみんな、好きでした。不思議です。なにが違うのかしら?

物販の龍角散のポーチが気になって、気になって。買えば良かったかなあ? アーモンドか、麦畑なら、買いました。あの手の企画、嫌いじゃないです。ゴッホがゴホッ! 支持しますよ! しかし、使わない気もして。まだ、気になるんだから、買えば良かったかしら?

小学生らしき男の子が「ゴーギャンのほうがうまい気がする」とママに話していました。つい、ニヤリと笑っちゃいました。ニヤニヤ。

日本に憧れたゴッホ、ヨーロッパに憧れる日本人。世界は複雑ですね。